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安全よりも新しい技術か?

次女と三女はアメリカ人の家庭教師に英語を習っていた。

子供4人居て大変でも、英会話くらいはやらせようと考えていた、自分が発音が全然できないからかも知れない。

長男や長女は、殆ど日本語が話せないイギリス人の先生が、近所の公民館に来て教えて貰っていた。

そのまま続くと思っていたが、次女と三女が教えて貰っていた時期に、急に来なくなってしまった。

「もう英会話は止めとく??」2人に聞くと、次女が英会話は続けたいと言ってくる。

「絶対に英会話はしたい、だって好きなんだもん。」そう言われると親としては探さなければ、仕方なく近所の教室に見に行って、お試しの授業を受けさせてみる。

「どうだった????良さそう????」と次女に聞くと、難しい顔をした次女が答えた。

「あそこはあかん、子供がわちゃわちゃ話とるだけで、英会話にならへん。」自分も子供なのに言い放っている。

困ったよね、私には何処が良いのか解らない、英会話教室なんて歯医者程有るのに、我が子が行きたがる所が無いとは。

その頃はインターネットでいろいろ調べるのに慣れてきた時期で、兎に角、英会話教室と書いて在ったら、何処でも電話を掛けた。

その中にワイナリーという所が在って、ワイナリー???英会話でワイナリー???と思いながら、電話を掛けてみた。

「もしもし、ワイナリーです。」の声にホッとした、実は前の先生に電話掛けると、英語で返されて『なんて言ってるの??』というのが多かった。

この先生はアメリカ人と言っているが、日本語が出来そうだ、取り敢えずホッとする。

この先生が来ると、英会話も教えるがアメリカの話しも良くする、本人曰く英会話教師というのは仮の顔で、映画のプロデューサーやソムリエもしているという事だった。

最初は何だか怪しいと思ったが、我が家に来てくれるという事と、1時間自分を拘束するのだから、1時間で○○○円という解かり易い家庭教師費が良く、次女もこの人ならいいと言って教えて貰っていた。

英会話の先生なので、我が家にくると英語でしか話をしない、子供が習っているのだから、親も英語でいいでしょうと言う訳だ。

英語はさっぱりの私は大変さが有ったけど、娘たちは問題視して居なかった。

最初に習った先生がイギリス英語の方だったので、アメリカ人の言葉はちょっと違うと言っていたぐらいが、問題と言えば問題だった。

その先生は日本人かと思うほど日本に馴染んで、日本は良いとは言っていたが、偶にブツブツと文句が出る。

「何で日本はまだFAXなの、メールで良いじゃ無いですか、未だにFAXなんて。」と溜息を付きながら話している。

英語なので正しいかどうか解らないが、そんな文脈の言葉を言う。

たぶん仕事で付き合う所が、FAXの要望だったのだろう、困っているみたいだった。

「FAXは絶対に届くからでしょうね。」とか答えていたような記憶がある。

このFAXについては、昨今では違う意見も出てきているらしい。

そもそも問題なのは、日本語とデジタルの相性があまりよくないのだそうだ。

日本語には3つもの文字体系(ひらがな、カタカナ、漢字)が有って、デジタルフォームに記入するのは困難を極めるのだ。

当然、紙に書いてFAXを送るほうが1000倍も速く感じるからこその、FAXからの移行が出来ない理由なのだろう。

問題はもう一つある。

日本の安全第一がFAXを永らえさせる理由となるらしい。

日本ではほぼ100%証明されないと、話が進まない文化がある、ミス、データの漏洩や紛失はどれもリスクとしてとらえる。

もしデータや書類が届かないとなると、そこにコストが発生する。

アメリカ人は進歩の為のコストは甘んじて受け入れるが、日本ではそれが認められない。

勿論、予算と人員不足で、先進的な技術を取り入れにくいと言った、実際的な理由もあるのかも知れない。

実は2024年7月初め、河野太郎氏はロイター通信に対し、こう勝利宣言をした。

「6月28日、我々はフロッピーディスクとの闘いに勝利しました!」

その勝利が我々にとって良きものだったのかどうかは、私には解からないが、彼は何と闘っていたのかとも思うし、フロッピーディスクは悪だったのか???

FAXもフロッピーディスクも確かに古いかも知れない、見ていて嫌気がさすと言う人も居るだろう。

だけど、そのハードウェアは敵対視しなければ為らない程問題が多かったのだろうか??

クラウドはフロッピーディスクよりも安全で、SDGSにもかなっているのだろうか??

実際に議員の中には、絶対に文書を紙の書類として出すことを強要する人も居ると聞く。(真偽は解らないが)

日本はずっとハードウエアと安全に拘りを持ってきた国だ。

無論、古臭い技術は痛みを伴っても変える必要は有るかもしれない。

だからと言って、何かを悪とみなして、無理に新しい技術を取り入れて、行く事が、本当に自分たちの進歩なのだろうか?

FAXもフロッピーディスクも使いたかったら使えば良いじゃない??

ノルウェーの医師らは2015年時点でまだフロッピーディスクを使っており、米国の核関連プログラムでも2016年時点でそうだった。

ブリティッシュ・エアウェイズのボーイング747-400型機は、2020年まで重要なアップデートをフロッピーディスクで受け取っていた。

サンフランシスコでは、いまだ市内の鉄道システムで使われている。

早く新しい技術を取り入れるだけが、良い方向性だと思わないのは私だけなのだろうか?


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