見出し画像

光とも影ともなっていない、声にすらなっていない声-PRは市場をブラブラしよう

先週はわたしが働いているNPOの代表が砂漠に行って250kmを走るというチャレンジをしていた。彼のチャレンジ中、たくさんのあたたかい声援と応援メッセージが届いた。一方で、わたしのところには「人間チャレンジしなければ価値はないってことですか?D×Pさん(うちのNPOの名前)はそんなふうに考えてるってことですか」という言葉がメールやDMで届いていた。(いやあの、わたしじゃなくって本人に直接言っていいんですよ〜)

そういった明確な意志をもった言葉でないにせよ、「今井さんみたいに頑張ってる人を見てると、自分が責められてるみたいでしんどい」とぽつりとつぶやくような声はもっとたくさん届いた。

光あるところに影があるように、彼のチャレンジに希望を持つ人が目立つ一方で、彼のチャレンジに絶望を感じる人もいる。ずっとNPOというところが耳を傾けてきたのは、そういう社会にある「目立たない声」の部分だ。そういう声を聞き入れるだろうという期待を寄せて、わたしにメッセージしてくださったのだろうと思うから、氷山の一角だとはいえ、ちょっとでも聞くことができてよかったよなあと思う。

でも、一方で、わたしはPRを担うひとだからこそ考えきゃいけないことがある。「かなりの人が無反応なんだな」ということに関して、である。1万人くらいフォロワーのいる人の投稿が、「150いいね」くらいなんだな、と。

光とも影ともなっていない、声にすらなっていない声って、案外たくさんあるのかもしれない。「すごいね」と絶賛する声も、「かなしい」という悲痛な声も、よく届く。その両方にわたしは耳を傾けられる。でも、スルーされていくその感情には、思いを馳せることしかできない。

いやまじでなにしてるかわかんない。NPOってそもそもかなり怪しいよね。宗教とかじゃないのかな?砂漠走るってまじで意味わかんない。なんで走ってお金集められるのかもよくわかんない。かかわらないほうがいいんじゃない。

そんな届かない声を、聞き逃していないだろうか。

そのへんをぶらぶら歩いたときにばったり出会った人に、うちのNPOの説明をしていいねって言ってもらえるか? 答えは、ノーだ。

わたしは、PR担当として「市場をぶらぶらしたい」と思っている。そしてできたら、広報・ファンドレイジングメンバーにも同じように「市場をぶらぶらしてほしい」と思っている。「すごいね」の言葉も「かなしい」の言葉も、オフィスのなか、Twitterのなかの受け身体制で得てきたものだ。そうじゃなくて、白黒つかないグレーの言葉にどれだけ耳を傾けられるかだと思う。そして、本質を離脱せずに社会をつくりながらも、見た目はチャラいNPOであっていいと思う。高校現場を担うメンバーが質にこだわってつくりあげるからこそ、そこを信じて託そう。PRは市場をぶらぶらし続けよう。

その思いを、HOTEL SHEの龍崎翔子さんがこんな言葉で表していたのでめっちゃいい言葉だなーと思ってます。stay street.


サポートも嬉しいのですが、孤立しやすい若者(13-25歳)にむけて、セーフティネットと機会を届けている認定NPO法人D×P(ディーピー)に寄付していただけたら嬉しいです!寄付はこちらから↓ https://www.dreampossibility.com/supporter/