押尾 紗智 / Sachi Oshio

I was born to die as a girl. MY CONFUSED WO…

押尾 紗智 / Sachi Oshio

I was born to die as a girl. MY CONFUSED WORDS

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理由

2009年 3月2日 月曜日 AM10:00ー 私はこの日、高校を卒業した。 もちろん、自分1人の力でなんて卒業できなかった。 友達、両親、先生のおかげで。 今まで話したことのなかった、私のお話、金髪の理由 私かわいそうでしょ?ってアピールをしたくなかったから今まで話してこなかったけど、私のことを大切に想ってくれている人になら、とやっと、10年以上経ってから思えるようになりました。 私はいじめられていた。 中高一貫校だったので、6年間在籍していたが、中3の頃の些細な出

    • 次なんてない

      最後に点火し忘れていた線香花火 「次会った時にやろうね」 そんな約束をして、夏は終わったよ。 もう、風が冷たいよ。 次なんてなかった。 きっと来年の夏はまた違う誰かの隣にいる。 その先も、きっと、ずっと、そう。 夏の陽射しと思い出と一緒に、さようなら。

      • いい子になってしまった

        何年か前に別れを告げられた彼に 「重い」 そう言われた。 思えばその時から、少しずつ歪みが生まれていたような気がする。 あぁ、あの時の一言が あぁ、あの時の行動が あぁ、あの時の表情が だから私は何も言えなくなってしまった。 寂しいも 悲しいも 会いたいも きっと、重いと思われてしまう。 だから笑っていよう だから黙っていよう だから我慢しよう 2人でいて感じる悲しさや辛さよりも 独りで感じる孤独の方がよっぽど気が楽だよ 私はさ、嫌な女だからあえて書くけど

        • また誰かが死んだ。

          人の死は深く自分に関わっていた人でないとリアルに感じられない。 だから、今日耳にしたニュースも、何週間、何ヶ月、何年、何十年、いつかは誰かが思い出さないと忘れてしまう。 だから私が死んだところで、思い出してくれる人なんて片手1つ分にも満たない気がしてしまう。 この文を読んでいる人は私の人生の中で死んだ友人のことなんか知らないし、わざわざ想いを馳せようとも思わないだろう。 誰かの死が、わざわざ “印象に残る死に方″ じゃないと世間には何も、誰も問いかけない。 別に

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        • LOVESTORY
          5本
        • SUMMER
          6本

        記事

          見えない遺伝子

          1990年 7月20日、夏が始まる日。 私は熊本県のとある病院で生まれた。 予定よりもだいぶ遅く出てきたらしく、何でも期限ギリギリになってから焦り出す、見事に生まれたときから今の性格を体現していた。 とはいえ、母子共に健康、問題なく生まれた私はたくさんの人に喜ばれたそうだ。 もちろん、その時の記憶はない。 初孫の長女だったため、それはそれは家族みんなが喜んだそうだ。 もちろん、物心ついてから祖父母には甘やかされているなぁとも思っていたし、祖父母以外の家族に久しぶり

          感謝と、これから。

          こんにちは。押尾 紗智です。 まずは先日開催されたCHOKiCHOKi誌面掲載オーディション、応援ありがとうございました。 結果は7位、予選通過はできませんでした。 ここから私の独りよがりな気持ちを綴ります。 先に不快なお気持ちにさせてしまうことを謝罪させてください。ごめんなさい。 事務所に所属して1年。LINE LIVEを始めてから10ヶ月か経ちました。 まだ10ヶ月かぁと思うのですが、思い返せばこの10ヶ月の中に色々な経験と皆さんとの思い出が詰まっているなぁと

          感謝と、これから。

          思い出はシャンプーの中に - 私編

          君が選んで家に置いていたシャンプーなのに、隣で寝る私の髪の香りを嗅いで良い匂いがすると言う。 長かった髪も、君が好きだと言うから少し短くなった。 髪が巻きづらくもなった。首にコテで火傷ばかりした。 それでも君の目に私が映るなら、どんな自分でも好きになれた。 私の髪は自分で香りを嗅いでも良い匂いがすると思う。 また髪を巻いて、私はとびきりのおしゃれをして今日も“可愛い私″になるのだ。 髪もあれからとても伸びて、時間が巻き戻ったようだった。 隣に私の髪を良い匂いだと

