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【百人一首】をぐら山(二十六・貞信公)
をぐら山峰の紅葉(もみぢ)ば心あらば
今ひとたびのみゆきまたなん
(二十六・貞信公)
【解釈】
小倉山の峰をうめつくす美しい紅葉よ。もし心を持っているのであれば、
もう一度帝がここへおいでになるまで、どうか散らないで待っていてはもらえないだろうか。
出典は拾遺集、雑秋 一一二八。
作者である貞信公は、藤原忠平のことです。
藤原時平の弟にあたる人ですが菅原道真と親交があり、道真の左遷にも反対したと言われています。
実際に、左遷後の道真に手紙を出すなどしていたようです。
時平の死後は太政大臣にまで上りつめるなど政治の中枢にありながら、百人一首に歌が選ばれるなんてすごい。
ただしこの歌が選ばれたのは、藤原定家の小倉山びいきがすごかったから、という説もあります。
小倉山は現在でいう京都市右京区嵯峨亀ノ尾町。標高296メートルの小高い山です。
百人一首の選者である藤原定家が山荘を構えていたのが、他ならぬこの小倉山の近く。ちょうど二尊院のあたりだったとも言われています。
学生時代は住んでいたアパートが左京区だったこともあって東山びいきだったのですが、京都を離れて、そしてすっかり大人になってから、ようやく嵯峨・嵐山エリアにも心ひかれるようになりました。
祇王寺や二尊院の紅葉。
何だか胸がつまるような濃密さがあって、美しさと物悲しさのバランスがとてもいい。南禅寺や永観堂とはまったく違う趣があります。
京都の紅葉、今年は見に行けるかな。
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