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【小説】SNSの悪夢

彼女への連絡も、何もかも人に任せてみると、これで良いのだろうかと思う。

彼女が出て行ったから、自分が彼女を追い詰めるのなら、他人に任せるのは悪い事かも知れないのだ。

これは、これまで、何でも自分で問題解決してきたクセが出たのかも知れない、誰かに任せているのが気になってしまう。

気にしたからと言って、何が変わる訳でも無い、自分の心持の問題になる。

ボンヤリとする時間は前の方が有ったのに、その時にはボンヤリしないで、いざ仕事をしなければ為らないと、色んな考えが頭に浮かぶ。

浮かんだ考えは、1つずつ捕まえて握りつぶしているつもりでも、握りつぶしたと思うと、又すぐに浮かぶ。

まるでキッチンに居るコバエのようだ。

自分には仕事もあるし、関わっている時間は無いのだが、昔から時間は作るものだと認識してきたので、任せると言う行為は自分には難しい。

『絶対に自分では連絡しないで下さい、私が連絡して調停にしますので。』弁護士には嫌になる程念押しされた。

「調停で無く裁判でも良いんですよ。」と自分が言うと、ブルブルと頭を振って、「とんでもないお金も時間も掛かりますから。」と返してくる。

弁護士は早く仕事を終える様に言われているのだろう、月1で調停していても、半年くらいは掛かるからな。

考えれば、それが一番いい方法なのだろうが、何も納得して居ない自分が頭の中で暴れまわっている。

未だにSNSの中では、自分の名誉は守られて居ない、不倫があったのなら彼らの批判には抗わないが、自分は何もしていない。

誓っても良い位だ。

裁判よりも調停の方が時間も金も掛からない、それでも裁判でも良いと言うのが頭に浮かぶ。

人間は何ら恥ずべきことが無いのに、勝手に非難されると言い訳をしたくなる。

SNSで発信しても信じて貰えないのなら、裁判でもして明らかにした方が良い。

それでも、弁護士的にはお金も時間も掛けないで終わらせた方が良いんだろう。

自分としては、今はもう待つのみか、復讐と言う言葉を今の所は仕舞って置いて、与えられた仕事を考えていた。


SNSで書いた言葉が問題になるなんて、解ってはいたけど現実として感じてなかった事実が自分に突き付けられていた。

『結婚した人が週刊誌で不倫と書かれたら、誰だってそっちが問題だって考えるじゃない。』

立花から離れて生活しだしてから、言い訳ばかりしている、だって彼がもっと自分に気持ちを持って居てくれたらとか、思った感じの生活だったらとか。

言い出したらキリが無いが、今は何もできない、きっと何か言われるのだろうな。



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