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「いじめっ子はね、その子のお父さんとお母さんが悪いと思う。」「心が曇ってるんだよ」と5歳の息子が言った件

久しぶりに合った友人の娘さんが、いじめにあっているとのこと。
それを聞いた日の夜、5歳の息子との会話が印象的でした。

ぼくが一緒に逃げてあげるよ

母「お母さんのお友達の娘さんがね、いじめられてるんだって。お友達に「この石、食べて。食べないと友達やめる」って言われたみたいなんだけど、チャンチャ(息子)どう思う?」

チャ「え?石を食べたの?なんで?石を食べたら死んじゃうよね?」

母「うん、死んじゃうよね……。飲み込まないで、お口の中でもぐもぐしてたみたいなんだけど。食べないと友達やめるって言われちゃったんだって」

チャ「えー、そんなん言うやつ、ぼくが蹴って山の上まで飛ばすのに」

母「”友達やめる”って言われたら、どうする?」

チャ「ぼく、そんなの友達じゃなくていいよ。ぼくには○○ちゃんや○○くんがいて、みんな強いから、みんなに言って一緒にやっつけてもらう。・・・・ねえ、でもほんとに、なんで食べちゃったの?」

母「うーーん、優しい気持ちの女の子なんだよ。それに、周りのお友達も、助けてくれる人がいなかったのかな」

チャ「じゃあ、ぼくが一緒に逃げてあげるよ!」

「なんか嫌だな」って思って

母「頼もしいね。ほかにもね、仲間はずれにされたり、一緒に遊んでるときに”どっか行ってくれないかな”って聞こえるように言われちゃうこともあるんだって。悲しかっただろうね」

チャ「うん。そうやって言われたらすごく悲しい……。
あのね、保育園で、○○くんがいっつも鬼ごっこで鬼になるの。○○くんが来ると、△△くんと☓☓くんが”○○鬼が来たー!逃げろー!”って言うんだよ。なんか嫌だなって思って、ぼく、○○くんの代わりに鬼になって、△△くんと☓☓くんをタッチしちゃうんだ♪」

母「そうなんだ。嫌だなって思うんだね。○○くんは、チャンチャに何か言うの?」

チャ「えー、わかんない。でも、笑ってるよ。お昼ごはん食べるとき、ぼくの隣にくるし、ぼくのこと好きだと思う。」

母「そうだったら嬉しいね。△△くんと☓☓くんは、タッチされてどうしてるの?」

チャ「”やられたー”って笑ってるよ」

おんなじ数じゃなくちゃ、ヒキョーなんだよ

母「お母さんが子どものときにね、一人の男の子が、3人ぐらいの男の子にぶたれてたことがあったの。お母さん、怖くて、何も言えないことがあったんだ」

チャ「えーー! 1対3なの? そんなのだめだよ! 
戦いごっこは、2対2とか、3対3とか、おんなじ数じゃなくちゃ、ヒキョーなんだよ。まあ、お母さんは女の子だから戦わないよね」

母「戦いごっこじゃなくってね、いじめられてたんだと思うんだけど。」

チャ「そんなの、ぼくが見たらぼっこぼこのずったずたにしてやる!(パンチ、キックのまね)ぼく、戦い強いからね!」

いじめる子は、心が曇ってるんだ

チャ「ぼく思うんだけど、いじめる子はね、お父さんとお母さんがいけないんだと思うよ。そういうことしちゃだめだって教えてくれてないんだ。”人が嫌なことしちゃだめ、傷つくことダメ”ってお母さん言ってたでしょ。」

母「うん、言った。そうかもしれないね」

チャ「あとさ、お父さんとかお母さんにいっぱい怒られるんじゃない? ぼくも怒られたら嫌だなって思うけど。それでね、心が曇っちゃうんだよ。」

母「心が曇っちゃうんだ。じゃあ、いじめる子は、お父さんやお母さんが悪いってことなのかな」

チャ「うん、そう思うよ。いじめる子も悪いけどね。お父さんのことが嫌いな子とか、お母さんのことが嫌いな子とか、弟が生まれて、一人で遊べなくなって嫌になっちゃった子とかさ、いろんな子がいて、心が曇って、いじめちゃうんだよ。」

母「チャンチャもマーた(弟/3歳)が生まれて嫌になっちゃった?」

チャ「ううん、ぼくはマーたがいてよかったって思ってる。一緒に遊べるし、ぼくのこと大好きだし。マーたがいじめられたら、ぼく、絶対相手をぼこぼこにする!」

何があっても守るよ

母「頼もしいお兄ちゃんで、マーた、喜ぶね。
あなたがいじめられたら、お母さんも、お父さんも、マーたも、みんなでチャンチャを守るよ。だから、困ったことがあったら何でも話してくれる?」

チャ「先生も、○○くんたちも守ってくれるかな」

母「守ってくれるよ! チャンチャは、先生やお友達が大好きでしょ? あなたが大好きな人たちは、みーんなあなたのこと大好きだから、大丈夫。
でもさ、もし、万が一、あなたの周りが敵ばっかりになっても、お母さんとお父さんとマーただけは、絶対に何があってもチャンチャの味方で、必ず守るからね」

チャ「うんわかった。ぼくもお母さんやお父さんやマーたがいじめられたらパンチしにいくよ」

母「うん。ありがとう。でも、まずはお話で解決したいかな。パンチは後にして・・・」

言葉はちゃんと響いている

湯船につかりながら、長男とこんな話を延々と30分以上もしていたのでした(お父さんとマーたは「遅いなー」と待っていました)。

長男はまだ5歳ですが、彼なりの正義やものさしがあって、ちゃんと考えて行動していました。
いつのまにか、人の気持ちも考えられるようになっていて、大きな成長を感じました。

そして、私が一度言ったか言わないか忘れてしまったような言葉もちゃんと覚えていて、吸収していました。
言葉は、ちゃんと息子に響いているんだな、と嬉しくもなったのでした。

いじめを無くすには

いじめを100%無くすことは難しいことだと思います。
息子は一年後の春に小学校にあがりますが、「ぼくは強いから大丈夫」と自負している息子のまわりにも、いじめはあるかもしれません。

息子がいじめられたとき、何でも話してもらえる親でありたい、と思います。

同時に、息子を加害者にしないことも、親として大事なことです。
仲間外れにしたり、持ち物を隠したり、無視したり、悪口を言ったり、暴力をふるったり。「いじめ」に当たりそうな例を出して、息子と考えます。

世の中からいじめを100%無くすことは難しいことだと思いますが、子どもたちといじめについて考える時間を設けることが、いじめを減らすことにつながるのでは、とも思っています。
世の中のお父さんお母さんが様々な事情で子どもたちに教えられないなら、園や学校で「いじめを考える時間」を設けてくれれば、とも思います。

「すべての悩みは対人関係のなかにある」
「すべての幸せもまた対人関係のなかにある」(アドラーの言葉)。
子どもたちには、対人関係のなかでしなやかに生きていける「心の土台」を作ってあげたい、そして、どんな難問にぶちあたったとしても、まずは自分で考えて乗り越えられる力をつけてあげたい。

長男は、ものすごくやんちゃで、多動かな、と思うところもありますし、少し前までは、私は一日に2〜3回は謝って歩いていました…(遠い目)。
でも、これだけのことを考えられる長男を、頼もしくも思うのです。

息子が自立するまでまだまだ・・・前向きに、元気に、子育てがんばります!

最後までお読みいただきありがとうございます。いただいたサポートは、他のクリエイターさんへのサポート及び、息子たちとの”寄り道アイス”に使いたいです。