【Return of the Obra Dinn】モノクロの魅力に酔いしれよ
最近はモノクロが一般的だった漫画も
フルカラーがもてはやされる傾向にあるけど…
ゴーリーの絵本をコレクションし
ビアズリーの画集に感嘆し
アクアチントを主にしたエッチングで卒業したモノクロを愛するわしは
このゲームを始めた瞬間
もう「うわああああああ(感嘆)」しか言えなくなりましたよ!
しかもこの絵が3Dだなんて…!
もう感動しかないです(ノω・、)゚.+°
と、画の方は個人的に感動が大きかったですが
ゲームとしてもただひたすら感服する出来です。
そのゲームは前もちらっと触れた…
Return of the Obra Dinn
「Papers, Please」を作り上げた天才の二作目ですな。
もうその時点で圧倒的な名作信頼感があるんだけど
今回は硬質謎解きミステリーアドベンチャーゲームです。
相変わらず計算されたこの点描調のモノトーン
(1bitグラフィックス)で描かれた画面
ヒントになるはずのスケッチ(写真じゃないところもミソ)
順番に出てこない時系列などのせいもあり
難易度はかなり高いです。
公式の「このゲームについて」にあるように
プレイヤーは保険調査官となり
姿を現したオブラ・ディン号に乗り込み
断片的に手に入れたオブラ・ディン号に乗っていた人々の
残留思念をもとに物語を組み立て
「誰が」「いつ」「どうなった」のかを
推理(あるいは推測)していきます。
その推理が基本3人分当たった時「手記に貼った手書きの文字が活字に変わって
「確定」になります。
◆ゲーム進行
乗船したら一番先に目につくだろう白骨に近づく…
いったん乗ってきたボートに戻って懐中時計と手記を入手
白骨のところに戻ると
懐中時計を差し出すのでクリック!
この白骨の残留思念の世界へ…
文字と音だけのドラマ開始…
(このドラマは文字部分は手記で見返せるけど
音(声、背景音など)も実はけっこう重要です)
響き渡る一発の銃声…
そして死んだ瞬間の情景が…!
ここで本人と犯人、現場にいた人などが
「スケッチのどの人なのか」を確認できます。
さて、この撃たれた人は「誰」で「どうやって死んだのか」?を推理。
とりあえず…この人を殺したのは
「船長のわしに逆らう者には罰をくれてやる!」と言われた後
銃声がしていたので
多分「船長」
殺害方法は…まあ銃で撃たれてたんで「銃殺」
殺された本人は現時点では誰かは分からんので
空欄のままでOK。
(テキトーな名前を記入することもできる。)
さっきまでは閉じていた扉が開き
その先にまた白骨が見える。
そこへ行き、また残留思念のドラマを見る。
ああ!また船長に殺されとる!
すぐ横にまた白骨があるのでその思念も見る。
次の人も船長に殺されとる!
船長の脇腹にもナイフ刺さってるけど。
さっきまで閉じてた扉が開いていて奥に白骨が見える。
また思念を見てみる。
え!?
船長自殺しとる!!
ん…?ドラマ内に名前が出てる…
アビゲイル…ってのは名簿を見ると19番の人。
「アビゲイル・ホスカット・ウィッテレル」…
船長と同じファミリーネーム。
この人の兄を撃ち殺した…ということがわかる。
とりあえず船長は
こうだろう。
…そうなんですよね…
「3件ごと」ってのがまた上手いんですよ…
と、奥に女性の恐らく死体が寝かされてる…
いったん現実世界に戻り
さっき見た女性の居たところにある白骨の残留思念を見ると…
!?
えええええ!?
