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おーい、産直ECに未来はないってよ〜

ECの事を色々調べていたら、最近やたらとこの手のタイトルを目にする。
正確には未来がないどころか、今がそもそも大変、という話が多い。

twitterやnote界隈で今回の議論になっている話の元々の問題定義はこの徳本さんのブログがその一つだったと思っている。

こちらはあくまで農業からの視点として。

話は徳本さんのブログから

あまりに理路整然と、そしてストレートに、こんなポイントでなぜ産直ECは生産者を疲弊させているかが語られています。

なぜ産直ECは生産者を疲弊させているか

1. 品質・供給量が恐ろしいほど安定しない

ここではアンダーバー付きでこう語られている。

有機農法だから、自然農法だから云々ではなく、完全に栽培技術が未熟であるがゆえに生じる問題です。

生産者に向けた、心に突き刺さる言葉だ。
そしてバイヤーや消費者目線にはこう真実を続ける。

よく勘違いされるのは「規格外が出たら加工用にすることで損失を回避できる」という話。しかし加工用であれば、最初から品種や肥培管理も加工用に設計し、圃場管理していきます。規格外が多くなるのは完全に栽培技術の問題で、不揃い品が多い時点で収穫コストは倍増するので、加工用に回せたからと言って利益はほぼ残りません。

殆どの消費者は勘違いしている、という事になる。
そしてその消費者は産直ECで買い物をしている、というわけだ。

2. 仕入れの基準に客観性が持てない

生産者からバイヤーへ、そして消費者へとモノが渡る時、客観性がどれだけ担保されているかと。

仕入れの基準が希少性や栽培手法、新規就農・里山保全・担い手の挑戦といったストーリーに偏りがちで、品質と安全性が客観的に評価されず、販売側も正しい判断・管理が困難になります。

マーケティングを生業の一つとしている身としては、ストーリーに偏りがちな話は脳ミソが痛い。

客観性とは科学的根拠であると、ブログでは語られている。
糖度は美味しさを伝える客観性数値ではないという、、、
糖度、ある意味唯一の客観性だと思ってたよ。

多くのコダワリ生産者はどこまでこられを網羅的に理解しているでしょうか?
※一部割愛

「自分の野菜は甘くて美味しいよ」と多くの生産者が言います。しかし、その品質を、硝酸値や糖度で数値化し、視覚化している生産者はどれくらいるのでしょうか。

※一部割愛
バイヤーは本当にそれらの話を正しく解釈し、ジャッジできるでしょうか。

生産者のコダワリや思いにフォーカスが強まってしまい、美味しさや安全性に対する科学的根拠が欠落しているケースが多いように思います。

安全性に対する懸念は、まさに有象無象の現在の産直ECサイトでは大きな問題であろう。

美味しさに関しては、僕はこのブログからは客観性的内容を読み取れなかった。

3. ビジネスが恐ろしいほどスケールしない

これは一番想像できる部分だ。
産直だけではなく、衣食住すべてのカテゴリーにおいて、小型のショップはECサイトではスケールしにくい。
小遣い稼ぎ、趣味、古い物を売りたい、などショップの目的そのものが小さいからだと僕は思う。

コダワリのある小規模農家とコダワリのある消費者をつなぐビジネスは、様々なコストが発生します。

ここでは、物流コストとコミュニケーションコストに関して、それは見合わないのだと書かれている。
確かに産直で取り扱う商品の単価に割り戻すと、恐らく見合わないのだろう。
ただ、コストという視点であるのなら、上代の設定でそれを改善できるのでは?という疑問も出てきた。
もちろんスーパーなど、圧倒的に単品単価が安い所とは勝負にならないが、考えてみたら元々スーパーと勝負したくないから産直ECに参加なのでは?と思うのである。

スーパーとの勝負を避けたのに、スーパーと同じ商品で産直ECで勝負しても、戦う前から勝敗は明らかだ。

徳本さんは最後のまとめの一つでこう語っている。

まとめると、現在の日本農業に存在する問題の多くは、生産者の栽培技術に帰結する、ということです(実際には、「経営」に関する点も大きいのですが、それはまた別稿で)。

生産者側の変革や成長が欠かせないと。
ここは我々一般消費者にとってはとてもとても遠い話だ。
もしくは、なぜ遠いのかを深掘りすべき、とも言える。

まとめると

1、品質と供給量が安定しない
2、仕入れの基準に客観性がない
3、ビジネススケールに対してコストが大きい

これをひっくり返すと
1、品質と供給量が安定している
2、仕入れの基準に数値的法的客観性がある
3、コストに対するビジネススケールを創る
と、産直ECはうまくいくのだ!という事になる。
なかなか参考になるではないか。

徳本さんのブログには続きがある。
またそこには次回触れていこうかと思う。

産直ECには未来がないって?
その視点で言ったらアパレル小売にだって未来はないぞ。

未来はどうすればできるのか。
引き続きネット上の議論を追いながら、考察していくつもりです。

thank you, and good luck.
Sadao

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