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文字数によって編集方法は変わる
この文章を読んでくださっている方のなかには、SNSやnoteなどで発信している方も多いでしょう。Kindle出版をしている、もしくはこれからする人もいるかもしれません。
Twitterであれば100字ちょっと、noteやブログであれば2,000〜3,000字(人によりますが)、Kindleであれば、1万〜数万字の文章を書くことになります。
わたしはいままでいろんな文字数の文章を編集してきましたが、文字数の単位が百、千、万と変わることによって、文章を整えるときの「気を配るべきポイント」も変わることに気づきました。
今回は「文字数によって編集方法がどう違ってくるのか?」についてまとめてみます。
① 数百字の場合:無駄を省いてぎゅっと凝縮
数百字の文章というと、コラムや短めの記事になるでしょうか。数百字って、書いてみるとわかりますが、案外難易度が高いです。
なぜかというと、きちんと論理展開して伝えるには文字数が足りないからです。ポイントを絞って、伝えたいことをぎゅっと凝縮させる必要がある。
その際に効果的なのが、ぜい肉言葉を削ること!
ぜい肉言葉とは?
【ぜい肉言葉を排除せよ】
— さぼってん | 編集者 (@sabotte4141) December 7, 2021
文章にハリがない、平坦でインパクトが足りない、メッセージが弱いときは「ぜい肉言葉」が潜んでいることが多いです。
・「この」「その」といった指示語
・「〜という」「など」の多用
・「〜と思います」の連続
減らすだけで印象がぐっと変わります。#かくたす編集部
その他にも、「なくてもいい接続詞」「〜もの、〜こと」など、ぜい肉言葉は各種存在します。
文字数を気にせずバーッと文章を起こしたら、重複している表現や文章を削除したうえで、ぜい肉言葉を削ってみてください。
ぜい肉言葉で減ったぶんの文字数で、伝えたいことを細やかに伝えることができれば、読む人にとって満足度の高い文章になるはずです。
もちろん、ぜい肉言葉とはいえ、すべてなくしたほうがいいわけではありません。健康な体には適度な脂肪が必要なのと同じです。
② 数千字の場合:論理展開を丁寧に
数千字の記事は、noteやブログ、Web記事が対象になるでしょうか。
数千字になると、きちんと論理展開する必要が出てきます。最終的なゴール(結論)にたどり着くまでの思考のプロセスを整理し、適切な順番で伝えていく必要がある。
論理が飛躍していたり、時系列が入り乱れていたりすると、途端に読みにくい文章になってしまいます。対策として、こんな方法はいかがでしょうか。
1. 書きたい内容を箇条書きにして、順番に並べる。
2. 話が変わるところで分けてグループを作り、それぞれにタイトル(見出し)をつける。
3. 文章に落とし込む。
最終チェックでは、最初から最後まで1本の川の流れのようにスーッと読め切れるかどうかを確認してください。
論理が飛躍しているところは「あ、川が途切れてる」、時系列が入り乱れているところは「あ、川がねじれてる」と感じるはずです。
③ 数万字の場合:テーマ設定
数万字となると、書籍やKindleになるでしょうか。数万字単位のコンテンツになると、考えなければいけないことが一気に多くなります。
まずは、テーマ設定です。これから書くにしても、すでに書いてある記事をまとめるにしても、テーマ設定は最初に取り組むべき最大の検討事項です。
「テーマってなんじゃらほい?」と思う方もいると思うので、もう少し具体的に表現すると、タイトルに入ってくる言葉です。Web記事でいうところのキーワードのようなもの。
書く前にタイトルが決まるのが理想ですが、キーワードだけでも設定しておく必要があります。
そうしないと、いざこれから書くにしても軸がぶれるし、すでにある記事をまとめるにしても指針が設定できないからです。
テーマとして選ぶキーワードですが、その言葉自体がありふれていて差別化しにくい場合は「言葉を新しく作ってしまう」ことも考えるといいでしょう。新しい言葉、定義を作ってしまうのです。
あまりに突飛な言葉だとパッとイメージが湧かなくて逆効果ですが、「聞き慣れた言葉の意外な組み合わせ」など、「はじめて聞いた人でもイメージしやすく、かつ新鮮な印象の言葉」なんていいかなと思います(が、これを見つけるのが超難易度高いのだ)。
④ 数万字の場合:具体と抽象のバランス
数万字の文章を整える際、もう1つ大事なのが「具体→抽象→具体……」と概念レベルに変化をつけて話を展開することです。
ここでいう「具体」とは「実際に体験したこと、エピソード」を指します。
「抽象」とは「それらの体験やエピソードによってこんなことを学んだ」とか「つまりそれってこういうこと」という総括にあたる文章です。
原稿の流れとして、「具体」と「抽象」のどちらかに偏っていたら、わたしは「このことがわかる具体的なエピソードを書いてください(具体が欠けている場合)」「この体験から学んだこと、総括する文章を加えてください(抽象が欠けている場合)」と原稿にコメントを書き添えています。
文字数が多いコンテンツは、具体と抽象を繰り返しながら話が進んでいくと、読む人に深く理解してもらいやすくなります。
全体としても、具体的な話と抽象的な話の分量のバランスが取れているといいですね。
結局は全部大事!
文字数が何文字であれ、①〜④まですべて大事な視点だよな、と書いてみて気づきました。長い文章も、短い文章の積み重ねですから。
ただ、最終的な文字数によって「もっとも気を配るべきポイント」が違ってくることは確かです。
ぜひ、文章を書く・整える際の参考にしてみてください。
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