「おもしれーイトじゃん」って気持ちで、意図まみれの世の中を生きていく
「もしかして、自分の意図しない方向に人生進んでる?」とか、「もしかして、自分の意図しない感じで受け止められちゃってる?」とかありませぬか。悪いことだけじゃなくて良いことも。
そんな時に思い出すのが、クリープハイプ「イト」。このPVがめっちゃくちゃよい。
ここ最近見てなかったけど、数日前に久しぶりに見たらまたその当時とは違ってさらにグサリと刺さったのでメモしておく。
このPVでは、「操り人形」がモチーフになっていて、クリープハイプ自身たちが紙人形となった自分たちを操っているところから始まる。
・出てくる紙人形が手作り感満載でかわいい
・ワイプに写ったクリープハイプのメンバーがすかした顔をしているのに時々やばっみたいな顔をしちゃうおちゃめシーンも楽しい
・清水ミチコ扮する黒柳徹子が「あなたたち日本で一番音を立てずにお蕎麦を食べる人グループなんですってね」とたたみかけるシーンが最高
・最後の方の尾崎世界観の覚醒歌唱シーンが迫力やばすぎる
と見どころ満載・世界観最高なのですが。
※このPVを監督した山口淳太さんの製作過程のインタビューもすごい面白い
アーティストであるクリープハイプたちが、事務所・日々のライブ・アイドルのハニートラップなどなどに翻弄されて、「操られてしまっている自分」みたいなのが表現されている(多分)。
芸能人じゃなくても、周りからの「意図」にがんじがらめにされてしまう事はあると思う。人の「意図」で動かされたり、見えない「意図」に引っ張られ、自分の動きを制限されたりするのはとても苦しい。
でも、誰か・何かからのすべての「意図」から逃れようとすると、もうそれは誰とも関係を築かないという選択肢しか無くなってしまう。
「意図避難所」みたいな場所はないわけ!?
と絶望する気持ちに、この「イト」という曲自身が寄り添ってくれる。
尾崎世界観のこの曲に関するインタビューに記されていたこのパート、とてもいい。
――ちなみに、『イト』って曲のモチーフにはどうやってたどり着いたのかなと。
尾崎「映画を観ても“操り人形”っていうイメージがすごく湧いたので。活動自体で言っても、僕もメンバーを操ってるし、メンバーに僕が操られてるところもあるし、お客さんを操ってるつもりだけどお客さんに操られて一喜一憂させられてるし(笑)、レコード会社にしてもそうで。操ったり操られたりの繰り返しですけど、それを断ち切ってしまうとまた悪いところも出てくる。“意図”がないと面白くないんですよね、やっぱり。不満に思うこともあるけど、結局、誰かに相手にされないと…そういうことを歌いたいなと」
(「時代に弄ばれながらやっていかなきゃいけない」大ヒット中の菅田将暉主演映画『帝一の國』主題歌『イト』に懸けたクリープハイプの執念とポップネス尾崎世界観(vo&g)×長谷川カオナシ(b)インタビュー&動画コメント)
結局、人と人との間で生きていくには「意図」から逃れられない。
でもその「意図」を面白がれるようになれば、見える世界も変わってくるのかもしれない。
「ああ、意図だなぁ」と意図を感じながらもそれを断ち切ったり逃げたりせず、操り操られながら、糸をひっぱりひっぱられながら、面白がって転がる石(意思〜)になればいいんだなって。
意図(糸)がゲシュタルト崩壊しそうだけど、そんな感じです。
最後。
ここもよかった。
――操り人形を動かす“糸”であり、そこに潜む“意図”であり。いろんな意味が乗ってくるからカタカナに?
尾崎「そうですね。あとは、カタカナにすると“人”っていう漢字が踊ってるようにも見えるんで」
おもしれーイト(意図)じゃんって気持ちで
やっていき
E.N.D
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