見出し画像

しごとの話_コトブキッチン⑤

私は料理ができないけど飲食店をしています

飲食店をしていると、
「料理が得意だったんですか?」
「いつか自分の店を持ちたいと思ってた?」とか、良く聞かれます。
正直に言います、私は料理ができません。
正確に言えば、人並みにはできます。人並みには、目玉焼きとか煮物とか餃子とかです。
飲食店ができるレベルではございません。

さあ、惣菜屋をやってみよう

惣菜屋をやろうと思ったとき、料理ができない私は『・・・?』ともちろん思いました。そこでえいやっとやってしまうほどの度胸も胆力もあいにく持ち合わせておりません。
世の中の惣菜屋を思い返してみれば、いろんな種類のお惣菜がキラキラ、テカテカといつでも“今つくったよ、美味しいよ”と並んでいるのです。
『それ、どうやってやるんだろう・・・。』

知らないことは聞けば良いのです、足りないものは補えば良いのです。
自分が知っている人、知っている人のなかで知っていそうな人に聞く。
良いなと思うお店に行く。
それに浸る時間を作っていると、どこかしらそれを持っている人に出会うのです。偶然にやってくる必然です。
思い返すと、すでにコトブキッチンの工事は入っていました。
『そのうち出会うのだろう』とは思っていたのですが、フードコーディネーターの方との出会いは比較的ゆっくり目でした。
もちろん、出会わなかったときのこともいくつかちゃんと考えていました。それはあまり表には出さずに、適任の人と出会うのを待っていました。

しぼるのです、ぎゅっと。

オープン後、半年は夜の営業だけに絞りました。
ここでの“しぼるはやることを絞る”ということです。
少しずつできることを増やして、少しずつ慣れたり確立させたりしていくことです。
昼のスタッフがひとりいましたので、メニューをつくった人から昼スタッフへの技術指導で約10種のお惣菜メニューを夕方から夜にかけて提供しました。
半年後、ひととおり回り出した頃にスタッフも増えましたので、ランチの営業を始め、現在の12時~23時という営業時間に落ち着かせました。
またその半年後には、スタッフのひとりが“献立”と“仕込み表”、“仕入れ計画”を作成することとなり、今や、3人の昼スタッフがランチ営業をしながら常に約10種のお惣菜をショーケースに並べるという仕事をしています。

オープン2年、料理できるようになった?

その後、私はどうなったかって?
スタッフの欠員のところにたまに入るようになりまして、オープン3年目にして、やっと4種類作れるようになりました。
一番、素人です。

まとめ

こんな感じで料理のできない私は、飲食店をしています。
ただ、大学生時代の飲食店やホテルの洋食厨房でのアルバイト経験は非常に活きている気がします。

自分に必要な能力がなくても、人の力を借りるとなんでも実現できます。
そんな多彩な仲間と出会ったことにはいつも感謝しています。
だからこそ私は私の仕事をやろう、と思っています。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?