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終わりから始まりへ

ボクらの旅は始まる。ダンジョンクリアーで四つの至宝が手に入る。旅の終わり、ボクらはどこへ行き着くのだろう──

 ✴ ✴ ✴

こんにちは。フジミドリです。情報エンタメマガジン意識学ラボ・シーズン2、いよいよスタート。今回はプロローグなので全て無料となります(*⌒▽⌒*)



【この記事の最後、ご報告がございます】

 🌸 🌸 🌸

ボクはミツヒロ。MMORPGのコアワールドで使うニックネームだ。中学で同級生のサクヤがコンビを組む。ワクワクするな。

今日は、ダンジョンへ挑戦前にレベル上げ。草原で魔物を退治する。スキルや能力を試しておくわけ。ウォームアップってとこね。

ゲームに入って目の前が拓ける。澄んだ青空は鮮やか。輝く太陽が眩しいばかり。爽やかな風も吹く。一面、緑の草原は揺れた。

 🌿 🌿 🌿

心地よい。スゴいな。臨場感に圧倒される。まるで本物だよ。ボクはここにいる。間違いないね。まぁ、ナノマシンで脳が活性化されてるってのはあるかもだけどさ。

《索敵しますか》

明るい声がする。AIのサポートだ。超便利。 もちろんさ。画面下に浮かぶ選択肢でイエスをタップ。 すると、薄い索敵画面が現れて、目前の景色に重なった。

 🐰 🐰 🐰

いたいた。ホーンラビットは頭に角が生えたウサギ。3匹いる。

「ミツくん、ホンラビだよ。5匹」
『 マジ。3匹じゃない』
「右斜め後ろに2匹」
『ホントだ。じゃぁボクが前衛ね』
「うん、わかった」

アイテムボックスから短剣を取り出す。どうやるんだっけ──右手を開き意識を集める。空間が揺らいで柄は手に触れる。握った。

 🔪 🔪 🔪

草原を歩く。見える。ウサギが3匹。こちらを向く。可愛い。モフモフだ。気が緩む。殺すのはちょっとな。腰から力が抜ける。どうしよう。サクヤを見た。

サクヤは、銀色の槍を取り出すと身構える。目が合うと頷く。強い目をしている。ハラにズシンと響く。うん。ゲームとは言っても、魔物が相手。油断したらやられる。

それ、わかるんだけどね。ゲームだからな。殺せばレベルは上がる。武器の使い方もわかる。でもやっぱ、殺すってどうなんだろ。

 🗿 🗿 🗿

強い波動が流れてくる。こっちを睨む目は真っ赤。瞳がない。一匹、突進する。素早い。残り2匹は、左右に分かれ回り込む。サクヤが、ボクの斜め後ろに控えた。

《 戦闘モードを選択してください》

画面下に選択肢が現れる。臨場感レベルを選べばいい。あっさりだよね。でも、どうしたんだろ。リアルな方を選んじゃった。

 🔥 🔥 🔥

ホンラビが地を蹴って飛ぶ。ボクは不意を突かれ腰が引ける。慌てて短剣を振り下ろす。タイミングは遅れ左肩に衝撃が走った。

ホンラビの角は防具が弾いたけど、衝撃は伝わる。腰から血の気が引く。みぞおちは苦しい。吐きそう。逃げ出したくなった。

続いて、二匹目が右から突進してくる。短剣で振り払う。ガシッと手応え。切っ先は白い毛皮を引き裂く。肉に食い込む。血の臭い。

 😨 😨 😨

ウエッ。また吐きそう。でも、息つく間もなく、今度は左から3匹目だ。短剣で切り返すより速いと感じて、右足で蹴り飛ばした。

ブーツの足首が、ホンラビの腹に食い込む。内臓の潰れる感触は背骨を走る。気持ちの悪さと妙な快感が入り混じる。ボウッとした。

どうしたんだろう。急に体は軽い。腹の底から力が湧く。吐きそうな胃のむかつきは治ってくる。ピロロリンと音が聞こえた。

レベル2へ上がりました》

 ✌ ✌ ✌

空気の揺れ。グシャッと音が響く。振り返ると、サクヤはボクが取り逃したホンラビを、で突き刺していた。

目が合う。サクヤはニコッとする。可愛い笑顔。でも血が臭う。ボクは吐き気を催す。

「ミツくん、大丈夫?」
『いや、なんていうか』
「具合悪そうだね」
『大丈夫だよ』
イデアルームに行こう」
『うん』

 🏡 🏡 🏡

周囲の景色が変わる。木作りの部屋。真ん中にテーブルと椅子。ボクは壁際のソファーに沈む。ぐったり。サクヤが隣に座った。

「ミツくん、もしかしてリアルモード?」
『失敗しちゃったかも』
「それでか。グロかったでしょ」
『マジ、グロい。あと、血の臭いとか」

サクヤが顔をしかめる。ボクは、どうしてリアルモードを選んだのかな。自分で選んだのに改めて疑問だね。よくわからない。

『切る手応えや、蹴った感触がグロい』
「戦闘は、あたしムリ」
『モード変えるよ。解体あるもん』
「そっか。あたしは逆にね」

 🍔 🍔 🍔

イデアルームから通常場面に戻った。二人で残り二匹を倒すと、またレベルアップした。 武器の使い方にも慣れてきた。いい感じ。

サクヤはテキパキと解体をこなした。理科の実験講座で、解剖の動画を見るのが面白いなんて言ってた。ボクは苦手なんだよね。

それから、さらに草原を進み、ゴブリンやグレイウルフと戦い、レベルアップした。解体した肉や毛皮は、アイテムボックスへ収納、 魔物たちの核である魔石を取った。

 🔮 🔮 🔮

ゲームから戻ると、ボクは明日提出の宿題を確認した。学校はテレワークだから、ゆっくり寝てられるけど、やることはやっておきたいと思った。ホンラビの夢を見そうで怖い。

夕食はハンバーグとポテト、茹でた人参だった。美味しく食べてお腹いっぱいになった。ふと思う。これも、殺した肉──

今まで考えたこともなかったよ。肉だけじゃないね。野菜だって同じさ。ボクらは生きているものを殺して食べているんだ。

ボクは手を合わせ、目は閉じ頭を下げた。


9月12日午前10時へ続く💖

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イラストは朔川揺さん

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いかがでしたか。次回より、ここから有料部分となります。フジミドリとイラストを描いてくださる朔川揺さんのトークです。

