見出し画像

常駐型フリーランスなんてオススメしない5つの理由

自己紹介

個人事業主3年半。
ライター、編集、ディレクション、マーケ、デザイン、フロントエンドのコーディング
いろんな仕事をしつつ、ここまでやってきまして常駐では3社ほど渡り歩いてきました。

最近のテーマは情報可視化とビジュアルコミュニケーションで
グラレコをしたり、図解化のお仕事をしながら、この辺を伸ばしていきたいと思っている状況です。
こういうやつね
https://scrapbox.io/sacho19/
https://coconala.com/services/774385

はじめに

ここでいう常駐型フリーランスとは、請負契約か準委任契約かに関わらず
原則決められた曜日の週何日か、特定の業務に従事する立場のことを指します。

私はディレクターorマーケティングポジションで入ることが多いので
エンジニアやデザイナーはまた違った見方もできるかもしれません。

最近働き方について考える機会が増えたので、どうしても言いたい常駐フリーランス問題について書いていきたいと思います。
よくある広告文句の「安定収入を得ながら自由な働き方」ってどこまで本当なのか、私の体験をもとにお伝えしてみます。


毎日自由…でもない現実

フリーランスと言われてまず思いつくことの一つは「毎日決まった時間に会社に行かなくてもいい」ということではないでしょうか。

常駐フリーランス、というタイトルからもわかるように、実は一概にそうとは言えない現実があります。
例えばデザインとか小さなサイト制作ならリモートで済むこともそこそこありますし、法人化していればコンサル的な感じでスポットでしか出社しないケースもありますが
個人事業主でやるならディレクター、マーケター、PM系はまず常駐だと思った方がいいです。

そして週1、2からOKという求人も媒体によっては見かけなくもないのですが、最近のエージェントが扱う求人は、ほぼ週5日となっているところが非常に多くなっています。
まず、この時点で自由ではないですよね。。。

ちょっと譲って週4日だとしても、せいぜい昼に特別なランチに並んだりできるとか混雑を避けて行楽地や催しに行けるとか、役所の手続きに行きやすいみたいなレベルで、
常駐案件とは別に本気のライフワークをやってきたいとか、趣味を極めたいと考える人にとっては、それでは時間が足りないと言わざるを得ません。
もちろん自分で何か打ち込む時間は増やせるのですが、打ち合わせや人と会うのを昼間に入れたいとしても、予定調整が一週間単位になってしまうのが最大のネックです。

やっぱり、本当に自由になりたいと思うなら常駐は多くて週3が限度だと思います。
でも週3以下の案件は最近特に表に出回らなくなってきているように感じており、実際募集してみても週4、5を勧められるケースは大いにあります。


安定なんか、どこにもない

事業の終了、売却、自分のパフォーマンス、その他諸々の理由で、フリーランスは簡単に切られる可能性があります。
契約書の内容にもよりますが、一週間とか二週間とかごく短期間で辞めなければいけないケースもあり、来月そこで働いているかどうかすらわかりません。(逆にすぐ辞められる良さもあるけど)案件無い時の保証なんて当然誰もしてくれないですし。冗談抜きで無職になるんだよ〜

案件を変わる時のコストにしても、多少選考がスピーディになるくらいで、正社員の転職と同じレベルで大変です。何より希望条件にあった求人が正社員以上に見つけにくい。
ここで問題になるのは、かなりの日数を常駐していると、面接の予約も取りにくいということで、決まるのが遅くなる傾向があります。

エージェントに丸投げすれば、新しい案件を見つけたり条件交渉にかかる手間は省けるのですが、給与より仕事内容にこだわりがあるなら、絶対自分で見つけてくるのがいいです。
確かにエージェント通した方が給料上がるケースは多いけど、結局それってSESと同じで、自分の原価ではないのを忘れてはいけないし
そもそも自分を売り込むことが一からできなければ事業主として身を立て続けてくのは難しいと自戒を込めて思います。


