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壁の絵もアートとして認められる件

家に居て自分で好きな物だけを読んで、好きな物だけを見ているつもりだけど、どうしても見たくなるものがある。

昔から絵が好きで、子供の時に本で見たダリの絵は何だか頭を掻きむしられた気がしたし、印象派は美しいと感じて見たい気持ちになった。

そうなると、それを見るのはさて何処でしょう??ネット、本それともチラシ??違うよね。

それはさ美術館なのだ、絵だったらネットで見れるじゃないと思うかもしれないが、それがね本やネットで見る絵と、飾ってある絵ではまるで違う。

大きさも想像とは違うし、そこで受ける空気感というものが違う、説明できない感覚なのですよ、それは。

高校生の時の担任が美術の先生だった時があって、その先生は日展の審査員と化して居たんだけど、偶にフランスに行って美術館で絵を見ると、やっぱり本物を見るのは違うって話していた。

高校の先生が気軽にフランスに行けた良き時代だったんだね~、あの時代はさ。

今の私はそれは無理だし、近所の美術館(三重県立美術館)でもなかなかっくのは躊躇われちゃう。

子供の時には美術館に行きたいと言っても、中々近くに無かったし、親がそれほど興味が無かったので、出かけたことは無かった。

結婚して行きたいと考えたが、夫になった人は興味が無い、子供が生まれたらそれどころじゃ無い、というので美術館は子供が或る程度大人に成ってから行くようになった。

それでも、長男や長女は漫画やアニメは凄く好きだけど、美術館ってのにはあまり興味を持たなかった。

けれど次女は何でも興味を持つし、美術も書も好きだったから、見に行きたーいと言っては、出かけたりしていた。

「美術館に行きたいなー。」と仕事で出かけられない時期は口癖の様に言っていた。

それに対して夫は、興味無さそうにこう返す。

「本やネットで見えるやろ、わざわざ行かんでもええやん。」この人は旅行に行ったり、映画や絵を見に行ったりするよりも、物を買う方が好きな人で、謂わばソフトには興味無い派なのだった。

確かにそんな風に言われれば、そうなのかも知れない、しかし実際に見るのと、本で見たりするのは受ける感覚が違う。

仏像とかは最たるもので、画像でどんな物かは解っていても、本物を目にすると、作った人の気合(?)みたいなものが自分に流れ込んでくる気がする。(あんまり言葉を知らなくてすみません)

それって私だけの感覚で、他の人には無いのかなとか考えていると、次女が東京に絵を見に行って話してきた。

「お母さん、シャガールの実物見た事ある??」そりゃあ無いよね、シャガールに興味も無かったからね。

「無いよ、見てきたん?」適当に返事をする。

「うん、見てきたんよ、東京国立近代美術館に見に行ったら、凄い迫力なんよ、私もあんまり興味が無かったんやけど、本物見るのは大事やね、良かったわ。」感激した声で話してくる。

「そうなんよね、本でもネットでも見れるけど、本物を見るのって大事よね。」私も大いに同意だ、見には行けないけどね。

三重県の県立美術館にはダリが有って、一度だけ見たような気がしている、次女が小学生の時に大々的にダリ展が東京、大阪、名古屋で開催されて、見に行こうか、と言っていたが見れなかった。

今でも見に行きたいな~なんて思っている。

NYでバンクシーの美術館がオープンしたらしい、展示されている作品数は160点だそうだ。

そのニュースを見た時に、ちょっと待てホンマか???と考えた。

だってねバンクシーと言えば、匿名のストリートアティストである、作品は壁画が多くて、1人で描いているのか、数人で描いているのかさえ分からない。

それって、本当にバンクシーですか???とか考えてしまうのは、私が素人だからなのだろうか。

私の考えはあながち間違ってはい無い様で、バンクシーの作品は一般の人の目に触れることはほとんどないらしい。

大半が転売目的で盗まれたり、うっかり破壊されたり、清掃職員らに消されたりするのだ。

じゃあこの美術館にどんな風に作品が並んでいるのかと言うと、バンクシーの作品を再現するために雇われた匿名のストリートアーティストらが制作したレプリカが展示されているらしい。

バンクシーの絵はもう既に落書きでは無く、世界のアートで認められる存在になっているのだよね。

これについて、バンクシーはどう思っているのだろうな??

壁に示唆に富んだ絵や、それて共にコメントを書いて、匿名で活動してきた人(人たち)は美術館という場所に飾られるのに抵抗は無いんだろうか?

私はそう考えちゃうが、この美術館を作った方はそうは考えなかったらしい。

ただ、バンクシーが世界のアートに影響を与えたのは確かで、それは残すべき物だったんだろうな。

この美術館ではバンクシーの意図を汲み取って、なるべく描いてあったスケール感や場所(壁など)を再現して展示している。

これをバンクシーの作品とみるか、そうで無いとみるかは人それぞれなのだろう。

それにしても、壁の絵もアートとして認められる時代、これからはキョロキョロ見回しながら、道を歩く必要があるのかも知れない。


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