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乳がんのこと【番外編】〜お空に帰った友人たちのこと

ここ数年の間に、友人が3人、がんでお空に帰りました。

ひとりは20年来の友人Nさん。コロナの世の中になってからの入院で、一度もお見舞いに行けないままでした。LINEのやり取りも、送ると必ず返事をくれるので、無理がないように…とだんだん間隔をあけていたのですが、病状が進み、いつしか返信が来なくなる日が来るのだと気づいたら、私が怖くなってしまってメッセージを送れなくなってしまいました。グリーフの中の『予期悲嘆』と呼ばれるものの典型でした。
なんて意気地なしだったんだろう、返事を返せなくなってしまっても、きっとメッセージを読んだら喜んでくれたと思うのに…そう自分を責める気持ちと、友人を失う恐怖に怯え、逃げていた自分をグリーフケアの観点から理解する気持ち。いまだに折り合いがついていません。

もうひとりはネットで出会った趣味の友達、Sちゃん。歌うことが大好きで、stand FMやYouTubeに歌やおしゃべりを投稿していたのに。寛解から10年以上経ってからの乳がん再発・遠隔転移で、あっという間にお空に帰ってしまいました。

そして娘の通っていた高校で知り合ったママ友、Aさん。出会った頃から闘病していた彼女は、通院時に病院で私を見かけたらしく、まさかね…と前置きしつつ久しぶりにメッセージをくれました。
実は…と返信したらとても驚いて、でも明るく「じゃあ今度見かけたら絶対声かけるね!」と言ってくれたのですが、会えないままお空に帰ってしまいました。

Nさんとの最後の1年に詰まった思い出と後悔。
SちゃんとAさんとのお別れは、私が治療を受けている時に同じ病気で逝ってしまったので、哀しみと共に自分の未来への恐怖も抱えました。

私は以前から死そのものへの恐怖をあまり感じていないのですが(このことはまたいつか書こうかな)、死へ向かう過程での苦しみへの恐怖と、大切な人たちと離れなければならない寂しさは、人並みかそれ以上に持っているのだと改めて感じました。

去年のことを思い出していたら、このことも改めて蘇ってきたので書いておきます。

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