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なぜ高校に行くのか

小中学生に聞かれることがある。

義務教育ではないのに、なぜ高校に行かなければいけないのか問題。

そう、義務教育ではないのに、行く前提で話が進むのだ。
勉強したくない!って人なら、なんでだよ…と思うのは当たり前だろう。

まず、義務教育というのは『教育を受ける義務』ではなく『教育を受けさせる義務』であることに気をつけなければならない。
子供本人には義務はない。
養育する側に義務があるのだ。

だから誤解を恐れずに言えば、小中学校だって、本人が行かないと言えば行かない選択もあるということだ。

ただ、なぜ教育を受けさせる義務があるのか、と言えば、そのくらいのことは知っていないと、社会生活を送るうえで困ることがたくさんあるんじゃないの?ということだろう。
社会の中で、知っていて当然と思われること、できて当然と思われることを学ぶ場、と考えればいい。

では高校はどうだろう。
義務教育ではないということは、高校で学ぶことは知っていて当然という内容ではないのか?
そうかもしれない。
実際高校を卒業して何十年も経ったら、高校で勉強したことのうちどのくらいを覚えているか怪しい。
興味があること、仕事や生活の中で使うこと以外は、何ともあいまいだ。

ただ、高校卒業資格がないとできないことがたくさんある。
つまり、高校で学ぶことを一通り学んだことを前提にした、次のステップがあるということだ。
就職する際の求人の条件、大学等の専門的な学校に進学する際の条件。
まず思い浮かぶのはこの二つだ。
他にも、公的資格の受験の条件にもなることがある。
(高校という学校に在籍して生活していく中で、人間関係や行事、活動の中で学ぶもの、得るものもたくさんあるが、それはここではいったん置いておく。)

さて、では高校に行きたくない、もっと言えば学校に行きたくない子供はどうしたらいいか。
私の本音を言えば、行かなくてもいいんじゃない?である。
学校に行かなかったら勉強ができないということはない。
小中学校に行かなかったら親は色々言われて困ることもあるだろうけれど、それは親の問題で子供は選択する権利があると思う。
ただ、知っていて当然と思われることを知らないまま過ごす覚悟、または自分で学ぶ覚悟(自学なり、学校とは別の方法で)は必要だ。
高校も同じだ。

その覚悟が必要だということは、実際その困る経験をしてみなければ実感は難しいかもしれない。
(もしかしたら困らないかもしれないのだし。)
だから、もっと世の中の考え方が柔軟になって、学びたいと思った時にいつでも学べるような受け皿ができたらいいのになと思う。
高校に関しては、最近は様々な特徴を持った通信制や単位制の高校(フレックスハイスクールと呼ばれるような学校など)があって、学び直しがしやすくなっていると思うけれど、小中学校に関してはどうなのだろう。
自分が学ぶ理由がはっきりしている方が、効率的に、そして充実感を持って学べる気もする。

そして子供たちにこういう話をする時に、最後に付け加えることがある。
それは、
「みんながやっている時にやった方が楽なことも多いよ」
ということだ。
つまり、同年代の子どもたちが、何の疑問もなく小中高と進学して、勉強して、学校生活を送り、受験や就職活動をする、という流れ。
その流れに乗ったほうが、アドバイスをしてくれる人も多いし、一緒に頑張る仲間もいる。
自分で色々探さなくても、情報が向こうから(先生の方から)提示されてくる。
そういう意味で、断然楽なのだ。

そういうことを踏まえたうえで、子供たちが自分のペースで、一番有意義で楽しめる形で、成長して行けたらいいのになと思う。
何でもかんでもみんなと同じでなければいけないことはないのだから。

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