「船長はどこ?」「夫に会わせて!どこにいるの?」
と言っているので
探しているのは「船長」「夫」。
かなり切迫した状況で二人の人物を探すとは考えづらいし
わざわざこの方の遺体の横で船長は自殺してた…
順当に考えて
夫=船長だろう。
そしてこれは…………
クラーケンってやつ…?まあ「怪物」だろうな。
でもその怪物がもぎ取った船の一部…だと思われるものに
当たって亡くなったようだ。
で…
この方は「船長の妻」だろう。
ファミリーネームも同じだし
船長は「アビゲイル」「お前のもとへ行こう…」と言ってたんで
この方の名前は「アビゲイル・ホスカット・ウィッテレル」
そしてこの名前の表記の仕方…
名前+旧姓+新姓表記なら
「ホスカット」さんも親族だと思われる。
船長は「お前の兄を撃った」とも言っていた。
人物が特定できる要素がそろっていれば絵が鮮明になる。
最初のこの人の絵が鮮明になっていて
船長が「撃って殺した」のは今のところこの人だけ。
(あのセリフを言った時点では船長自身はまだ亡くなっていないので。)
名前に「ホスカット」があるのは
2のウィリアム・ホスカット一等航海士。
出身地もアビゲイルさんと同じスコットランド。
なのでこの人だと思っていいだろう。
※3人当たると「調査が進展」画面に突如移行する。
OK!
さすがチュートリアルでした。
…ていうかチュートリアルでこのレベルでした…
こんな感じで
60人の名前と末路を暴いていきます。
◆なぜか解ける
「難易度はかなり高い」とは書いたけど
チュートリアル部分でもわかったかと思うけど
ゲーム側から親切に「顔グラフィックが鮮明になった」
などがアナウンスで伝えられるわけではない。
とにかく発見し、気づき、記憶するしかない。
手掛かりは少なく
時系列も行ったり来たりする。
ヒントになるはずの絵(スケッチや残留思念の現場シーン)も「鮮明」ではない。
しかし、なぜか「解ける」
残留思念の会話から明らかになるものもあるが
ばらばらに判明する時系列を整理し
「この時点でこうだから」と消去法推理したり
特徴的な衣服や持ち物などから推測したり
ハンモックの番号やスケッチでの立ち位置
(ただしわしはこれに惑わされましたorz)
乗っていた人の中で女性は少ないのでそれを手掛かりにしたり
狭めていく方法はさまざま。
死因も「たぶんこう」で入れて当たったのもあるけど
見返してみるとちゃんと「推理の根拠になる材料」があります。
(見返して「あ!」って何度なったことか…)
ゲーム紹介文にあった通り「探索と論理的推理で展開」すれば
最終的にはパズルのピースのようにすべてがカチッとはまる…
相変わらず「とんでもないバランス」でできています。
確定演出が出た時の「よっしゃー!」感
徐々に判明していく物語
圧倒されるグラフィック
すべてが魅力に満ちています。
◆けっこう怖い絵づらもあるけど…
物語的にはかなりファンタジー要素もあり
そこにちょっと違和感や萎え感を覚えてしまうかもしれないけど
大体にして最初から
「残留思念を読み取れる懐中時計」なんてもんが存在してる時点でファンタジーなので
気にしちゃいけませんよ。
(手記も当たると勝手に活字記入されるし)
残留思念は「その人が死んだときに残した記憶」なので
当然死んだときのシーンが再現されるんだけど
「うわーこれどういうことだってばよ!」
とマジで声に出しちゃったくらい結構エグいのもあります。
ただしわざと荒い点描画にされてるんで
そこまでダイレクトではないです。
ゲームの没入度に比例するかも?
唯一
ファンタジーなアレを乗組員が捕らえて持ってきたのを見て
「お?でっけー魚獲れたのか?んじゃ今日はフライな!」
とか言ってピキったアレに引っ叩かれて死んだあの人のシーンだけは
悪いけど笑っちまいました(ノー`*)
◆隠し実績
steamの実績は普通にやってれば2個残して全部とれます。
隠しの2個のうち1つは
「調査を完了しないで帰る」と取れるんで簡単。
もう一個はNEWのセーブデータ欄1個使って
あることをするだけで見れます。
クリア後に物語をもう一度見たいなーと思ったら
ついでにやればいいんで
これも簡単に取れます。
も~ホントに「面白かった!」の一言に尽きるんで
ぜひプレイしてみてください!
推理アドベンチャーゲームが好きな方は特に!
そんな方はとっくにやってるかもしれないけど!
語彙力なくすくらいホントにすごいです。
Return of the Obra Dinn
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