早倉線

懐かしい景観、平成20年くらいまでの音楽やCM、青や緑(ソーダやメロン・マスカット)の…

早倉線

懐かしい景観、平成20年くらいまでの音楽やCM、青や緑(ソーダやメロン・マスカット)の素朴なお菓子を愛でるのが好き。レトロなもの全般大好き。一番好きな月は11月。詩をかきます。名前の読み方は さくらせん です。早倉線(はやくらせん)という想い出深いバスの廃路線名に由来しています。

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秋は空きを愉しみませんか──お盆明けから年末にかけての時間の流れについて思うこと

買うものがあったので、帰りにショッピングセンターに立ち寄ると、もうハロウィン雑貨が並んでいました。 この時期は毎年のことだけど、やっぱり違和感を覚えます。 年々夏は過酷さを増すのに、 秋冬のイベント支度は暑い時期から怒涛の勢いで進められていくことについて。 昨年は、9月初旬からクリスマスケーキの予約受付開始の広告を貼り出しているお店も見かけました。 この国では多くの人が創作を楽しんでいるので、季節に対する感性もきっと細やかで研ぎ澄まされている人が多いことだろうと思います。

    • 【詩】或冬の午後の詩

      光る水辺を凍えながら歩いた この場所で皆が水浴びする夏を想い 二人は眩しく笑った 初夏のように若い二人は 底無しに広い冬空へ やわらかな耀きを放ち 来たるべき苦しみなど総て 焼き尽くしてしまった それは誰の目にもあきらかだった なぜに二人は穏やかな時代を 喪わなければならなかったの? 誰も知らなかった。 このとき二人は互いの両手を確く握り 互いの耀きで互いの姿を 眼に焼き付けておくべきだった 有り余る謐けさのなか 二人には小鳥の囀りしか聞こえていなかった

      • 【詩】手帖のこと

        もう戦後ではなくなった時から ニッポンの青春時代までのあいだ 耕されていた凡ゆる夢は 生れる前のテニスコートで 8の字レモンの春のはざまで うたた寝してた時のまぼろし 沫がはじけて目ざめたら 蒼いフェンスの外側で 記号を弄して隠した秘密は 今では秋の風の遊びば 砂に削られ雨にふやけて 手に取ったらばばらけてしまって 私、慌てて拾いあつめた もとには戻せなかったけど たぶん誰にも知られてないよね

        • 【日記】2024年9月27日

          人混みの中で小学校卒業以来の同級生をみかけた。 背が高くなったこと以外、艶々の黒髪も聡明そうなお顔も、何もかも昔のまま、紛うことなきあの子だった。 ここ2週間くらい、そろそろ誰かに遇いそうな気はしてたけど、予感の正体はこの子だったのかな。 私はこういう時、話しかけに行けない。 暫くしてあの子はパートナーと落ち合って、どこかに行ってしまった。 帰りの電車、私はまだあの子のことを考えていた。 字の綺麗な子で、習字の授業で好きな言葉を書くという課題が出された時、その子は

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        秋は空きを愉しみませんか──お盆明けから年末にかけての時間の流れについて思うこと

          【詩】おとぎ話

          勿忘草も投げぬまま沈んだ確からしさ 来たときには沫になってて ひとり生きているには怖すぎた だから聞こえないはずの声を聞いたんだろう 魚を捕る人は皆わらった あなただけは魚を抱き締めて、震えてた

          【詩】おとぎ話

          【詩】どぜう

          大抵ものがなしいメモリ ゆっくりひかる11時 イヲの腹、きらり じわりと沁みるメメントモリ 素敵な事件に命ささげて ゆっくり呼吸、ふかくなる これが海のなかならば 蒼い目のまま泣けたかな 溜息さえもクラゲに化えて 結局みずいろが好き 結局、似合わない

          【詩】どぜう

          9月に視聴したい懐メロ動画3本

          大島実織さん「なつやすみのおさかな」 NHKみんなのうたで放送されていました (初回放送は1996年8月〜9月)。 夏やすみ真っ只中に聴くより、 夏やすみの終わりを意識し始める頃から 体がまだ現実モードに戻ってない頃に この曲を聴くと、 無意識の世界に連れていかれそうになります。 魚はスピリチュアル的には無意識世界のシンボルなのだそうです。 西内としおさんのアニメーションもぴったりです。 「すみれ September Love」 私はSHAZNAさんの歌でこの曲を知ったので

          9月に視聴したい懐メロ動画3本

          【詩】ペン立て

          缶は酒精を吐きながら くるくる床を転がった いつか望んだ安らぎが 床の上で死んでくのを 一瞥をもって見送った 通りすがりの人々 こんなもの、なければ よかったね、と ある人は蹴り ある人は踏み ある人は見ないふりした あたしは 持って帰って、綺麗に洗って 書けないペンをいくつも生けたよ

          【詩】ペン立て

          お盆明けの倉敷美観地区から

          お盆明けの倉敷美観地区から

          旧時代の支流へのまなざし

          街づくりに対して意見することを 私にも許してもらえるとしたら、 旧時代に脇役だった色やデザインを 再評価して新時代に積極的に 取り入れてもらいたい です。 例えば岡山県は、岡山城の別名が「烏城」だったり、倉敷美観地区周辺が「白壁の街」と呼ばれたりしていることもあってか、 新しくたつ建物もモノクロ(特に黒)が多めなのですが、 旧時代に主役を張っていたモノクロばかりが増えると、モノクロという要素は継承できるかもしれないけれど、 「美観」としてのモノクロが、ありふれたモノクロの一

          旧時代の支流へのまなざし

          アドバルーン、ツェッペリン、そして目玉風船

          アドバルーンに飛行船。 私も懐かしさを覚える者の一人です。 私が未就学児の頃は、地元の中規模スーパーの上空にもたまにアドバルーンがぷかぷか浮かび、飛行船はその頻度に比べればレアですが、ぽぽぽーっと進んでいく光景を二回くらいは見たことがあります。 昼の空を見上げてラッキーを見付ける機会が今よりも多かったと、言って良いかもしれません。 辻六道さんのnote パインテイルさんのnote アドバルーンの故郷が日本なのは初めて知りました。確かに縦書き日本語に適していますね。辻六

          アドバルーン、ツェッペリン、そして目玉風船

          旅情について

          個人的夏の定番曲は 森繁久彌さんの「知床旅情」。 私は「知床旅情」の旋律が似合うような国内旅行に憧れています。 未来に旅情という感情は、残されているでしょうか。 この国が、言葉が辛うじて通じるだけの異国の連なりだった頃、旅情はきっと現代人が思う以上に圧倒的な感情だったと思います。 上代に於ける旅は、その地に骨を埋める覚悟で赴くもので、別れ行く人々は互いに「袖を振り」、相手の魂を袖の中に預かることで再会を願いました。生れ育った土地で亡くなるのが幸せとされた時代です。 私達

          旅情について

          明日にはもう無いかもしれない、建物、街並み、散歩道

          昭和風の、お洒落の形跡が見られる、 こぢんまりとした喫茶店、民家、ビルヂングが好き。 窓やドアのあり方が好き。 褪せたベージュやクリーム色の壁、 堅牢な印象の深緑の壁、 雨の似合う淡い青や紫の壁…… 目が楽になる。 いつまでも歩いていられるような気がする。 そういう街並みや散歩道は、 日焼けして柔らかくなって、甘い匂いを漂わせるようになった本やノートと、雰囲気が似てる。 モーパッサン『メヌエット』の主人公ジャンも、リュクサンブール公園の苗床や老夫婦に対して、似たよう

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          月々音楽メモ

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