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日本の幼稚園は世界一

「今日のお弁当はどうだった?」
「うーん、全部落っこちた。
「え?」


日本に一時帰国し、幼稚園へ体験入園をさせてもらったことがあります。その登園初日、お弁当箱の蓋を開けた瞬間に、中身が全部落っこちたと言うのです。

聞いただけで血の気が引いた瞬間、息子はニコニコしています。様子がおかしい。聞いてみると、なにやら、次の瞬間には、クラスのお友達が、自分の手に残った空っぽのお弁当箱を「貸して」と言って、今度は一つずつお裾分けしてくれて、お弁当箱いっぱいにしてくれた、と。。。(母号泣)

「ウィンナーにチキンナゲットとか、皆が入れてくれて、すっごい美味しいお弁当たべたよー」と。(さらに号泣)


これ、大人の私にできるでしょうか。

もし同僚がお弁当を落っことしたら、まず「あー、何やってるの」と文句の一つや二つ。おかずを分けてあげると言っても、大好物のウィンナーはあげたくないから、トマトならいいよ、、。(うーん、性格悪い!)


お弁当を落として、食べるものがないと分かった次の瞬間には、その日初めて会ったにもかかわらず、貴重なおかずを差し出してくれたこと。一人だけでなく、お弁当いっぱいになるまで入れてくれたなんて。


先生が誘導してくださったのかもしれませんし、お友達が自分から入れてくれたのかもしれません。これには、大人、子供と関係なく、心から尊敬と感謝の気持ちでいっぱいになりました。


「日本ってどうなの?」
そう聞かれることはよくあります。
そんな時、息子は決まって、こう言います。
「いい国だよ、特に、幼稚園は世界一だね!楽しくて美味しくて優しい!」って。




失敗してしまったことも、皆のお陰で、いい思い出になりました。

ちなみに、幼稚園で友達と先生に怒られた失敗談もあります。それは、園庭にいる姉にむかって、名前を呼んだ時のこと。周りにいたすべての人たちから、お姉ちゃんに向かって呼び捨てはダメ、絶対と。「○○さん」って呼ぶようにと注意を受けたそうです。

アラブでは、お姉ちゃん、お兄ちゃんという呼び名はないので、びっくりしたと言っていました。先生が「○○さん」と生徒を呼ぶ事も驚きの一つだったようです。先生も生徒も両方リスペクトしているって、いいよね、と、これも日本で驚いたエピソードの一つになっています。


アラブの幼稚園生のお弁当とは?

私が体験入園で教室に座って皆のお弁当を見た時は、全員が同じコッペパンにレブナと呼ばれる濃いヨーグルトのサンドイッチでした。おにぎりに梅干しみたいな、鉄板サンドイッチなのだと思います。塩っぱいザータル(ドライハーブとゴマ)をかけるのも、ふりかけみたいな感じですね。


幼稚園生から学校の売店で購入は可能です。これも家族の意志によるもので、どうするかは家族次第。

我が家は、3歳半の娘に、一人で売店に行って買う習慣をつけるのは、必要ないと考え、お金は持たせていませんでした。その分、お弁当がんばるから、と。娘は、家からチップスを持ってくるのは、先生からダメと言われるけれど、売店でなら買えるからと何度も交渉してきます。さすがアラブ人、交渉能力は小さい頃から重視されているで、自分の主張を通そうと何度もチャレンジしてくるのです。

私も、ここで折れてはいけないと、引き下がりませんでした。

すると、ついに、この戦いも終焉を迎えます。娘が、コッペパンにチップスを挟んだ「チップスパン」なら自宅から持っていくことが可能!という不思議な生きる知恵を身に着けたからです。チップスへの執念が実った瞬間でした。めでたしめでたし!?なのか。。。


今日も読んでくださってありがとうございます。よい一日を!





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