 🎤 🎤 🎤

「あっはっは。ミツくん、負けとるな」
『昔、男は度胸、女は愛嬌だったけどさ』
「草食系男子いうくらいやからね」
『男は読経。女は最強さ』

「せやけどな。ダンジョン攻略のパーティやろ。5人くらいがええとこやないの」

『たーしかに確かに。キャラが多いと展開しやすくて、飽きさせないからね。でも、全体で5千字見当かなって考えてるのよ。そうすると描き切れないでしょ』

「なるほど。物語は2千字くらいか。12回の連載、ざっくり5万字か。短編やな」

『オレ、揺さんみたいに長編を書き切る自信ないから。自信ていうか資質が違うんだよ。揺さん、直観型じゃない。オレ、計画派』

 📚 📚 📚

長編を書き切るのが直観型。計画派は短編向き。そんな区分けなど、本来ございません。私が勝手に考え出した仮説なのです。

なぜ5千字見当、キャラが多いと本当に展開しやすいかなども、実際に書きつつ、揺さんとのトークで探って参ります。

フジミドリの在り方革命について、これまでどのように書き進めてきたのか、振り返ってまとめたい。そのような意図もあるのです。

 🍷 🍷 🍷

子どもの頃から妙なことばかり考えて、よく宇宙人と呼ばれました。本人としてはフツーなのですが。どうもそうではないらしい。

私、研究者を目指して挫折致しました。数学か理論物理学、そのあと医学・哲学・心理学へ、そして経営から教育。自分に合う分野が見当たりませんでした。

 🍂 🍂 🍂

「ははぁ。それで自分で創っちゃえ」
『還暦過ぎたし、そろそろいいかなと』
「フジさん、道術家やないの」
『うーん。それはまぁそうなんだけど』

道術とは何か。私なりの理解ですが、意識の使い方を学ぶ術なのです。あらゆるものが題材となります。今回は物語を使いましょう。

「なるほど。具体化や」
『抽象的な理論は伝えてきたからね』
「ミツくんが道術を体感するんか」
『13歳の少年でも使えるのが道術さ』

 👍 👍 👍

「ホーンラビットは3匹か3羽か
『迷ったんだよね』
「魔物やからなぁ」
『英語に訳すと同じだもん』

「ちょびっと生々しい描写やな」
『ウォームアップだけどさ』
「わたしはあそこまで書かへん」
『オレってやっぱ、描写スキかも』

 🌴 🌴 🌴

揺さんは、別サイトで長編ファンタジー連載中なのです。出逢って10年過ぎました。小説に関しては、私のライバルでもあります。

https://mypage.syosetu.com/1500929/

このような二人の創作談義です。今回の試みはプロセスエコノミー。これからは、完成品を売る時代ではないと言うのです。

例えば、音楽CDはもう売れません。その代わりCDを作る過程が提供できます。ファンの方にはプロセスがエンタメとなるのです。

 💸 💸 💸

「なるほどな。アニメのDVDについとる特典映像やね。あれはまぁ、オマケやったけど、これからはメインになる時代なんやな」

『さすが。よくおわかりで。このウィルス騒動で、エンタメも一気にテレワーク化が加速したからね。対応しなくちゃいけない』

「無料部分で小説を書いて、作成するプロセスを有料にするわけやね」

『これって、一つのビジネスモデルになるかなと思ってさ』

 🍈 🍈 🍈

私たちのようなアマチュア作家も、ちょっと角度を変えれば、すぐにプロとして通用する時代なのかもしれません。

あるいは、プロアマという概念自体が、取り払われつつある。そんなカオスな時代を予感するのです。皆さまとご一緒に、探っていけたら嬉しく思う次第でございます。

 🌷 🌷 🌷

「お料理番組やな。作る過程をエンタメにしとるねん。古くからある手法やで」

