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【検証】親子げんかは、ヨガ哲学で回避できるのか?

 ヨガインストラクターの資格を取得するため、オンラインで勉強し、ヨガのポーズ、呼吸法、瞑想など、ヨガを教える上でいろんなことを学びました。この記事では、学んだヨガ哲学で、日常での『イライラ』を解消できるか検証したいと思います。少しでも、無駄なけんかをしなくてすむように…。

ヨガはポーズの練習だけではないものがある。

 ヨガの最大の目的は、心の乱れをしずめて穏やかにすること。体を動かしポーズをとることでその恩恵は得られますが、古来のヨガ哲学には、心の動揺を抑え、心を落ち着かせる知恵があります。その中で、物事を客観的に捉える方法、『パンチャ・コーシャ』ついて書いてみようと思います。

パンチャコーシャ(人間五蔵説)とは?

 古来の経典『タイッティリヤ・ウパニシャッド』に記されており、パンチャは、サンスクリット語で『5』、コーシャは『鞘・蔵』を意味し、人間の存在は、5つの鞘(蔵)で成り立っていると言われています。
 この五つの鞘を整えておくことで、物事を違う角度で捉えることができます。挫折したこと、困難に立ち止まったことを振り返り、自分の感情と起こった状況を切り離して捉え、心の在り方を変えることできる知恵。
 5つの鞘を説明しても理解しずらいと思いますので、体から心の内側に起こる『反応』に置き換えてみるとこのようになります。

・第1反応: 肉体にあらわれる。(顔の表情、体のこわばり、心臓、脈)
・第2反応: 呼吸が変化する。
・第3反応: 感情、思考が生まれる。(心の直感)
・第4反応: 理性、知恵が働く。(いわゆる、天使の声です)
・第5反応: 悟り。歓喜を感じる。(うまくいった時だけ反応)
※第1と第2、第3と第4はほぼ同時に起こってます。

 *注釈*
 本来は、食物鞘、生気鞘、意思鞘、理知鞘、歓喜鞘の5つの鞘で構成されており、ヨガはそれぞれの鞘に利かせる役割をもっています。上記のものは、私が咀嚼してお伝えしています。そのため、本来の意味から若干離れているところがあることをご承知おきください。

パンチャコーシャはどう機能するのか。親子げんかで検証。

 では、この5つの反応がどう動くのか、わかりやすくお伝えするために、我が家で起こった親子げんかを例にして、心と体の反応がうまく機能している状態と、心が乱れた取集がつかない状態で検証します。

<けんかの発端>
 新聞の購読をやめるのをきっかけに、母親にiPadを購入しました。しかし、母は忘れっぽいので、操作方法について同じことを何度も聞いてきます。私が家にいるとすぐ相談しに来ます。

 ある日、友達との待ち合わせ時間を勘違いし、慌てて外に出る支度をしていました。あと10分しかない……。でも、頑張れば間に合う。そんな時、母親が『これどうしたらいいの?』と、iPadをもって聞きに来ました。safariのウィンドウがたくさん開いて閉じられないとのこと。

 よくある、お母さんの『予想外の行動』です。

・自分のパンチャコーシャが、うまく機能していたら…。
 まず、『まただ。こんな時に。』と感じますが、理性が働き『それは、急ぐこと?』、『待ち合わせは遅れても大丈夫かな?』といった、直感を阻止する考えが生まれます。
 そして、心の動揺に影響して、一呼吸をして自分を落ち着かせます。更に、理性が強くなり、『友達に待っててもらう』もしくは、『今しなくても困らないから、母親にまってもらう』などと考えるようになり、早めに友達に連絡する、もしくは、母親に『帰ってからするので、待っててほしい。』と言う。といった行動につながります。

・自分のパンチャコーシャが、うまく機能していなかったら…。
 同じように、『まただ。こんな時に。』と感情が生まれますが、理知は働かず、心の暴走が止まりません。『急げば間に合うから、とっとと済ませよう』と、自分の直感のまま動いてしまいます。
 案の定、母親への説明が雑になり、母が間違った操作をしてしまいます。自分は母親がした操作にいら立ち、『聞いてるの? 違うところ押してるじゃん。』と言ってしまいます。母は、『なんで、そんなに怒るの』と怒り始めてしまい、私は『なんでこんな簡単なこと覚えられないの? 何回も教えてるのにメモしないからでしょ!』と親子げんかに発展してしまいます。
 もちろん、けんかはすぐ収まらないので、友達の待ち合わせに遅れ、嫌な気分のまま外出することになります。

大事なのは心の余裕。いかに理知を働かせて心を穏やかにするか。

 親子げんかを起こしてしまった私は、時間に間に合うことに集中しすぎてしまい、回りのことが見えなくなってしまっている状態に陥っていました。余裕のない自分に降りかかった、予想外の母親の行動に、心が揺れ動き、それにつられて自分の判断を失ったのが原因です。

 緊張したり、嫌なことが起こったら、『深呼吸しましょう』とか、『その場を離れましょう』など、そんなアドバイスを聞いたことがあると思います。これをパンシャコーシャに当てはめれば、心の感情を静めるために、呼吸を整えてから、冷静に対処しましょうと言っていることになります。

 今回はわかりやすく、日常生活に当てはめて説明いたしましたが、他にも、過去に起こった出来事やつらかったことを振り返り、自分の感情(小さな視点)がどう感じ、大きな視点、理性ではどう見解したかを分析することもできます。
 そして、この反応の崩れを整えたり、無駄に心を乱れなくするのがヨガの役目です。瞑想したり、呼吸法で深い呼吸をし、ヨガのポーズで自分の内側に集中します。

 ぜひ、あなたの生活の中で、このパンシャコーシャを意識して、普段の生活の中で気づきがないか考えてもらえると嬉しいです。

 蛇足ですが、お解りのとおり、母親はiPadの操作を覚えたくないのがホンネです。だから、自分で解決しようと努力はしません。手っ取り早く聞いて解消してもらおう!です。
 

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