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幼なじみの家☆

幼なじみの友達と私は、

お互いに引っ越すまでは、同じ市営住宅の端と端に住んでいた。

住んでいるところは同じだけれど、

当然住む人が違えば、様子は随分違った。

うちは猫を飼っていて、幼なじみの家は犬を飼っていた。

私が乗っていたのは赤いくるま。

地面を両足で蹴って、進むくるま。

道路で乗ると「ゴォー!ゴォー!」とものすごい轟音を立てるくるま。

幼なじみのくるまも赤かった。けれどそれはカッコいいオープンカーで、

くるまの中でキコキコと足で押して進む、スマートなくるま。

あ、私のもオープンカーか(笑)。


初めて「モナ・リザ」の絵をみたのも幼なじみの家。

リビングの天井に近い位置に飾ってあったのは、

ひょっとしたら子どもが怖がらないようにとの

配慮だったのかもしれないけれど

やっぱり私がどこにいても見つめてきて、ちょっと落ち着かなかった。

「怖いと思っちゃいけないな」と思うがゆえ、余計に(笑)。

そして、「なんか小さいなぁ」と思っていたけれど、

20年後にパリのルーブル美術館で本物を見た時、

「あんまり変わらなかったな」と思った。


初めてラッセンの絵を見たのもそう。

正確にはパズル。

お母さんが好きだったのかな。お父さんかも。どちらでも良いけど。


玄関には横置きのカラーボックスに薄い本がずらっと並んでいた。

確か日本の昔話や世界の名作、ギリシャ神話などで、

全て同じ製本だったので、そういうシリーズがあったのかな。

小学生の中学年頃になると、いつも玄関に座り込んで読み耽っていた。

2階の部屋のベッドのヘッドボードにあった

「おちゃめなふたご」はずいぶん夢中になった。

家に遊びに行くたびにお互い、それぞれ好きな本を読んで過ごした。


影響を受けたのは「おちゃめなふたご」シリーズとそして

ラッセン・・・ではなくて、パズル!

誰のかは分からないけれど、うちにもパズルがあって、

いきなりその1000ピースに挑戦。

背景の暗い、なかなか渋いミッキーマウスの絵で、難易度は高めだったけれど、

一気にやるのではなくて、

コツコツ少しずつピースを埋めていくのが何とも楽しかった。

ちなみにディズニーランドには中学の修学旅行で1回行っただけ。

この話をすると友達は全員びっくりする(笑)。

さて、そのままパズルにはまり、自分でも買ってみる。

結構高いなと思って、最初は200ピースの猫の写真。

そしてパズルには必ず糊とハケがついていた。

出来上がったパズルに糊を塗り、飾るために。

よくあるスチール色のフレームは味気ないので、

木製のフレームを買ったのだけど、

子どもが買うにはこれまた高い。

そしてやっぱり200ピースでは物足りない。

次に買った3000ピースの絵はどこかの外国の風景画。

ヨーロッパらしい綺麗な建物が並んだ街、

街を歩く人々。空には気球。

床に直置きしてインテリアにもなったけれど、

もともと部屋はシンプルにしておきたい方なので、

この一つで十分だなと。

なのであっけなく、そこでやめてしまった。


置き場所に困るからか、今は流行らないのかな。

noteでパズルを検索しても、

「人生のパズル」的な記事しか出てこなかった(笑)。


だけれど、手で作業をするパズルでしか味わえない楽しさがある。

紙製だけれど、硬いピース。

はまった時の音と感触。


ペラペラの紙ではない、

よく見ると表面の角は丸みを帯びていて、

その硬いピース、一つ一つの厚みが醸し出すどこかあたたかな雰囲気。

どうしよう、

頭の中では「どんなパズルがいいかなぁ☆」と

考え出している(笑)。


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