ツナ君との生活
我が家には猫のツナ君がいて、昼間は私と一緒に過ごしている。
彼が6ヶ月の頃から一緒に暮らしているのだが、実は最初は怖かったり、どう付き合って良いか分からなかったりした。
6ヶ月迄ペットショップに居る子は余り居ない、大抵は子猫の時代が可愛くて、3ヵ月くらいでお迎えされる。
彼の場合は値段が高かったからか、ペットショップから出ることが無かった。
長女は大きくなっても彼しかお迎えはしないと言い張って、お値段を安くして貰って、やっとのことでお迎えに至った。
最初は噛みつくんじゃ無いかとか、引っ搔くんじゃ無いかとか考えて、少し間を置いていた。
夜に部屋で寝ていると、私のベットの頭の所でグルグル言っていた時には、『噛みつく??なんかされる??』とビクビクしていた。
「昨日ね、ツナ君がベットの横でグルグル言っていた。」と娘に話てみた。
「ああそれね、喜んでる時に出る音や、ツナ君、お母さんが好きなんやで。」と長女が教えてくれた。
あのグルグルは好意だったの???絶対食べたるぞーという脅しやと思ったわ。
ツナ君をお迎えする時に、娘から言われた言葉が有る。
「猫は独立心が強いから、あんまりかまったりしたらあかんよ、噛みついたりするからね。」
そうなん??噛まれるのは嫌だな。
高校生の時の先輩の家に半野良の猫と犬とウサギとニワトリが居て、猫が攻撃的だと言っていた。
「家の猫は直ぐに怒って噛みつくから、触ったらいかんよ。」遊びに行った時にそんな忠告をされた。
「どんなことで噛みつくの??」解らないから聞いてみた。
「家のお父ちゃんが犬と猫をお風呂に入れとんのよ、いつも犬が先なんやけど、偶に猫も先入れてやろうとして、腕にぶら下がって噛みついてるのよ。」
猫ってお風呂に入るの??その時には解らなかったが、調べてみると猫はお風呂には入らないらしい。
人間に良い感じのお湯なんて、猫にとっては釜茹でやんと娘たちも話していた。
確かに、自分がとんでもない温度の風呂に、巨人に無理やり入れと言われたら、やはり抵抗するだろう。
生命の危機じゃん、やめて~、身体ごと抵抗するかもしれない。
猫は噛むのか?噛むよね。
「そうそう、お父ちゃん猫に噛みつかれて、病院行ったけど、結構な怪我で通っとったわ。」そんな情報いらんのよ、余計にこわなるやん。
嫌な事をすると猫は怖い、猫は噛みつく、猫は全身で嫌がってくる。
頭の中にそんな感覚がずっとあったので、ツナ君が小さい時にはあまり相手をしていなかった。
気持ちは、神を怒らせると何するか解らないと気を張っている信者だ。
ところが何年か付き合ってみると、彼は噛みついたりしない。
娘は爪切りの時に抵抗されて噛みつかれたりしていたが、私は嚙みつかれた事は無い。
猫って噛みつかないの??口の中に有る鋭いものは食べるだけのもの??
そう考えだした時に、三女がランちゃんを連れて帰ってきた。
この子も噛みつかないと思っていると、ランちゃんは違った。
ご飯が欲しいと噛みつく、遊んで興奮すると噛みつく、嫌な触り方をすると噛みつく。
「ランちゃんは怖いわ、噛みつくやん。」と三女に言ったことがある。
「ランちゃんも本気では噛まんよ、甘噛みしかしたこと無いやろ。」と返事が来る。
確かに病院に行くほどの噛みつき方はしていないけど、それでもいきなり足をカプ、いきなり手をカプ、ってのが怖いんよ。
いつもいきなりなんやもんね。
その点はツナ君は目薬を入れても、チョット抵抗するだけで、引っ掻いたり噛んだりはしない。
大きく口を開けても、噛みつくと言うよりは、歯を当てるが正しい位の大人しさだ。
我が家には一時期ツナ君、ランちゃん、アグリちゃんと3匹の猫がいたが、三女が結婚を視野に入れて引っ越して、ランちゃんとアグリちゃんを連れて行った。
ツナ君は急に人間も猫も少なくなって、寂しいらしく、この所私に甘え気味だ。
今日もベランダの掃除をしようと、外で水を撒いていると、『にゃあ』と中から声を掛けてくる。
「どうしたん、お掃除終わってから相手するからね。」ベランダや窓の掃除は週一でやっているが、窓を長時間開けるとツナ君が暑いだろう。
そう思って、急いで掃除をしているのだが、彼としては遊んで欲しいのか、相手をして欲しいのか、それともおやつが欲しいのか、ずっとくっ付いてくる。
誰だよ、猫は独立心が強くて、ずっと触って居たり、相手をしたりすると噛みつくから気を付けてって言った奴。
責任者出てこい。
ツナ君は毛を漉いて、耳を拭いて、顔を拭いても、ゴロゴロ言って付いてくる。
独立心のどの字も何処を探しても見当たらない。
「ツナ君、掃除するからちょっと行くね。」とか「ツナ君、今から運動するから、ツナ君には暑いからあっちに行ったら。」とか話しても。
「ニヤ~、~。」と言って近くに居る。
お出かけをすると、玄関の前で待っている。
犬や無いんやから、そこで待っとらんでも、そう考えながらも、そこが可愛いんだよな。
どこまでか解らないけど、楽しく一緒に居たいなと思っている今日この頃である。
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