『そう。お笑いもタケシあたり。楽屋ネタって言うかさ。スタッフとのやり取りを、表に出しちゃった。ダウンタウンが継いだね』

「懐かしなぁ。オレたちひょうきん族。風雲たけし城とかな。ちょろっと見とった」

 🏯 🏯 🏯

『背景にあるテーマは次元上昇なんだ。霊界の仕組みも、変わってきたからさ。スピ系でも気づかない人いるみたい』

「次元上昇を言うたら、私ら地球人も宇宙人になるんか」

『そうねぇ。地球そのものが次元を上げようと決めたわけよ。だから、流れに逆らわず、自然に任せたらいいんだけどさ』

「ウイルス騒動で不安になるからな」
『あれ、言いづらいからって呼ぶ』
「なんでやねん」
『君って漢字、分解するとさ』

「ほんまや。三つのカタカナになるで」
『偶然と思うかもしれないけどさ』
「ははぁ。君が代やね」
『お。さっすがぁ』

 😲 😲 😲

有料部分では、このような少し出しづらい情報も、書こうかなと考えております。

400円のマガジンをお読み頂いて、400万円の価値が生まれたら、素晴らしいこと。そんな夢を描いてみたのです。在り方次第で可能ではないか。

そのような空間が創れたらという意図で設定致しております。ある方はこれを結界とおっしゃった。ドキッと致します。

 🔮 🔮 🔮

『検査で陽性になってると、で死んだことになっちゃうの。厚労省の命令でね。たとえ事故でも老衰でもさ』

「それであないな数字、なっとるんか。作られた死亡数やないか。ほな、予防接種で亡くなった場合はどうやねん」

『それは現場の医師が、自分の意志で報告するわけよ。こういう情報もさ、リンク貼ろうとしてもすぐ消されちゃうからね』

「なんやレジスタンスいう感じやね」
『あ。それぴったりかも』
「政府の締め付けに抵抗するんや」
『スビバセン。ワクワクしてきたよ』

 😅 😅 😅

亡くなった方を前になさり、悲しみで打ちひしがれることもあるでしょう。不謹慎であってはいけません。とはいえ、真実が隠されてしまうのもどうかと考えます。

風の時代は幕開けました。新しき流れです。愉快な物語の形を取りつつ、皆さまとご一緒に命の理解が深まれば嬉しく思います。


 🌈 🌈 🌈


さて、ご報告です。
昨日早朝、父が亡くなりました。

長期療養中で、夏期講習前には面会許可がおり、今生の別れを済ませていたのです。

『通夜葬儀なし。火葬だけ。遺言でね』
「このご時世やけど、すっぱり潔いな」
『親父らしいよ。やっと落ちついてきた』
「フジさん、お父さんの魂と話したんか」
『うん。初めは戸惑っていたけどさ』
「フジさんの話で落ちつかれたんや」

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『ああ。語りかけてるよ。父さん、お疲れさま。痛みも苦しみもないからね。自由だよ。つらかった。よく耐えきった。偉い。もう大丈夫さ。友達と会えるよ。みんな先に逝っちまうって、寂しがってたもんな』


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「そうかぁ。でも、わたしやからええけど、妹さんや他の親族には言えへんことやろ」

『そうなの。よかったねなんて言ったら、場違いだもんなぁ。オレってやっぱり、ズレてるみたいよ。まぁ、ミドリで先に済ませたからね。しょうがないんで生命波を送ってる』

終わりは次への始まりです。 父ついては、折を見てこちらへ書かせて頂きます。


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ではまた💚


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