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日本の教員は生きづらい

文部科学省が発表した最新の人事行政調査によると、公立の学校において、2022年度に精神疾患が理由で休職した教員数は6539人
これは、前年度から642人増加で過去最多。
その内訳は、小学校で3202人、中学校で1576人、高校で849人。
そのうち、今年の4月1日時点でも休職している教員は約4割の2663人。
復職したのは2606人。
休職した教員の約2割にあたる1270人が退職済み

教員になった人のほとんどは、教員になりたくてなった人でしょう。
「本当は他の職業に就きたかったけれど、やむを得ない理由があって教員になった」なんて人はごく僅かだと思います。
しかし、1年で約6000人の方が精神疾患を理由に休職されました。

1.この事実に批判的な意見をお持ちの方へ

この事実に対して批判的な意見も少なくありません。例えば、
現場を知らない人たちからは、「公務員だからって甘えるな」「最近の教員は心が弱過ぎる」というような心無い意見。
定年退職をした元教員の中にも、「昔と比べて今は業務量が減っているのに、何を言っているんだ?」という辛辣な意見。
現役教員の中にも、「この仕事の何がそんなにキツいのか分からない」という冷たい意見。

もちろん、そのような考えも理解できます。
しかし、この約6000人の教員(退職済みを含む)に批判的な目を向けている人たちにも改めて考えてほしいことがあります。
それは、この方達は、好き好んで心を病んでしまった訳ではないということです。
共感まではできなくても、一人の大人として理解していただけると幸いです。

2.休職された6539人の方へ

①今年の4月1日時点でも休職している2663人へ

年末時点でどれほどの方が回復されたか分かりませんが、その後お身体はいかがでしょうか?
くれぐれも無理なさらず、療養に専念してくださいね。
あなたの命と健康ほど、あなたにとって大事なものはありませんから。
大丈夫。教員としてのあなたの代わりはいます。現場はなんとかなります。
自分の健康を第一に考えて生活することを許してあげてくださいね。

②復職したのは2606人へ

まず復職されたことだけでもすごいことですが、無理してませんか?
余計なお節介かもしれませんが、私はこの2606人の方が非常に心配です。
なぜなら、私も経験者ですが、もう一度無理をして心が病んでしまったら、再度立ち直る自信がないからです。
身体の不調が特に無くても、心のメンテナンスとして定期的に心療内科に通うことをオススメします。
あなたはきっと責任感が強い方だと思いますが、現場はあなたがいなくてもなんとかなります。
なぜなら、教員というあなたの代わりはいるからです。
しかし、あなたの人生においては、あなたの代わりはいません。
どうか無理をなさらず。

③既に退職された1270人の方へ

まず、教諭としての勤務お疲れ様でした。
この中には、非常勤になった方、私立の学校で教員になった方、教育業界で転職をされた方、全く異なる業界に転職された方、起業された方など、様々な方がいらっしゃると思いますが、いずれにせよ、新たな人生をスタートさせるのは相当な勇気が必要だったと思います。
実際に私も年度末で退職すると決めて転職活動を始めた時はドキドキしました。
新天地での新しい人生を楽しんでください。
でも、無理はなさらず、健康第一でいきましょう。

<3>今、生きづらさを抱えている教員の方へ

精神疾患を理由に休職した教員の数が過去最多を更新したことを受け、文部科学省は、「業務の多忙化」「生徒指導や保護者対応の困難化」などを原因として挙げています。
また、その改善に向けて、小学校高学年での教科担任制実施の前倒ししたり、教員の代わりにプリントの印刷や電話対応などを担当する「教員業務支援員」をすべての公立の小中学校に配置したりする予定だそうです。

…違いますよね。ズレてますよね。

現場の情報については、数年前の「#教師のバトン」で痛いほど理解できたはずなのに、政府は、何一つ本質的な課題解決策を提示しません。
ここまでくると「しない」のではなく、「できない」のではないかと考えてしまうレベルです。

政府よりも地方自治体の方が、教員の働き方や職場環境などを考えて動いてくれたりしますが、正直、どれも小手先なものばかり。
現場で生きずらさを抱えている教員にとっては、「今本当に必要なことはそれじゃないでしょ!」と声を荒げざるを得ないものばかり。
かと言って、一校長レベルでできることも限られています。

つまり、現時点では、政府や地方自治体には何も期待できません。

だから、現状に不満があるなら個人レベルで行動を起こすしかありません。
都合よく誰かが問題を本質的に解決してくれることはありません。
考えるだけで何も行動しなければ、意味がありません。
かと言って、衝動的に動いても、それはただの時間とエネルギーの無駄遣いです。
すみません、言い過ぎました。

かく言う私も教員になって8年間、ずっと生きづらさを抱えて生きてきました。
なりたくてなったはずが、理想と現実のギャップの差に落胆。
毎週金曜日が待ち遠しく、日曜日の夜が憂鬱。
周りの同僚との仕事に対する意識や価値観の差に困惑。
理解不能な生徒指導や保護者対応に疲労困憊。
そして、挙げ句の果てには適応障害と診断され、病気休暇を取りました。
でも、そのおかげで自分の今後のキャリアを本気で考え、転職を決意し、第一希望先の企業から内定を勝ち取りました。

生きづらさを抱えている教員の方々へ。
その生きづらさを抱えながら教員人生を続けること、
その生きづらさを解決して教員人生を続けること、
その生きづらさを手放して教員人生の幕を閉じること、
どの人生もアリだと思います。
それに、どの選択が良いか悪いかはありません。
自分で選んだ選択を正解にすればいいんです。

ただ、生きづらさを抱えたまま教員人生を続けることは容易ではありません。
きっといつかは限界が来ます。
何事においても、自己犠牲の上で成り立つものは長くは続きませんから。

だから、もっと楽に生きていいんです。
その生きづらさを手放してもいいんです。
もう自分の心を殺して働かなくていいんです。

大丈夫。
もしまた教員として働きたいと思ったら、いつでもできるから。

目の前の子どもも大事。
でも、あなた自身はそれよりも大事。

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