これからのPRをかんがえる ーカンヌを題材として。

火曜日はPR tableさんの主宰するイベント『「カンヌライオンズ2018」にどんな未来を見るか?』に行ってまいりました。

スピーカーは本田哲也さん、モデレーターは片山悠さん
構成は大きく分けて2部で、前半は実際の今年のカンヌPR部門の受賞作を見ながら、それに対する解説と講評を繰り返していくスタイル。
後半は「これからのPR」と題して本田さんにPRの未来を語っていただくトークセッション+会場からのQ&Aです。

今の生業がPRでない自分にとっては、すべてが学びの連続でした。
前半の紹介では、グランプリのTrash Islesからファンタやopelの事例まで幅広く8例。
パッと見て意図までわかることもあれば、So what?で、聞いて初めて納得がいったものもありますし、
うーん 理解はしたけど心は動かされないなぁというものも。

のちのトークの部分でもでてきますが、やっぱり私の中で社会課題に対する意識が自分ごと化しきれてなかったり、
世界の文化の中にある文脈をとらえきれていなかったりするのも一因なんだと思っています。

トークセッションのところでは、「これからのPRに求められる人材とは」「日本のPRと世界のPRの違いとは」といった壮大な話が語られ、
それにポンポンお二人からアイディアがでちゃうあたりが本当にすごいわーと聞いてました。
多分日頃から習慣的にそういうマクロな問いをかける癖があるのでしょうね。

ところで、トークの最中に2011年のカンヌで発表されたとする上のPRモデルの話があったのですが、
もしかしたら、これってもう古いのかなというのがふと講義中から思えてきました。

行動力、多動力の時代の今、意外と個人の影響力でbehavior changeが可能になりました。

例えば拡散する、お金や知識を集めるということにおいては、
SNSやアプリのプラットフォーム上で日常的に行われているし、その行為が多くの人に及べば、個人がパブリシティの役割を持つことは十分可能です。
その人のファンだから、など、perception changeが起こる前に、(もしくはおこらずに)一人ひとりが行動することがあり得て、
募金やボランティアや啓発のような社会性の高い行動をさえ、その課題と直接結びつかない理由で行動することがあり得るのです。
(結果的に自身の課題に対する認識が高まることはあるかもしれないですが)

その点、組織としてのPRは、大きな意思決定や複雑な行動、一貫性のある継続的な行動をおこすようなperception changeを前提としたパブリシティではないかと思うんです。

だから「今年のカンヌはperception changeあたりまでだった」という本田さんの評価に、私は少し疑問をもっています。
カンヌに出るくらいのプレゼンスを発揮できていたのであれば、ミクロなところではきっとbehavior changeまで届いていると思うし、
今の時代にマスに一律に効果をもたらすようなアプローチはたぶんないと思うから。

また、上記の組織としてのPRというところに着目すれば、広告代理店揃いからコンサルの進出が目立ったというのも(これはPR部門に限った話ではないですが)どこか腑に落ちる部分があります。

うまくまとまってないですが…
なんとなく「これからのPR」を考えるには、今のモデルでは確実に通用しなそう、というのはわかった気がします。

PR tableさんでは、巨額の資金wをつぎ込んだとされる大規模なカンファレンスをやられるとのことなので
その時までにはもう少し勉強してこようと思います。

PR3.0 conference
http://blog.pr-table.com/conference2018/

図解でコミュニケーションを変えることをミッションにここ3年くらい活動