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風が吹けば桶屋が儲かる

今、Audibleで、湊かなえさんの『贖罪』を聴いている。(夢中になっていて、気づいたらこの時間になっていた、危ない危ない。)
聴きながら、別の文章を書くとか、複雑な作業をすることは難しいが、家事をしながらとか、何かクラフトをしながら聴くことができるので、とても重宝している。

さて、ここからは若干のネタバレになるのかもしれないが、内容紹介文に書かれている程度のことなのでギリギリOKということにする。(気になる方は読まない方がいいのかも)

小学校で、ひとりの女の子が殺害されてしまう。その時に一緒に遊んでいた4人の女の子たちは、犯人と会話をしたのに、何故か顔を思い出せずに、そのまま事件は迷宮入りしてしまう。
数年後、女の子たちは殺された女の子の母親から、「あなたたちを絶対に許さない。必ず犯人を見つけなさい。それができないのなら、わたしが納得できる償いをしなさい。」と言われる。その後、4人の女の子たちはどんな人生を歩んで行ったかが語られていく。

わたしが読んだ(聴いた)のはここまでで、この先何が起こるのかの想像が膨らんで膨らんで、今も聴きながらこの文章が書けたらいいのに、と思っているくらいなのだが。ここまでの時点で私の頭に浮かんでいるのは『風が吹けば桶屋が儲かる』という言葉だ。
この場合逆で、殺人事件と娘を失った母親の一言によって、一見関係ない形で、少女たちはそれぞれ悲劇に巻き込まれていくのだが。

物事が、ちょうどしりとりのように、薄い関連性をもって繋がっていく。その先に、思いもよらない未来が待っている、ということは、誰の人生にもあることのような気がする。今私がここにいて、こうやって文章を書いていることも、人生を舞台にした壮大なしりとりや連想ゲームの一部分のように感じるのだ。

アドラー心理学を学ぶ身としては、いつかこれを目的論の立場で説明してみたいところだ。でもまずは、この物語の続きを楽しむことにしようと思う。
非常に面白い作品だと思う。気になっている方は是非読んでみていただきたい。

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