          思い出はシャンプーの中に - 私編

          エンドロール

          … 目を覚ませば、もう正午を回る頃だった。 …どれくらい眠っていたのだろう。 夏は、何故こんなにも心を支配するのだろう。 やけに目に灼きついているいつかの夏も 花火と共に消えた恋心も 家族と食べた西瓜の味も すべて、夏が淡く、そしてくっきりと色付けていく。 夏が始まったあの日が、もうこんなにも遠くに感じる。 セミの声が遠のき始めた頃、また街には人の声が戻ってくる。 きっと、誰もが経験した事があると思う。 ー8月31日 夏が終わる日。 どんなに酷暑が続

          拝啓 死を願う へ

          まずこの文章は、死ぬことを推奨したり、また否定するものでもありません。 とてもネガティブな表現が多く、気分を害される方もいらっしゃると思いますので、苦手な方はご遠慮ください。 また、悪意のある中傷もお控えいただけますと幸いです。 思うことをただ、私からいつかの私へ、そしてできるなら誰かにも届いたら嬉しい、ただ、それだけです。 二年前の冬に私に下された診断は 双極性障害 聞いたこともないし、はぁ…という感じであった。 双極性障害は、通常の気分をはさんで躁病(そうびょ

          拝啓 死を願う へ

          SUMMER

          Someone called me “SUMMER” I introduced myself “I am SUMMER” And someone else said. “SHE IS SUMMER”

          アイスの底は見たくない

          アイスを食べすぎてお腹が痛くなることはしょっちゅうである 年中アイスを食べてはいるものの、やはり夏になればシーズンというか、風物詩というか 他の季節よりも食べる機会は多くなる 私はアイスの底が見えるのが嫌いだ もうなくなってまう、終わってしまうのが嫌で、結局食べてしまえばなくなるのに変わりはないのに、いつまでもちまちまと食べるのである 終わりを見たくないからスプーンを止めた でももう、止まらなかった 底に近づいた時、ゆっくりと溶けてなくなっていくだけだった 同

          アイスの底は見たくない

          夏が始まる日

          7月20日 夏が始まる日 何年前になるだろう もう思い出すことすらできない ー7月19日 天気予報を見るまでもなく雨。 あの頃の私は髪がうねるだとか、ベタベタするだとか。 そんな理由でなく不機嫌だった。 いつもより早く終わる学校を背に、夏休みの話、宿題の話、新学期の話。 何かを楽しみにしながら、各々の夏の中に溶け込んでいくようだった。 そう、私の誕生日 7月20日 当時は第三月曜日が海の日ではなく、7月20日そのものが海の日だった。 前日が平日の7月19日に終業

          予測された未来

          7月も中旬に差し掛かる。 変わらずスマホに文字を打つ。 もうすぐ誕生日だ、ふふ。 少し嬉しくなった。 … … … フリック入力も早くなったものだ。 仕事の返信も早く済ませよう。 … 「誕生日はどこに行こうか!」 「向日葵見ような!」 「浴衣着て花火見たいな!」 都合よく予測変換するくせに 予測された未来は一個もやって来ない。 温かくも冷たくもない予測変換にフリック入力ミスで出たのは 「ごめん」と言った、君の名前。

          腕枕の記憶

          今日もベッドに入る。 もちろん隣には誰もいない。 記憶というものは厄介で、別に思い出したくもないものを引っ張り出す。 …枕に頭を乗せればすぐに。 大して心地良くもない男の腕の中で、私は頭をずらして眠る。 -お前の腕が疲れないようにするためだよ 今まで何人がそれに気付いていたのだろう。 結局私は眠れない。 寝たはずの彼は寝返りを打ちながらもう片方の腕で私を包み込む。…眠ったまま。 … 1人クーラーで冷えた身体に記憶の中の温かさを思い出す。 …一瞬でも愛され

          夏が始まる前の大嫌いな日に

          6月11日 梅雨入り。私の大嫌いな季節。1番嫌いな季節だ。 巻いた髪は全て取れ、肌に張り付く汗と髪。 そして時間をかけて完成された“今日の可愛い私”はことごとく雨と湿気と汗に流されていく。 そしてこのお話も、もしかしたら同じようにただ流されていってしまうのかと思うと、少し切ない。 それでも気持ちは生物だから、今書き留めておきたい。 誰に伝えるわけでもないこの気持ちを、私は確かに忘れたくない。 梅雨入りの翌日、6月12日。 晴れ間を見せたかと思えばぐずりだす天気

          夏が始まる前の大嫌いな日に