労働生産性と幸福
日本は労働生産性が低いと言う議論がある、日本人が豊かにならないのは、労働生産性が低い所為だと発言する人は多い。
私が会社で仕事をしていた時期、労働生産性の話も出ていた、夫の会社は製造業で鉄芯の打ち抜き加工をしていた。
鉄芯の打ち抜き加工って何なのと、突っ込みが入ると思う、私も結婚するまで(会社で働く迄)知らなかった。
夫の会社は大きなトイレットペーパーみたいな、電磁鋼板の板を機械に通して、型で打ち抜いて機械の中に入れる鉄芯を作っていた。
この仕事は大量生産に向いている、というよりは大量生産で無ければ利益が出ない。
何故かと言うと、鉄を抜いて製品を作るのは時間はそれほど掛からない、ところが機械に型をセットするとか、型についている刃物を研磨するのに時間が掛かる。
だから、小ロットでの注文は、大きなロットで注文した時の倍以上の価格でも利益は無い。
昭和のバブル前の時代は、1t単位の注文があって、だからこそ利益が出ていたらしい。(私が会社に入った時はそんな時代は噂でしか聞いてないけど)
私が会社に入った時に注文は100㎏単位になっていた、これだけでも労働生産性は落ちる。
何故そんな小ロットで注文が来るようになったかと言うと、トヨタ生産方式を何も考えずに取り入れようとしたからだ。
トヨタ生産方式ってジャストインタイムといって、在庫を極力減らしてムダやムリやムラを減らす考え方だ。
トヨタはこれを下請けにも徹底しているらしい、(私は知らないが)このトヨタの生産方式が成り立っているのは、年間の製造予定がキチンと組まれているからだ。
それを製造予定などない企業がし出すと如何なるかと言うと、時間とお金のムダ、ムラ、ムリが生じる。
夫の会社も予定も無しに少しづつ注文されて、無駄が多くなったので、製品の値段を上げてくれと言った。
その時に「従業員も変わって無いし、抜く時間も変わって無いやろ、値上げは出来ん。」とケンモホロロだったそうだ。
そりゃあ、製造業でも事務でも労働生産性は高くできないな。
昨今の研究で、幸福は労働生産性を高めると言う研究結果が有るらしいですよ。
何なんそれ???とか考えてしまった。
幸せな労働者は時間の使い方が上手で、スケジュールやToDoリストを常に把握し、きちんとこなせるらしい。
他にも機嫌がよいと仕事がはかどるとか、機嫌がよい時の方が効率よく営業電話を売り上げにつなげられるのが証明されたらしい。
そうか、じゃあ幸せを感じる状態にある人は労働生産性を高められる筈だよね。
日本人の労働生産性が高く無いのは、もしかすると幸福を感じる状態にないからかも知れない。
よう知らんけど。
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