オタクの「終活」を応援します④ オタ活関連グッズの生前整理

前回はエンディングノートの書き方について解説しました。


今回は生前整理、身の回りの片付けについての記事です。終活関連では生前整理とよく呼ばれます。オタクの「終活」にからめて言えば、オタ活で集めたプラモデル、フィギュア、漫画、…ここではまとめて「オタ活関連グッズ」と呼称しますが、本記事では終活に関連付けたオタ活関連グッズの生前整理を行うにあたっての前提、その意義について考えたいと思います。

「整理」することの前提

常日頃から生活するうえで身の回りの片付けは必要です。終活関連において生前整理と呼ばれることが多いです。生前に整理できるものを整理する、ということです。これには自分が亡くなった後に遺された人たちの負担を減らすという意味合いがあります。自分が亡くなった後に遺される品々、特に家具などの処分には費用が掛かる場合もあり、とにかく少ないに越したことはないのです。独身で親族と離れて暮らしている人は、なおのことです。

オタ活関連グッズに目を向けてみましょう。これらは当事者以外には価値がわかりにくいものです。家族も同様にオタ活をしているならまだしも、そうではないケースの方が多いです。せっかく集めたグッズも価値のわからない人から見ればゴミにしか見えないものです。身も蓋もない言い方をすれば、ゴミは少ないに限るということです。自分が大事にしてきたものをゴミとして扱われたくなければエンディングノートに書く・生前から家族を説得するというコミュニケーションが求められます。

まず遺産と遺品は異なるものであるという認識を持つところから始まります。

〇遺産… 現金、有価証券、預貯金、車、不動産 =「資産価値があるもの ≒ 死後、相続対象になるもの」
〇遺品… 上記以外のもの(服、生活雑貨、本…)=「資産価値が比較的低いもの」

オタ活関連グッズは基本的に「遺品」に該当しますが、骨董品やプレミア価格がついているものなどは「遺産」として認められることがあります。わからない場合は弁護士など専門家に直接尋ねることが望ましいです。

次に遺品をいま元気なうちにどう整理していくか考えてみましょう。断捨離やこんまりメソッドなど多くの片付け方法が世に出回っていますが、そもそもオタ活関連グッズの片付けは通常の片付けとは異なります。なぜなら心情として「減らそうと思えば減らせるが、できればそうしたくはない」という性質のものだからです。

生前に集めた品々はそれぞれに思い出があるはずで、それを単純に「いるもの・いらないもの」という二元論で選り分けるのは実に忍びないことです。なのでオタ活関連グッズに限って生前整理のメソッドは以下のようになります。

① 現状認識「いまどのくらいスペースの余裕があり、どのくらいの広さのスペースを確保するべきか」

基本的に「減らす」という選択肢しかないのが一般的な片付けです。しかしオタ活関連グッズは「将来的に増える」という可能性が否定できません。なのでその点も加味してどこまで増やせるかのリミットを確定すれば「それに向けてこれくらいスペースを作ろう」と道筋が立てられます。

② カテゴリー分け I「いまこの瞬間興味がある・以前はもっと興味があった」

先程少し触れたように「いるもの・いらないもの」という選別方法はあまりにも極端で思い出を軽視する方法です。

そこで選別の一段階としてグッズを

A いまこの瞬間興味がある・
B 以前はもっと興味があった

というふたつのカテゴリー(便宜上AとBにします)に大きく分けてみることです。こうすると優先的に整理するべきものがカテゴリーBであることが見えてきます。

③ カテゴリー分け II 「絶対残しておく→処分する」
A・Bのカテゴリー分けをした後にBから処分すると仮定しましょう。

カテゴリーBに入ったものを細分化してみます。

B1 絶対残しておく
B2 できれば残しておきたい
B3 保留
B4 すぐに処分する

カテゴリーBの整理にめどがついたら、次はカテゴリーAを細分化して整理していく、という手筈を取ると自分が納得しながら作業をすることができるはずです。

④ 処分方法を決める 「譲渡・売却・廃棄」

手放すものが確定したら、それぞれの品をどう処分するか決めなくてはなりません。大きく分けて譲渡・売却・廃棄があります。他人に譲渡するものから優先的にピックアップするべきです。同好の士など譲り先があればそれに越したことはありません。

より細かい方法論は世間の収納術などを参考にして頂けたらと思いますが、大まかには上記のプロセスが効率的かつ自分が納得する形でのオタ活関連グッズを整理する方法になります。

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