【大学生】大学院を目指す方へ
はじめまして,Tomosanと申します。ブログ「サボレポ」も運営しているのでぜひのぞいてください!
現在,東京理科大学に在学中の4年生です。来年の4月入学,東京工業大学・大学院への内定をいただきました。本記事で,大学院を目指す方に向けてのアドバイスを勝手ながら記していますので,参考にしてみてください。
この記事を読んでいる多くの方は,大学受験を経験した方が多いと思いますが,大学受験では,各大学の情報を学校や予備校などが提供してくれました。自分の志望校についての情報(偏差値,受験科目,倍率,その他有益な情報)や受験するにあたってのアドバイスを担任に相談すると,親身になって対応してくれました。
また,メンタル的なところでは,勉強でつらくなっても「みんなががんばっているから,自分も頑張ろう」とまわりの人と一緒にがんばれたりしたものです。
しかし,大学院受験となれば話は変わってきます。
大学院受験では特定の機関が受験生に情報を提供してくれる機会は激減します。何から手をつければいいのか,今抱えている悩みを吐き出す相手も少ない。
とにかく情報がない。。わたしも情報を取りに行くのに必死でした。まわりに院進する人が少なくて,相談相手も少ない,情報が足りない。。
そんな中,わたしはある行動をとり,見事に東工大大学院の内定をいただきました。
外部院進したいけど,少しでも情報が欲しい。。
大学院受験を考えている方にこういった悩みの方は多いと思います。この記事では,そんな悩みを少しでも解決していけたらと思います。ちなみに本記事は,外部院試(院進)についての内容であり,内部院試(院進)の内容ではないため注意してください。
内部院進と外部院進の違い
表に特徴をまとめてみました。内部と外部で一概にまとめることは難しいですが,簡単に書くとこんな感じです。面接は内部と外部のどちらでも行われます。筆記試験は,学校によって異なり,例えば,東工大の場合は,A日程では面接のみ,B日程では面接と筆記試験の両方となっています。
難易度に関しては,内部院試の方が比較的受かりやすく,外部院試は不合格になってしまうケースが出てきます。内部院試は,よっぽどのことをしない限りは,面接で落とされたりすることはないと考えてよいでしょう。しかし,外部院試については,合格ラインがシビアに設定されているケースもあるので,しっかり勉強しておく必要があります。
外部院試に向けてやるべきこと
どこの大学院を受けるかを決める
外部院進したいけど,どこの大学を受験するか決めていないという方も多いと思います。実際私も,「お金のかかる私立から比較的お金のかからない国立にいけたらいいな」としか考えていませんでした。しかし,漠然と目標を決めないままだと,だらだらと時間が過ぎてしまう上,受験科目が絞れず,勉強効率が落ちます。そのためにも,早めに自分がどこの大学院に進学したいのかを明確にしましょう。複数候補を上げてもいいと思います。受験日が被らない限り,国立・私立関わらず,複数の大学院を受験できます。大学院を決める際に,必要な項目を挙げてみました。
大学名(ブランド)
国公立か私立か
受験科目
キャンパスの場所
研究内容
順に説明していきます。
大学名(ブランド)
大学のブランドにこだわることは大事です。大学のブランドは,就職の際にもろに影響してきます。あなたは面接官で,二人の就活生のうち一人が東大出身で,もう一人が知名度の低い大学出身だとしたら,少なくとも,「東大生がきた。」と感じるはずです。見る目が変わります。
それだけ,大学名は時代が変わった今でもインパクトがあります。ですから,もし2つの大学院で悩んでいるのなら,よりブランドが高い方を選択するか,併願して2つとも受けるかがいいでしょう。
国公立か私立か
国公立か私立かは,金銭的な面で大きく変わってきます。一部の大学院の学費を比較してみましょう。以下は,修士課程(博士前期課程)の2年間で計算しています(2022年度)。
以下の表とは別途,費用が徴収される場合があり,私立においてはそれが顕著です。また,私立に関しては,学部によっても学費が変わるので各自で確認してくださいね。
この表を見て,当然思うことは,「金額が違いすぎる!!」ということです。その差は,約60万~130万円。旧帝国大と私立大の間には,およそ2倍の差があります。ですから,国公立か私立かを指標の一つにするのもありだと思います。ちなみに私の中では,大学院を選ぶ際の優先順位として,学費という側面は非常に大きかったです。
受験科目
これもばかになりません。受験する大学によって,また学部・学科によって,受験科目が変わってくるのも院試の特徴です。自分の受けたい大学に得意分野の科目があれば,ラッキーですし,無ければ,少々無理をして受験するのか,あきらめて他の学校・学部・学科にするのか,しっかりと考えましょう。
