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バイク事故から15ヶ月



バイクでもらい事故に遭ってから
1年と3ヶ月が経ちました。

左鎖骨と肩甲骨は
手術をしてから1年と2ヶ月が経ち
再手術で鎖骨のプレートを取ってから
2ヶ月と少し経ちました。


どんな事故だったかご存知ない方のために。



毎月、定点観測しています。

前回のnoteはこちら。



先月「がんばるぞー!」宣言をした後
すぐに腰を痛めた。

座卓の食卓から立ち上がる瞬間
「ピキッ」ってなって
立てなくなった。

これって観音崎ツーリングの時と同じ。
背中を丸めて立ち上がる時になる。 


筋トレを始めてすぐだったので
正直ショックだった。


色々無理をしたんだろうか?


腰が伸びない。
座る時、立つ時、どちらも痛い。

こうなると
治るまでしばらくかかることが
わかるようになってきたから
諦めて時間が経つのを待つ。

接骨院は回復に役立つので行く。
左の腰の筋肉が特に硬いらしい。

筋トレはまたお休み。
腰を動かせないのでストレッチもできない。


い〜っぽすすんで、にほさがる〜


心の中で明るく歌って
なるように任せる。


そんなふうに
2週間ほど過ごしただろうか。

ようやく「筋トレに行けそう。」と
一月末に久しぶりに行ってみた。


その翌週だったかな。
座卓から立ちあがろうとしたら
「ピッ」ってなった。

なんで「ピッ」だけなのかと言うと
「キッ」っていう瞬間に
食卓とヒーターに両手をついて防いだから。


そしてゆっくり座って
しばらくじっとしてみた。

するとなんとか
腰が痛くなるまではいかずに
ギックリ腰状態は回避できた。


翌日だったかな?
接骨院に行く。

「またピキッってなりそうになりました。
 これってどうしたらいいんでしょう。」

『背骨の両脇の筋肉を背骨側に寄せて
 背中を立てて立つといいですよ。』


この日
久しぶりに自転車で接骨院に行ったら
上半身を支えられなさすぎて
ショックを受けていた。


えっ?これじゃバイク乗れない。


両手に上半身の重さが乗ってくる。
両手を突っ張る。

重さに耐えかねる。
一日中、体を支えていることはできない。


ツーリングは1日バイクに乗る。
家からどんどん離れるので
帰りも計算に入れないと帰れなくなる。


帰り、楽できないのがツーリングだなぁ。


車も電車も、帰りぼんやりと帰って来られる。

身体中が心地よい疲労に包まれていても
危機感なく、身体の力を抜いていられる。


バイクはちょっと違う。
帰り、身体が疲れていても
支える力を抜くことはできない。

男性はバイクに乗っている時に
どのくらいの力で乗っているのかわからないけど
女性の体は筋力がない。

加速してバイクから振り落とされないように
ハンドルにしっかり捕まっていたり
減速して前に飛んでいかないように
ニーグリップをして太ももでタンクを挟んだり

4ストロークエンジンは
エンジンブレーキが効くので
アクセルを戻すと減速する力がかかるから
アクセルを戻した時に脱力できるわけでもない。

2ストロークエンジンだったら
アクセルを戻したら
ニュートラルに入れたみたいに
スーッとバイクは進むから
その時に身体の力が抜けるのにな。


そんなことを思いながら
自転車に乗ってきてたから
接骨院の帰りに
背骨の両脇の筋肉を背骨側に寄せてみた。


あっ!身体を支えられる!


これってつまり背筋を使ってるってことでしょ?
背筋で上半身を支えてるってことじゃないのかな?

両腕が楽になる。
突っ張らなくていい。


これならバイクに乗れる?もしかして。

あとひと月筋トレして
どうこうなるもんじゃないと不安だったけど
背筋使えば、ツーリング行ける?


そう思うとちょっとホッとしながら
うちまで自転車を漕いで帰った。



そう思った。
思ったんだけど、夜、考えてた。


背中を伸ばしたライディングフォームって
カッコ悪い。やだな。あのフォームだけは嫌だ。


バイクに乗っていない人でもわかるんじゃないかな?

目の前をバイクが通り過ぎた時

そのライダーが上手いか上手くないか

ってこと。


乗っている姿勢でわかる。
この人が乗れる人が乗らされている人か。

乗れている人の背中は丸まっている。
上半身は両手ではないどこかで保持されていて
両手の肘は伸びていない。

身体中からほどよく力が抜けている。
背中にも両手にも突っ張るほどの力は
入っていない。



かっこよく走りたかった。
力の抜けたライディングフォームで
惚れ惚れするような一瞬を届けたかった。

それはわたしが見てきた
胸をすくような「かっこいい!」って気持ちを
周りの人にも届けたかったから。


それが

女性でもバイクに乗れるってことを
証明することになる

と思っていたからかもしれない。


そのために
サーキットに通い、実力を確かめるために
レースにも参戦していたような気がする。


そんなこだわりを持っている
ライディングフォーム。

背中を伸ばして乗る。
「これだけは嫌だ!」と思った。


どうしたらいい?
かっこ悪さとツーリングとどっちを取りたいの?

答えは出ずに
また接骨院に行った。


あっ。今日の声は院長だ。


院長はバイクに乗っている。
KAWASAKIのNinja250。

スポーツバイクなのでわたしのバイクと同類だ。


施術をしてもらいながら相談する。

「またピキッってなったんですけど
 観音崎ツーリングみたいなのはもう嫌なので
 どうしたらいいんでしょうか?

 背中の筋肉を使うように
 教えてもらったんですけど
 背中がまっすぐなフォームって
 初心者みたいで恥ずかしいんです。」

院長は爆笑。

『わかるー!!』ってめっちゃ受けてる。


こんな話。
バイクに乗っている人じゃないと相談できない。

ライディングフォームがかっこ悪いのは嫌って
そういう姿勢はバイクに乗らされてるように
みえるから嫌って

ああ。わかってもらえてよかった。
心の底からホッとする。


女性にはよくある乗り方だから
余計に気になることを伝える。

そういう乗り方をして
「だから女は…」って言われないように
がんばってきてたんだってことに
話をしながら気づく。

そっか。
そのために

「上手くならなきゃ。かっこよく乗らなきゃ。」

って思っていたのか。


『〇〇さんのバイク歴知ってますから
 言いたいことはよくわかります。』

「どうしたらいいんでしょう?」

『後でやり方教えますよ。』


当時、女性ライダーはほとんどいなかった。
乗っている人はそれなりに走れていて
みんな自立したくて乗ってるような人たちだった。

そんなふうにかっこよく乗りたいと
「女でもバイクに乗れる」ってことを
証明したくてがんばっていたんだなぁ。

と話していて腑に落ちた。



施術が終わって、院長が教えてくれた。

「お腹に力を入れてください。そうそう。
 次はお腹押すんで押し返すように
 お腹に力入れてみて。そう、それ。
 毎日やれば腹圧を高められるから
 腹筋で身体を支えればいいんですよ。
 腹筋に力入れると自然と前屈みになるので。』


そっか!それならあのフォームになる!


帰り道の自転車で試してみる。
ほんとだ!前屈みでも上半身が支えられる。


背中を立てて走らなくてもいい。

この腰でも
ツーリングに行けるかもしれない。


そう思うと
行く先に光が見えた気がした。



500kmくらい、また走れるようになりたい。


諦めずにがんばろう。





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