![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/114369137/rectangle_large_type_2_f0201264502a0cf0ecb06460f3190c4a.png?width=800)
Photo by
itsukano_33
【百人一首】(秋風に/七九・左京大夫顕輔)
秋風にたなびく雲のたえまよりもれいづる月のかげのさやけさ
(七九・左京大夫顕輔)
【解釈】
![](https://assets.st-note.com/img/1692968567221-J1BYQob1B8.jpg?width=800)
秋の風に雲が流され、たなびいている。そんな雲のすきまから、月の光が切れ切れに差し込んでくる。くっきりと澄み切った月の光の、何と美しいことか。
月のチラリズムを詠んだ歌です。難解な表現はないので、わりとそのまま理解できます。
出典は「新古今集」秋上 四一三。
作者は左京大夫顕輔(さきょうのだいぶあきすけ)。藤原顕輔です。
六条藤家の歌道家であり「詞花集」の選者になるなど、和歌に長けた人だったようです。
まん丸な名月が夜空にぽっかりと浮かんでいる姿ではなく、雲の隙間からふと顔をのぞかせた月の光の、一瞬の美しさを愛でる。
いかにも平安貴族らしい描写、という気もします。またすぐに隠れてしまうからこその光の美しさ、なのかもしれません。
月は年中美しいような気もするけれど、秋の月というのはなぜか特別扱いです。
夜が長くなるのを実感できる秋こそ、お月見シーズンなのかな。夏に比べて湿度が下がってくるので空気がクリアになり、くっきりと月が見えるというのもありそう。
それにしても、今年は札幌でもいつまでも暑く、8月も終わりだというのにひどい残暑が続いています。
冬はあんまり来てほしくないのだけれど、秋が待ち遠しい。
そんな気持ちです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?