アイドルオタクの『終活』④見通しを立てて「もしも」に備える


前回エンディングノートを模してアイドルオタクとしての現状を言語化してみました。孫氏の兵法に「敵を知り、己を知らば百戦危うからず」とあります。己を知ることで先の見通しを立てて「もしも」に備えることに繋げることができます。

オタクにとっての「もしも」とは、これまで見てきた通り、推しもしくは自分自身がいなくなることです。ここで重要なのは周囲との信頼関係の構築です。家族や友人に自分の意思を表明して、依頼したいことを実行してもらう必要があります。

現場に知り合いのオタクが一人もいなくともオタ活は可能です。アイドルオタクを続けるモチベーションを維持する上でオタク仲間は重要なファクターになります。人はひとりで生きているわけではありません。アイドルオタクも同様です。トラブルはあれど、やはり一緒に推しを応援するなかで周囲のオタクと良い関係を構築することはオタ活をより豊かにするものです。

話を戻します。「もしも」に備えるということは、セーフティネットを張ること、あるいは張り直すことです。通常の終活においては例として保険の見直し、税理士に相談して財産目録の作成などがあります。

アイドルオタクとしては、どうでしょうか?オタク同士で呑みながら「俺が死んだら、チェキはお焚き上げしてくれ」なんて会話になることがたまにあります。では実際問題そのためにどうしたらいいのでしょうか。

何かの原因で自分が急死してしまったと仮定します。その人の居住空間には様々なものが残されます。処分は大変なものです。最近では遺品整理業が活発ですが、裏を返せばそれだけ家族にとっ非常な負担になっているということです。

オタ活に限って言えば

推しと撮ったチェキの数々、物販やネットで購入したTシャツやトートバッグなどのグッズ、などなど。その価値を知らない・興味がない人にとっては無価値なもの(=ゴミ)として残されることになります。それはとても悲しいことではないでしょうか。特にアイドルオタクという趣味は、家族がいる人にとってなかなか共感を得られることが困難なものでもあります。

では自分が集めてきた思い出の品々をどうしたらいいのか?自分の死を推しメンや周囲のオタクにだれが伝えるのか?…このような懸念事項は自分では解決できず他の人の手を借りることになります。

自分の死去のみならず、今後加齢や事故で正当な判断能力を失う可能性もあります。それに備える方法はいくつかあります。

  • 死後事務委任契約(誰とでも契約可能、内容も自由)を信頼できる人と交わす

  • 遺言状に家族に対してやってほしいことを記載する

これらに関してはネットで詳細な情報が出ているのでここでは割愛しますが、親族以外の人が遺品を整理してもらうなどの行為を実行するには相当のハードルがあるので、オタ活に関しては信頼できる誰か(オタクやオタ活への理解者)との死後事務委任契約はオススメしたいところです。

契約云々まで大袈裟にせずとも、自分の身辺をできるものから整理し始めることも大事です。散らばったチェキをファイリングする、グッズを段ボールにまとめる…

そういった一手間も、自分がいなくなった後に残される周囲の人たちへの負担軽減に繋がります。これも大事な「終活」の一環に他なりません。

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