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温暖化で飛行機が離陸できなくなる理由(渋谷教育学園幕張中・物理)

暑い( ゚言 ゚)フーフー

去年の異常気象ほどではないにせよ、体がうだるほどの暑さで日々ぐったりしております。
コミケも人生で1回は行ってみたいのですが、炎天下の人混みを思うと参戦の気持ちが尻込みしてしまう…(›´ω`‹ )

というわけで、冷房の効いた部屋でごろ寝しながら作業しているのですが、パソコンやswitchも熱がこもって、ウーウーと悲鳴をあげています。

でも、世界では温暖化と伴って、もっとデカいものが動かないトラブルに見舞われているみたい。。

図6は飛行機が飛ぶしくみを示しています。翼の上下における風(空気)の流れが異なるために、圧力差が生じ飛行機を浮かせる力である揚力(ようりょく)が発生しています。近年、日中に高温となるアメリカ合衆国のアリゾナ州や西アジア(中央)、標高の高いラテンアメリカの空港などで、飛行機の離陸や飛行に必要な揚力が十分に得られないために、欠航や大幅遅延、離陸時間の夕方・夜への移行などが起きています。
この問題は今後、日本の空港でも起きるのではないかと懸念されています。
このように飛行機が十分な揚力を得られないケースが起きている理由を答えなさい。(2018年度 渋谷教育学園幕張大問3-4)

最近は炭素繊維で機体の軽量化が図られているようですが、それでも貨物や旅客を含めると、飛行機の重量は300トンを超す場合もあるんだと。
そんなデカブツが宙に浮くのは、揚力という上方向への力が機体に働くためです。ちゃんと物理の法則に叶っているんですね(*'ω'*)

しかし、問題文のように、『近年、日中に高温となるアメリカ合衆国のアリゾナ州や西アジア(中央)、標高の高いラテンアメリカの空港など』では十分な揚力が得られず、飛行機が飛べない事態が起きているようです。
それはなぜか?

図6をみると、翼の下部より上部の方が圧力が低くなっています。物体は圧力の低い方に引っ張られるので、これが揚力の元となるのですが、『十分な揚力が得られない』ということは、圧力差が小さいことを示します。

これを『日中の高温』と『標高の高さ』に結び付けます。
2つに共通する点は空気の膨張

気温が高くなると空気は風船のように膨らみます。
温度の上昇で空気の粒子が激しく運動し、膨張して軽くなるのです。

一方、標高の高い場所は気圧が低いので、外側から空気を押す力が弱まるため、相対的に空気の内側から外に向かう力が強くなり、空気が膨張します。

空気が膨張すると、空気は薄くなります。
これは一定の空間を占める空気の数が減るためです。
満員電車の1車両に300人乗っていたとして、全員が急にメタボになったら250人しか乗れなくなるのと同じ。

翼に接する空気の流れから圧力差が生まれるので、一定空間あたりの空気の数が減ってしまうと、多量の空気を翼に当てなければ圧力差を生み出すことができず、揚力が乏しくなります。
概括的ですが、【高温or標高の高さ→飛行機が飛べない】が導けました。

ちなみに、空気の速さですが、翼の上部が速くて下部が遅いのは、算数で習った『時間=距離÷速さ』が関係しています。
圧倒的な速度で動いているのは空気ではなく、飛行機(翼)です。ただ、わかりやすいように便宜上、飛行機を固定して空気が動くものとします。

空気のあるところに翼が横切ると、翼の前方にあった空気が翼によって上下に分けられ、後方で合流します。
分断~合流はほぼ同時刻なので、上ルートと下ルートの時間は同じとみなします。ルートの距離は膨らみのある上ルートの方が長いです。
そして、同じ時間で距離が長くなれば速さは速くなります。時間が一定であれば、距離と速さは比例関係だからです。
翼上部の空気の流れは、下部の空気よりも流れが速くなります。

では、なぜ空気の流れが速いと圧力が低くなるのか?
これは主に大学で習う流体力学、ベルヌーイの定理によります。
大雑把にいうと、流体の圧力と運動エネルギーの和が一定となる保存則で、運動エネ(速さ)が大きいと、相対的に圧力が小さくなります。が、小難しいので(サボもわからないので)割愛します(´ω`)ウフフ

今回は最初から最後まで堅苦しい理系の話に終始してしまった(*'ω'*)w
ちなみに、タイトルでは物理と書きましたが、実際の試験では社会科で出題されています。

一番最後です。
横断科目式というのもありますけど、ここまで理科モロ出し過ぎだと呆気にとられますわ((´∀`))

地球温暖化でこういった事態が起こりえるというのは、頭の片隅に置いておきましょう。

それではまた('ω')ノ

新しい書籍を購入して、皆様に還元していきたいと思います。 頑張ります。