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多様性を受け入れるって?『正欲』を読んで思うこと


どこかで、この本を強烈にオススメするツイートを見て、気になったので、読んでみました。



どんな内容なのか知らずに読み始めたところ、一気にストーリーに引きずり込まれてしまいました。


この本のキーワードはズバリ「多様性」


近年の注目ワードの1つで、学校でも会社でも、

多様性を尊重しよう!
ダイバーシティの時代だ!

なんて、みんなが言ってますよね。

けれど、それの本当の意味や難しさって、私自身あまり考えたことがなかったのだと、この本を読んで痛感しました。

結局わかり合えないってこと?

マジョリティとマイノリティ

それは、実際には、白黒ハッキリするものではなくて、全てグラデーションです。

究極は、個人一人一人がみんなマイノリティ、とも言えるわけです。

けれど社会には「これが一般的」と言われるマジョリティ側の価値観をベースに、さまざまなルールや偏見が作られていますよね。

この本は、ある性癖をもつ人たちが話の中心にいて、ストーリーが展開していきます。

正直、それは、私がこれまで知りもしなかった性癖で、私はかなりショックというか、強い衝撃をうけました。

マイノリティというより、もはやマイノリティにも属さないような、少数派の人たちもいるということ。

うーん、こんな人たちホントにいるの?とすら疑ってしまいましたが、そう思う自分が、まさにまだ多様性を受け入れられていない証。

そんな自分に気づけたことが、まず大きな一歩です。


「何でも打ち明けてね、相談のるよ」

そうなふうに親切心で、つい日頃、私も言ってしまいがちです。
けれど、そんなこと実際できるのかな?と、この本を読むと考えさせられます。

相手が、自分の想像をはるかに超える価値観をもっていた場合、それを受け入れる、理解する、解決する、なんて、とうてい不可能かもしれない。

知りたいよ!もっと話してよ!
と、相手を問い詰めるのは、知らず知らずのうちに、すごく相手を苦しめる行為にもなるのです。

押し付けずに共存する

極論、考え方や価値観、悩みは人それぞれで、相手を100%理解して、受け入れるなんて無理ということか、と思いました。

なら、どうすればいいの??諦める?

ずっとこの問いがぐるぐると回ってました。

するとこの本の中で、結婚について
「結婚=生きるために手を組む」という表現が出てきて、少しはっとしました。

もっと主体的に考えればいいんだな。と。


自分から動く、分かり合える人との繋がりを作っていく。そうすれば、どんな人だって、きっとどうにか生きていける。


分かり合える仲間を見つける、繋がりをつくる。
そうして、小さなコミュニティがたくさんできて、それがたとえ異質で社会からは孤立してしまっても、本人同士の繋がりがあれば、きっと生きれる。
それでよいんだな、ということです。

ダイバーシティな社会の実現とは、多分そうしたことで、みんなが主体的に繋がるイメージかなと、自分の中で腹落ちしました。

どうしても分かり合えない人もいる、そして、それがある意味当然なんだと受け入れることも、多様性を理解する上で重要なことなんです。

この本を読んで、ホント疲れるほど、いろんなことをぐるぐる考えて、モヤモヤしました。

けど、普段の日常では見えないことや、自分の中に潜在意識としてある価値観に、はっと気付かされた一冊です。


ぜひ、また読んでみたいと思います。

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