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台湾の友人たちとの日本文化に触れる旅


能の[みどころ講座]に参加


[トップの写真は演目で用いられる
能装束の一つ]

4月に台湾の友人たちと九州への写生旅行をしたのに続いて今回は同じメンバーで東京への11日間の日本文化を楽しむ旅行です。

今回の主な目的は能楽の家に嫁いでいる娘のところに行き、日本の能舞台を鑑賞すること。
能のみどころを学ぶ講座と国立能楽堂での能舞台鑑賞、その合間には日本国内での小旅行やスケッチ、美術館巡りなどを楽しみます。
台湾の友人3人は私からは3日遅れて羽田に到着。

この日は私が台湾でいつもお世話になっているお礼の気持ちで日本の家庭料理でおもてなしをできればと娘宅でささやかな手料理の食事会をしました。
(これは次回に書く予定)

翌日は早速、14日に国立能楽堂で行われる梅若研能会の能舞台の演目について事前に学ぶ[みどころ講座]に参加しました。

これは、梅若万三郎家能舞台で14日の国立能楽堂で演じるシテ方の能楽師(私の孫二人)より、演目のあらすじや能の特徴的な表現、実際に使われる能面や装束も直に観て能をより身近に感じ理解してもらいたいということで始められたということです。

能の家で開かれるので、伝統芸能の家の佇まいや普段稽古で使われている能舞台を見ることもできます。
この日は演能では能面をつけている能楽師と直に顔合わせができるのも楽しみの一つですね。



この事前講座は国立能楽堂の本番のチケットを購入していれば無料で参加(このみどころ講座だけ参加の場合1000円)できるのです。
当日は事前申し込みで集まった人たちでいっぱいでした。
この講座にご参加された方々の中にはお着物姿の方たちもおられ、台湾から来た私の友人たちはとても喜んで一緒に写真を撮ってもらったりと一段と印象に残る機会になりました。

代々木上原の駅から歩いて
10分ほどのところにある
梅若万三郎家能舞台
古い佇まいの趣ある玄関
梅若万三郎家能舞台
立派な松の絵が描かれています
演目[熊野]の解説は
能楽師 梅若紀佳
演目[望月]の解説は
能楽師 梅若志長(ゆきなが)
この家に伝わる
江戸時代の能面
参加者たちは間近にこの
伝統の能面や
当日用いられる能装束などを
観ることができました
間近に見られるとあって
みなさん興味深く観察しています
この豪華な能装束は
唐織という織り方で立体感が
出ているとのこと
役どころの年齢や身分によって
使われる装束が選ばれるという


能の演目[熊野]と[望月]について分かりやすく解説があり、その後実際に使われる歴史的価値のある能面や装束も実際に拡げて由来などの説明がありました。

初めて日本最古の伝統芸能に触れる台湾の友人たちにとって、この機会は日本の古い伝統芸能への興味を深めるものとなったことはまちがいありません。

この[みどころ講座]というものが能の公演前に開かれていることを私も聞いてはいましたが参加するのは初めてのことでした。
孫たちの舞台は折あるごとに観てきましたが、このように能への理解を深めてもらう、多くの人に知って欲しいという思いで積極的な活動をしている姿を実際に目にするのは初めてのことでした。

姉の梅若紀佳は小さい頃はとてもおっとりした女の子でしたので、まさか能楽師になるとは想像していませんでしたが、自身でこの道に進むと決めてからは高校まで学んできた学習院の大学に進む道を変更して、能を専門的に学ぶ道を選んで東京藝大へと進み、専門性を磨いて能楽師として活躍してきました。
つい最近、凖職分という一人前の能楽師という資格になったと聞きました。
伝統の家の藝を引き継いでいくこと、また広めていくことを強く意識して前に進んでいます。
もともと男性社会の能の世界で女性能楽師としての道を切り開いていくということにも情熱を傾けています。
弟の志長(ゆきなが)も同様に学習院から東京藝大で学び、今や祖父万三郎、父紀長に次ぐ第三世代として
梅若万三郎家を引き継ぐ力を蓄えてきたようです。
小さい頃からおっとりした姉、優しい弟として見てきたこの孫たちの積極的な活動ぶりの今日の講座を目の当たりにして、祖母バカかもしれませんがとても感動しました。
私もこの子たちが小さい頃からの娘の子育てぶりを陰に日向に見てきましたので、我が娘にも大きな拍手を送りたい気持ちです。

私情をたくさん書いてしまいました😅

舞台の脇の部屋には
孫たちにとっての曾祖父にあたる十二世梅若万三郎の書が掛かっています。

[長生の家にこそ]という思いをしっかり受け継いでいくことと思います。


梅若研能会からYouTubeで当日の模様が公開されていますので
“百聞は一見にしかず”
ぜひご覧になってみてください。


台湾の友人たちは国立能楽堂の能舞台だけでなく、この講座にも参加するために国立能楽堂での開催より10日程前に来日しました。

このみどころ講座の後の本公演までの1週間ほどは友人たちと箱根、鎌倉、横浜、都内の美術館巡りなど忙しく過ごしました。
この記事では
台湾の友人たちとの日本旅の始まりのこの[みどころ講座]についてのことにとどめます。

続いて友人たちと楽しんだ日本でのことを書いていきたいと思いますので、また是非お読みいただければ嬉しいです。

お読みいただきありがとうございました。

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