チェスの起源はどこ?チェックメイトの言葉の意味を知ってる?
「チェス」は知名度の高い遊びです。そして、ルールを知らなくて遊んだことがない人でも、その存在は知っているというようなボードゲームです。そして、世界選手権が開かれるほどの人気があります。では、この遊びの起源はどこなのでしょうか?日本でのルールの用語がすべて英語なので、イギリス発祥と思いがちですが、実はそうではありません。
ヨーロッパの貴族をイメージしては間違い?!
スタイリッシュな白と黒の駒の雰囲気や、キングやクィーンやナイトといった登場人物からして、なんとなくヨーロッパの貴族をイメージしがちですが、イギリス発祥の遊びではありません。
では、どこなのでしょう?
Wikipediaで調べると、おおもとは古代インドのチャトランガという戦争ゲームと説明されています。そして、それが、東西に伝播し、西で広がったものがチェスとなり、東に広がったものが日本では将棋となったとのことです。
チェックメイトの本当の意味
チェスと将棋のルールは似ています。そして、いわゆる「詰み」にあたるのが、「チェックメイト」です。
チェックメイト:キングが次の手で絶対に逃げられないように追い詰めた状態
チェックメイトのスペルはCheckmateです。
で、簡単すぎる響きのワードが二つ重なっているからと言って、惑わされていはいけません。Checkは、いわゆる「チェック(確認)したよ!」という意味ではありません。
そして、mateも「クラスメイトやルームメイト」のメイトとは関係ありません。気軽に友達に「メイト!」と呼びかけているのではないのです。私は長らくこんな感じに勘違いしてました。
「チェックしたよ、メイト!」→間違い!!!
なぜなら、Checkmateはペルシャ語の音を借用した英語表現なので、もともと意味しているものは全然違います。
The term checkmate is an alteration of the Persian phrase "shāh māt" (شاه مات) which means "the King is helpless".(チェックメイトとはペルシャ語からの変化で「王は助からない」という意味。)
この時点でお気づきかと思いますが、そう、イギリスに伝播した時点でペルシャ語の影響が濃厚です。
では、スペインの場合はどうでしょう?
チェックメイトを「Jaque mate」(ハケ マテ)と表現します。
La expresión procede del árabe شاه مات (shâh mâta), que significa "el rey está atrapado" o "el rey no tiene escapatoria"(この表現はアラビア語に由来していて、「王は捕らわれた」または「王は逃げられない」という意味。)
スペインの場合は、イスラム文化の影響を南方から強くうけた経緯があるからか、ペルシャ語ではなくアラビア語が変化した形を取っています。
shāh māt (ペルシャ語)
shâh mâta (アラビア語)
いや、この二つ、おなじでないか?!文字表記は酷似しているので、発音が微妙に違うというだけのようです。
スペイン語の「ハケ マテ!」の響きは、空耳で「吐け、待て!」と響き、やや強烈です。初めて知った時は、軽く引きました。「Checkemate!」のスペイン語発音だとしても、英語発音から乖離しすぎなので、今回、チェスの起源やチェックメイトの言葉の由来に興味を持ったという経緯があります。意外と勝手な思い込みで、間違ってとらえていることってありますよね。
そんなわけで、ゲームの歴史は面白い!言語比較は楽しい!
以上、トリリンガル視点でのチェス、チェックメイトの考察でした。
Sacha
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