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”火中の栗は自ら拾え”-戦略参謀の仕事【読書記録】

私には、仕事がでうまくいかない時に読む本が何冊かあります。
その中でも、出会ってから何度も読み返している本が一冊だけあります。

それが今回紹介したい、【戦略参謀の仕事(著:稲田 将人)】です。

本書は、日本コカ・コーラ株式会社、三城、ワールド、など様々な企業で経営改革を請け負ってきた著者が、「参謀」役に求められる能力や考え方を記したものです。

私がこの本を気に入っている理由は、よくある自己啓発本のように経営戦略に必要な知識やフレームワークを纏めたものではなく、
組織文化や人間関係など、企業の本質への対処法を記している点です。
そのため、時間を置いて読むことで、その時の立場や状況に応じて新しい気付きがあるところが何よりも素晴らしいと思います。
私自身、2年ほど前に難しい上司の下にいた頃にこの本に救われました。

今回は本書のなかでも、そもそも「参謀とは何か?」を整理します。

■参謀とは?

皆さんは「参謀」と聞いてどのようなイメージを持つでしょうか。
某人気ドラマの役員のように「頭取の仰ることは絶対だ!」と権力を盾に偉ぶる人や、某女将よろしく悪知恵を「耳打ち」する人でしょうか。

参謀とは、「会社の将来性を見据え、自ら考え、動き、社長業をカバーする人」のことです。

参謀役の存在意義は、企業や事業運営を最適化するために、経営判断も含めた社長業の精度を”今”求められるレベルにまで高めることです。
言うまでもなく、トップのイエスマン役ではありません。


■参謀の役割とは?

参謀の仕事には大きく3つあります。

 ①事業方針に関する現状分析と起案

トップの意思決定、判断の精度を上げるために、過去や現状を上手にみえる化し、因果を解き、取るべき方向性を明らかにすることです。

トップと同じ全社目線で課題を捉えるのはもちろん、事業現場の実態をリアルなイメージで、自分の言葉で伝えることが求められます。

 ②社内の神経系統づくり

市場や社内の情報が経営層まで適切に共有され、経営指示・報告系統が正しく機能し、更に各部署が自律的に判断して動ける状態を作ることです。

これにより適切に状況を把握し、意思決定の精度を高めます。
そして思考の流れをみえる化し、組織が健全に機能するようにします。

 ③課題の優先順位付けと課題プロジェクトへの対応

そして3つ目が

トップ視点で取組むべき課題を明らかにし、必要に応じ特命プロジェクトへ対応することです。

全社横断のプロジェクトや突発的なリスク対応は、時には企業経営を大きく左右することがあります。これらすべてにトップが対応できればよいでしょうが、正常な経営活動の傍ら、そこまでの余力があるでしょうか。
そのため、トップと同じ目線を持った者による対応が必要になります。

■参謀に求められる能力

これらの参謀の役割を果たすためには、基本的な計数能力や問題解決力などの能力はもちろんのこと、「五感を通して現場を知り、誰よりも早く、経営目線で問題解決の為の仮説を思いつくことが出来る能力」が必要です。

そのために何より最も大事なのは「信頼されること」です。
皆さんが悩みを相談する人とはどんな人でしょうか。
ほとんどの人が「信頼できる人」に相談するのではないかと思います。
信頼できない人には相談なんてしませんし、ましてや話しかけることもないかもしれません。

参謀は、上下双方向からの相談相手であり、ダンパー(緩衝)機能でもあるため、組織からの「信頼」が最も重要。

参謀は、嫌われ者や利己主義者には務まらない

まとめ

私自身、この本を読むまでは

「参謀役って、偉い人の後ろでコソコソやってる人でしょ?」

と思っていました。全く違いましたね。すごく恥ずかしいです。

参謀役とは、会社の為に、社長を支え、現場を知り、難しい課題にも果敢に取組む役割です。決して虎の威を借る狐になってはいけません。時にはリスクを承知で「火中の栗を自ら拾う」覚悟が必要です。


1枚まとめ

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