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【徒然草】つれづれなるままに(序段)

【現代語訳】

暇にまかせて、日がな1日硯に向かい、心に浮かぶさまざまなことを、とりとめもなく書き留めていく。怪しげな気持ちになって、不思議な感覚にとらわれてくることだ。

【意訳】

やることが何もない身である。かと言って何もしない訳にもいかない。

硯に向かって座る。頭に浮かんでは流れるように消えていく他愛のない、いやどうでも良いようなことを、筆のおもむくままに書き散らかしていく。

書いていると、のってくる。さらに書き続けていく。自分でもだんだん訳が分からなくなってきて、知らぬ間にトランス状態になる、ような気がする。

【雑感】

あまりにも有名な、徒然草の書き出し。この先とんでもない名作が読めそうな予感がする一文です。そう、序文はたった一文なんですよね。

兼好法師はどうしようもなく暇、いや、どうしようもなく孤独なのかもしれない。それでも、決して不幸ではなさそうなのが救いです。

書いているうちに、だんだん意識があやうくなっていく感じ。何となく分かるような気もします。

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