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息子が中学を卒業した日


終戦後の翌日ってこんな気分なのかな?



息子が不登校だった2年半。

ゲリラ戦禍で
潜伏しているような日々でした。

息を潜め
存在を消し
学校という枠組みから
外れた家族を
世の中からかくまうような毎日。

そんな毎日から
やっと解放された朝。


その、空を見る気持ちは
青空の元に堂々と身をさらせる気分は
きっと終戦後と同じ気持ちなのでは?

そんな気持ちで朝を迎えていた
昨日のこと。


    *            *            *



穏やかな陽気の木曜日。
息子は朝から起きて、制服を着ました。

この制服を着るのは
最後かもしれないんだね。

「学校行くの、今日で最後?」
息子も聞いてきます。

「そうだよ。」
と答えるわたし。

朝、家の前で写真を撮りました。


行く前に公園で友だちと
写真を撮る約束をしていました。

幼なじみの子と
一緒に写真が撮れて良かったね。


明日から違う道を歩む
2歳からずっと一緒だった友だち。

中学最後の日に
一緒に学校に行けて良かったね。


今年はコロナで
卒業式に親は参列できませんでした。

当日学校に行くことも禁止され
代わりに、2日前から
卒業式の看板が立てられ
事前に親子で写真を撮るよう
連絡がありました。

わたしは親子で中学校の写真を撮る
そんな感慨は持てず
息子にも聞かずにやり過ごしました。


中1の冬から不登校だった息子。

今週の火水と式の練習に行かず
学校から電話があり
「明日、卒業式来ますよね?」
と心配された息子。

わたしもふと心配になりましたが
杞憂だったようでした。

朝、公園に向かう息子を見送りました。



午前中に用があって出かけ
帰ってきてもまだ
息子は帰って来ていませんでした。

お昼過ぎに帰宅した息子は
晴れやかな笑顔で帰ってきました。

とても良い顔だったので
もう一度、家の前で写真を撮りました。

両方の実家に写真を送りました。

とても喜んでくれました。



息子は、4年かけて
高校を卒業したいと言っています。

HSPなので
毎日学校に行くのは難しいからです。

一回出かけると
2日は家で休まないと
エネルギーが回復しません。


勉強も1日2時間くらいが限界です。


4月から行く高校は
大学のように好きなコマを選んで
自分で時間割を作れるので
週2回で済むように
曜日を揃えて単位を取る予定です。


どこの高校もこんな形で

もっと自由に
自分の学びたいものを
自分で選べるようになれば

より主体的に学べるようになるのに…
と思います。

9教科オール3の子が9人いるより
1教科5の子を9人集めた方が
日本の未来はより明るいと思うのだけど。

みんな平均で受け身の子を
量産しても仕方ないと思うんだけど。
(勝手な心のつぶやきです)


息子は、高校の資格を取ったら
専門学校に行って
保育士と幼稚園教諭の免許を取り
子どもと関わる仕事につきたいそう。


わたしは林業に携わってもらって
地球を守って欲しいと思っているけど
息子は子どもを育てることで
次の世代に地球のことを託すのかな?


わたしたち家族は自然が好きだから。

自然を守り
次世代につなぐために
何ができるかを考えて
毎日暮らしています。


息子は今、イワナとヤマメを
部屋で飼っています。

いずれ、繁殖させたいそう。

その時は、180cm水槽と
水の流れを作る装置が欲しいとのこと。

2階に置くと床が抜けるらしいから…

外に置く?

いや。むしろ
イワナの繁殖を研究している大学にいって
研究室の水槽を使った方が良くない?

タダだし。


「たしかに・・・」と息子。


よし。一つ選択肢が増えたね。


こうやって
専門学校と大学の存在を伝えておけば
「人生はいくつも道があるんだよ」と
教えてあげることができる。


親とは
子どもの可能性を広げる
ためにいるんだと思う。

子どもをよく観察し
子どもの得意なところを見つけ
「きみはここが得意だよ!」
と声をかけて自覚させる。

子どもは親に言われて初めて
自分の得意分野、長所を知る。


わたしはそういうことを
親ではない人から言われたことで

「親に言われていない
 (認めてもらっていない)
 ことを人から言われても
 それは外面のわたしを見ているだけで
 本当の自分は違うんだ!」

と余計に辛さが増したので


親のすべきことは

外から見える子どものことを
きちんと伝えることで
子どももそう思えるようになる
手伝いをすること

これが子どもの自我の
成長の手助けになると思っています。



きみにはこんなところがあるよ。
わたしにはこう見えるよ。

きみにはこんな良いところがあるよ。
それはこう生かせたりするよ。


じぶんの良さには
気づいていないことが多いから。

noteで、わたしもそのことを学びました。




4年後の春。

息子はどんな進路を
選んでいるのでしょうか?


命を絶つような
辛い思いだけはしないように

毎日美味しい食事を用意して
怒りの感情がない空間を用意して
穏やかに心身を休ませられる
そんな寝床を用意して

帰れる場所を
休める場所を
心地よい空間を
作っていきたいと思います。



コロナ禍で
リモートになったオットと
不登校の息子
起きられなくなって
昼前に起きてくる娘と
平日なのに家族4人で昼食を囲んで
笑い合った日々。

こんな幸せがあったっていい。
そう思って暮らしていました。


不登校でも
幸せに暮らせます。

それは、心の持ちようです。

今、子どもが不登校で悩んでいる方。

どうぞ、我が子のために
心をくだくのではなく
ご自分のために生きてくださいね。

親が楽しく暮らしていることが
子どもの心の安心につながる。

そう思っています。

どうぞ、ご自身を労ってあげてください。



最後に
みなさまにも幸せのお福分け^ ^

昔、おばあちゃんから
嬉しいことをお裾分けする時は
『お福分け』って言うんだよと
教えてもらいました。


息子が中学からいただいてきたお花です^ ^


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息子へ

中学卒業おめでとう。

学校に行かない選択をし
貫き通したことを
誇りに思います。



みなさまにも幸多からんことを

お祈りしています。




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