リソース化してしまう問題

準委任契約であれば、本来は特定の業務範囲を「委任」されて進めるはずですが、実際に本当に「任されている」という部分は非常に少ないように思います。

基本的に最終確認やGOサインを出すのは正社員なので、(大手は特にその傾向)彼ら彼女らが組んだ仕事を、特定の時間でこなしていくという“日々の作業”に陥りがちで契約時は想定しなかったタスクも、その延長で普通にやらされる(あくまで、やれる、ではなく、やらされるというポジション)ことも多い気がします。

特に伝統的な企業で契約社員か業務委託、みたいなオファーをされてるときは要注意で、これはあなたを仲間(正社員)ではなく、完全にリソースとしてみますよ、っていう宣言にも今の私には取れます。←疑いすぎ?
一方で、一方の中小、ベンチャーについては「いずれは社員」ポジションで業務委託のフリーランスを受け入れたりするところもあり、まあ相性がいいならそういう選択肢もありかなと個人的には思います。大人インターンみたいなノリで働くことのハードルがもっと下がる世の中になったらいいなとは思っていますしね。

仕事の範囲が(時には大幅に)狭まる

先のリソース化の話にも近いですが、フリーランスに降ってくる仕事は正社員と比較して“こなせる範囲の仕事”というのが圧倒的に多い気がします。
正社員だったら、今後の成長と学びのために、いっちょやらせてみるか!ってものが、フリーランスだと無駄なコストになるからやめとこ…てことなんでしょうね。

私は一年くらい前、常駐と制作の仕事を並行してやってる中で、収入と自由度のいいバランスを見つけたなあと悦に浸っていたことがありました。
でも、ふと考えてみるとこれって私じゃなくてもできるし、なんなら私じゃない方がよくできるんじゃね?全然キャリアアップになってないよねって気づいてしまったんですよね。
安定しすぎて毎日がルーティンになり、同じことの繰り返しで、仕事そのものは全く楽しくなくなってしまったんです。(プライベートは充実したけど)
仕事の資産を築きたいなら、正社員の方がやっぱり有利な気がします。


単価の二極化が激しく進んでいる

そのように業務範囲が限定されることが続く弊害は、自分の生涯年収にダイレクトに響いてくるはずです。(と言っても一生フリーランスでいられるなんて人も少ない気がしますが)
経験が少ないうちに常駐型フリーランスを続けていくと、キャリアアップの機会が限られたまま、タスクだけをこなすだけの日々が続き、自力で単価を上げるのはとても難しいように思います。
一見魅力的な月80万100万の案件でも、その単価を一箇所で、少ない常駐日数で、どこの現場に移っても維持できるのは一握りの存在だし、そんな人たちは別に常駐なんかやらなくても十分に生活できる能力に長けてる人のみです。
また、近年のフリーランスブームもあってか、派遣やアルバイトと大差ないクソ安い(おっと)単価の案件も結構出回るようになりました。

それはもしかしたら正社員の給料よりちょっとばかりは高いのかもしれませんが保険も税金も自分で払い、切られるリスクを負い、事務処理を自分でやるフリーランスにはあまりにも安すぎます。
額面だけに踊らされない感覚がとても大事です。


まとめ

googleで検索すると、「自由」「好きな時に働ける」「高収入」なんて文字が踊る記事が大量にヒットするフリーランス求人ですが、そんなのほぼ、ただのアフィリエイトブログですからね。
レ●テックとかラ●サーズ●●●とか貼ってあるでしょ。絶対。
そんなの信じちゃダメなんです。

いいよね、って言われたりもするけど、フリーランスなんてただの手段でしかないわけで
やっぱり何十倍もの倍率をくぐり抜けて優良企業の正社員になる方がよほど優秀だよって私は言いたいです。

結局どんな働き方であれ、日頃から業務・非業務で何かあった際に、ちゃんと相談、調整できる関係を築けるか否かに、企業と個人の最適な関係はかかっているんじゃないでしょうかね。

図解でコミュニケーションを変えることをミッションにここ3年くらい活動