NikonNFM2で残す、家と暮らし
初めて手にしたフィルムカメラはNikonのFEというカメラで、
父が使っていたカメラを貸してもらってから
そのまま返さずに、私のものになっていたりする。(借りパクともいう)
写真の専門学校へ進んでからも、
デジタル一眼レフカメラが主流になった時代の中、
NikonのFEをメインに、フィルムカメラ一筋で作品を撮っていたくらい、
お気に入りで大切にしていたけれど、
ある日からシャッターが気分屋になってしまい、
機嫌よくシャッターがおりる日と、不機嫌でシャッターがきれない日があり
これは困ったと、新しいカメラを探した。
その時手にしたのが、初心者向けの
NikonNewFM2というフィルムカメラである。
フィルムカメラの基礎を学ぶことができて、余計な機能は一切省いた、
シンプルで一番使いやすいカメラ。
シャッタースピードが1/4000まであるので、
明るいレンズを使いたい人には、かなり嬉しかったりする。
写真の勉強をスタートする人が、
一番初めに手にするカメラとしても有名で、手ごろな価格で手に入る。
とにかく使いやすいし、手軽だし、
シャッターは忠実に動いてくれるしで、
大切に使いつつ、雨の日でも雪の日でも、夏の炎天下でも
とにかくどこへいくにも連れて行って、いろんな情景を撮ってきた。
けれど、この”流行り”で、気軽に外に出ることができない。
もちろん、カメラを触ることなんて、グッと減ってしまった。
何も考えずに写真を撮れていた時には
こんな思いなんてしていなかったのに、撮れないという状況になった途端
新しい写真を撮りたいという欲が溢れ出る。不思議。
そこで思い立ったのが、家の中をひたすら撮影すること。
じっくり、カメラと久しぶりに向き合ってみた。
いつもの暮らしを、フィルムに収めてみた
自粛中は毎朝ドリップでコーヒーを淹れるようになった。
今年は梅が出回る時期が遅くて高かったけれど、
無事に”梅しごと”を始めることができた。
靴棚をDIYしてみたけれど、木がお辞儀し始めていたり。
そんなところもご愛敬。
バスルームに飾る、ドライフラワーの薔薇。
いい香りに包まれたくて、ちょっと良いハンドソープを。
お家時間が増えたからこそ、ディティールもお気に入りに。
スクスクと育ってくれている、アボカドの葉。
時間がある今だからこそ、
ゆっくりとフィルムカメラのファインダーと向き合って、
家の中を撮影する時間。
こんな贅沢な時間、もうすこし味わってみようと思っている。
もちろん、早く外にカメラを持って出かけられたら、それが一番いいのだけれど。
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