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「痴漢は犯罪です」は有効か?

高校生の時、電車通学をしていました。
その時に駅で見かけてポスターに書いてあった「痴漢は犯罪です」
という言葉を見て、衝撃をうけたことがありました。

※つらい経験を思い出させてしまう可能性もあります。
 気分を悪くされる方は読まないでいただいた方がいいかもしれません。

なぜ衝撃をうけたかというと、
「えっ。これで痴漢止まる?」
と思ったからです。
(ポスター作った方にはすみません。あくまで個人の意見です)

「痴漢は犯罪です」の前提条件

この「痴漢は犯罪です」という言葉、ぶっちゃけただ事実を述べているだけです。
これがメッセージとして意味を成すのは、見た人が同じ前提条件をもってると想定しているから。
その前提条件とは、「犯罪=悪いこと、だからしない」という自制心があること。
図にするとこんな感じ。

「犯罪 = 悪い事だからしない」が前提条件で成りたつメッセージ

前提条件が違う場合は成り立たない

「犯罪 = 悪い事だからしない」でしょ。
と思った方は、ちゃんと良識のある人だと思います。
ただ、そうでない場合もある。

例えば、中高生が万引きをするとき。
全員が全員ではないと思いますが、
「犯罪 = 悪い事するのかっこいい」という前提条件になっていたりします。

「悪い事ってかっこいい」が前提条件になると、犯罪も肯定される

そのほかにも、組織によっては、
「犯罪で刑務所に入ると箔がつく」的な前提条件が発動する場合もあります。
もしくはもう社会的に諦めていて、「あー、つかまってももう何も変わらないから、別に犯罪犯しても全然困らないです」となっている場合。

そうした前提条件を持つ人にとって、「〇〇は犯罪です」は果たして効果を持つのか?

痴漢をする人の前提条件は?

痴漢がなくならないのは、犯罪である事実を知らないのではなくて、前提条件が違うからではないのかと思うのです。

痴漢をしてしまう人の前提条件

ポスターによって、「痴漢 = 犯罪 = 悪いことだからやめよう」という自制心の前提がある人には、確かに事実を刷り込むことで一定の効果があるかもしれません。

でも、結局なくならないのは、その前提条件じゃない人がいるから。
その部分はポスターだけでは対処できないので、別の対策が必要です。

おわりに

見渡してみると、「同じ前提条件をもってること」を想定して書かれているポスターや会話は、日常の中にあふれています。
芸能人の不倫スクープも、お笑いのネタも、「受け手の前提条件が同じ」ことが条件で成りたっている部分が大きいと思います。
「このメッセージが前提条件としてることは何か?」を考えると少し見え方が変わることがあるかもしれません。

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