ぼくはくま
ぼくはくま、という歌がある。宇多田ヒカルさんの歌で、確かNHKのみんなのうたで流れていた曲だったと思う。
この歌を口ずさんでいることがある。くま くま くま♪という繰り返しが心地よいのもあるけれど、私にとってくまのぬいぐるみが、とても幸せな記憶とつながっているのもあると思う。
娘が誕生した時、高校時代からの親友が、白いクマのぬいぐるみを持って会いに来てくれたのだ。身長30センチにも満たないそのぬいぐるみは、それでも生まれたばかりの娘の横に並べると、それなりの存在感があった。ターコイズブルーの服を着ていて、元気そうなくまだった。
それから毎月、娘とくまを並べて寝かせて写真を撮った。娘がだんだん成長して座れるようになり、歩くようになり、クマを抱きかかえて写真を撮るようになり…
撮るのをやめたのは何歳の頃だっただろう。
くまは私の中で、娘の成長の記録なのだ。
そのくまは、今、娘の部屋のチェストの上に座っている。いつの間にか一緒に寝なくなったし、あまり目に留めることもなくなった。それでも私は気づくと、「くま くま くま くま~♪」と歌っているのだ。
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