見出し画像

僕はアグリ

「キャー、アグリ何食べてんの?」大きな声が聞こえる。

僕が机の上の物を取ったからかな~、逃げちゃお、走ったら捕まらないよ、人間は遅いんだからね。

誰も来ないな、『どうしたのかな?』考えてたら、口を開けられた~、やだーこれ食べてみたい。

何だか解らないけど、美味しそうなんだよね、大きな猫たちはこれを食べているのか。

「モー、カクテキ食べる猫が何処におるのよ、止めてよ~、カクテキにネギ入ってるのよ。」大きな声が聞こえてくるけど、そんな事関係ないよ、捕まったから逃げたいんだよ。

「じたばたしないの、あんたの為なんだからね、玉ねぎ入ってるし、カクテキなんて食べたら大変なんだから。」大きな猫が言ってくる。

『やだー、口の中を拭かれた~。』美味しそうな物だったのに、ア~、ゲージの入り口を閉められた。

ここは狭いんだよね、甘える事も出来ないし、こんな所なんで有るんだろうな?

やめてよー、僕は自由に動きたいんだよ、何で閉じ込めるの、出して出して~出してよ。

「ニャー、ニャー言っても駄目、あんたのこと考えると、絶対に口にしたらあかんもんなんよ、机の物盗むのやったら仕方ないやん。」

向うでは大きな猫の話声がする。

「ツナ君やランちゃんは人間の食べ物に興味が無かったけど、アグリは何でも食べようとするから、料理中は閉じ込めた方がええかもね。」と1人。

「そやなー、可愛そうやけど、変なもん食べて病院に行くのも嫌やしね。」ともう1人。

「大体さ、猫でも子供でもそうなんやけど、忙しくてちょっと目を離した時に大変な事して、誤飲とかするのよ。」もう1人が言った。

そんな事無いよ、僕は楽しそうで美味しそうな物を食べてみたくて仕方が無いだけなんだよ。

出してよー

だけど、何故か食べ物は吐き出せって言うし、机の物を取ると怒られるんだよね。

でもさ、僕が美味しそうな物や、面白い物は大きな猫が全部取っていくんだ、僕も食べたいよ。

だから人間のご飯の時間は、机に取りに行くんだ、だって自分達だけ食べてるんだもん。

自己紹介が遅れました、僕は子猫のアグリです。

ペットショップに居た所を、大きな猫にここに連れてこられたんだ、だけどここにはもう先輩が2匹居て、小さな僕は新入りだ。

新入りだけど、結構可愛がって貰って居る、寂しい時は人間の近くで寝ていたらいいんだよね。

朝のツナ君

ここに来た時に最初に会ったのは、ツナ君って猫さんだった。

ツナ君は一番年長のお兄ちゃん、大きいけれど優しいんだ、いつもゆっくり寝てるんだよね。

僕が遊ぼうと突進すると、引っ繰り返してくる、チョットだけ小さいから、力では敵わない。

だけど、いい勝負だと思うんだよね。

だって、高い声でニャーと言っても、あんまり手を出してこないからね、僕が怖いんだな。

女の子のランちゃん

ここにはランちゃんも居る、この中では紅一点だ、ランちゃんは女の子で気が強いから、近くに行くとシャーと声を出す。

そんなの気にしないから、関係なく付き纏ったりするんだけどね、チョットお姉ちゃんだけなからね。

ランちゃんは、大きな猫には甘えちゃっているんだよね、可愛いってアピールが凄いんだ、僕も可愛いって言われるけどね。

遊んでると食べものとるのを忘れるニャ

「アグリが食べ過ぎるのどうしようね?」大きい猫が呟いている。

普通に食べているだけでしょ、いいじゃんお腹空いちゃうんだから、どうしようって何?

「そうだよね、猫ご飯だったら余分に上げても良いんだけど、人間の食べ物は身体に悪いからね、人間の食べ物を取る子は初めてだわ、ランちゃんもツナ君も興味無さそうだもんね。」もう1人の大きい猫が答えているんだよ。

「人間が料理する時と、食べて居る時にはアグにはゲージに入って居て貰うしかないね。」ふうと声を出しているんだよね。


遊ぼうとしているところ

今日は朝からゲージに入って、お外を見ていた、ゲージを閉められるのは嫌いだけど、お外見る為に自分で入るのは良いんだよ。

あれっ、美味しそうな匂いがしてきた、人間居ないからちょっと見に行こう。

「キャー、アグリ、ガレット食べよとしとるー。」大きな声が聞こえてきた、まだ食べて無いんだけどね。

「これはあかんわ、料理の時間はゲージに隔離や。」いやだー、僕もここに居たいよー。

「はいそこで反省してね、チーズもジャガイモもあんたには良くないよ。」大きな猫が言ってくるんだよね。

僕なんかゲージで良いと思っているんだ、何にもしていないのに。

「アグちゃんは何でも食べよとするからな~、でも直ぐにケロケロしたり、下痢したりするから、沢山はあげれやへんのよね。」やだー欲しいよ、ツナ君やランちゃんのご飯だって食べれるんだから。


眠いにゃー

「あれっ、アグリ出して欲しがってたから出したのに、眠いのか寝てるやん。」大きな猫が話しているみたい。

僕はちょうどお昼寝の時間です、皆さんお休みなさーい。

「アグリもこうしていると可愛いだけなのにね。」遠くから聞こえてきた。

この記事が参加している募集

自己紹介

猫のいるしあわせ

文を書くのを芸にしたいと思っています。 頑張って文筆家になります。 もし良かったらサポートお願いします。 サポートしていただいたら本を買うのに使います。 ありがとうございます。