#60 【失敗談】自分の仕事だけをみていた
今日は、僕自身の過去の失敗談とそこから得た学びのお話をしようと思います。
僕は今、大きなプロジェクトの中の、1つの工事の監督をしています。
プロジェクトには予算と工期が決まっていて、その中でやりくりしていかなければなりません。個々の工事にも予算が割り当てられています。当然、個々の工事で割り当てられた予算をオーバーしたり、工期が延びたりすれば、プロジェクト全体の予算と工期が厳しくなります。
しかし、工事を進めていくと、発注当初にはわからなかった事象が発生し、その都度、現場に合わせて変更していかなければなりません。場合によっては請負金額の増額が発生することもあります。
そのため、請負金額の変更をする際には、工事担当、設計担当、予算担当と合議し、方針を決めます。適切な施工ができるか。予算内でやりくりできるか。できないならどうするか。工期は守れるか。こんな視点です。
自分の仕事だけをみていた
僕の失敗は、自分の担当工事だけをみていたこと。どう施工し、いくら増額になるか、しか考えていなかったことです。
「〇〇の問題があり、△△すれば解決する。それには■■円かかります。やってよいですか?」
「やったとして、予算は守れる?超えた場合はどこからもってくる?工期に影響はない?」
「工期に影響はないですが、予算は……」
つまり、プロジェクト全体の一工事でありながら、プロジェクト全体の予算状況を把握せず、自分の目の前の仕事しか考えていなかった。これが大きな失敗でした。
工事の当初予算をオーバーするのであれば、プロジェクト全体の資金繰りの見直しが必要です。それをやらないと、返済担保がないのにずっとお金を借り続けるようなもの。気づいたら「お金が足りませんでした」というわけにはいかないのです。
学び 〜全体を俯瞰できないといい仕事はできない〜
目の前の仕事を全うすることはもちろん重要です。ですが、それ以上に重要なのは、プロジェクト全体像を俯瞰し、その上で、自分の仕事と役割がプロジェクト全体のどこに位置づけられているのかを理解して仕事を進めることです。
工事監督だから、施工管理や現場にだけ詳しければよい、ということにはなりません。全体像を把握していないと、いい仕事はできないのです。
よりよい仕事をするには、視座を高めること。
自分の専門だけの狭い世界に留まっていてはいけない。そう気づけた大切な失敗でした。
企業の中ではジョブローテーションを取り入れているところも多いでしょう。僕の組織にもあります。
ジョブローテーションは、数年おきに様々な業種に従事することで、自分の強みや得意分野をみつけることが主目的とされています。それ以上に視座を高めることに効果的だと思います。
特に、日本のようなメンバーシップ型の社会で力を発揮していくには、様々な分野を俯瞰して考える力が大切で、そのために多分野の経験や勉強が欠かせません。
過去の自分の「専門だけを極める」「自分の守備範囲だけを守る」という姿勢を改め、「全体像を理解し、その上で求められた役割を遂行する」ことに、注力していこうと思います。
自分の成長につながる、よい失敗でした。
最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。
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