理系大学生が苦しむのが,英語(TOEIC)かなと思います。わたしも,TOEICに苦しみました。学部時代に,理系の勉強ばっかりで,英語が疎かになっていました。大学院受験での英語科目は,実際に対面式で独自の英語の試験を課すところもありますが,ほとんどの大学では,TOEICやTOFELなどの外部試験のスコアシートを提出することで英語試験として代替します。
このスコアシートは,願書提出日に同時に提出することが多いため,願書提出日が近づいてきてから,TOEICの勉強するのでは間に合わなくなります。(TOEICの場合は,受験してからスコアが判明するのに2週間ほど。紙ベースのスコアシートが届くのに1カ月ほどかかります。)
実際に私は,TOEIC点数:740点で願書を提出しました。この点数は,願書提出の6カ月前には取っていました。実際,東工大では700点を取っていたら安心と聞いていたというのと,理科大ではTOEIC:730点で単位が認められるという点で,「730点以上が取れれば,TOEICの勉強は終わろう」と考えていました。
TOEICの勉強を始めたのは,3年の春からでした。大学入学時(500点)→3年6月(650点)→3年11月(740点)という流れでした。(ちなみに,1~3年の間に学校でTOEIC-IPを何度か受けましたが,点数は横ばいでした。)11月時点で,ある程度の点数を取り,そこから専門科目(理系科目)の勉強に時間をかけることができました。
自分の受験する大学の受験科目にTOEICなどの外部試験がある場合は,早めに取り掛かることで,精神的にもゆとりをもって勉強に取り組めると思います。
キャンパスの場所
学部によって,キャンパスが様々なところにあります。例えば,東工大の場合は,大岡山キャンパス(東京・目黒区),すずかけ台キャンパス(横浜区緑区),田町キャンパス(東京・港区)の3つがあります。この中で,大岡山は比較的都会にあり,すずかけ台は田舎にあるという構図があります。都会に住みたいという方は,大岡山の方を選び,田舎がいいという方は,すずかけ台を選ぶという印象があります。
実際に,私の友人は田舎は絶対嫌だという理由で,大岡山を選んでいました。ちなみにわたしは,田舎出身ということもあり,特にこだわりもなかったので,すずかけ台にしました。また,実家に近いキャンパスにするか,引っ越して一人暮らしをするかなども考えるといいと思います。
研究内容
これは言うまでもなく重要な指標です。自分の研究したい内容でなければ,モチベーションも湧かないため,興味のある研究を行っている大学・研究室を選択する必要があります。学部時代の研究内容と類似した研究を行っている研究室を候補にするのが一番妥当ですが,全く違う分野に進む方もいます。面接の際に不利になるということは考えにくいのでその点では,心配する必要はないと思います。
希望する研究室がどんな研究をしているのかを確認するには,大学のHP,研究室のHP,あとは研究室訪問があります。大学・研究室のHPで,ある程度のおおまかな研究内容を把握することができます。
しかし,研究室の雰囲気などは実際に足を運んでみないとわからない部分もあります。実際に私は,研究室の雰囲気を第一に優先したかったため,3回ほど研究室に足を運び,雰囲気を体感しました。研究室訪問については,次に詳しく説明します。
研究室訪問
受験したい大学院が決まったら(決定するためにも),研究室を訪問しましょう。気になる研究室があったら,とにかく行ってみる。これが鉄則です。実際に訪問すると,教授の性格,研究室のメンバー,研究設備の充実度,コアタイム(この時間からこの時間までは原則研究室に来ないといけないよという時間)などを知ることができます。HPを見た時の印象とは大きく離れていることも珍しくありません。
実際に私が訪問して一番驚いたのは,研究設備で,理科大研究室の5個分が東工大研究室の1個分くらいの規模感でした。ますますやる気が出たことを覚えています。
研究室訪問のやり方は,まず,希望する大学の研究室の教授にメールでアポイントを取ります。教授のメールは,研究室のHPに必ず記載してあるので確認しましょう。タイトルと研究室を訪問したい旨と訪問日時を簡潔に記し,送信しましょう。詳しい書き方は,ググればたくさん出てくると思います。
また,東工大のように,学校側から定期的に研究室訪問の時間を設けてくれる場合もあります。そのときは,今年もコロナ禍だったため,対面とオンラインを交互に行うようなスタンスでした。オンラインでの研究室訪問では,雰囲気を確かめにくいため,対面での参加がおすすめです。研究室訪問をした際に,聞くべきこと・やるべきことリストを下に記しておきますのでぜひ参考にしてください。
詳しい研究内容
コアタイム有無
ゼミや進捗報告の頻度,時間
学会発表について
就職について
先生・教授の性格・人柄
研究室の雰囲気
B4の数
TOEICは何点必要か
研究設備を見せてもらう
院試の過去問をもらう
院試でおすすめの受験科目
院試で使うおすすめの参考書
その大学内の他の研究室の状況
研究室訪問については,別記事で詳しく解説します。
倍率を確認する
大学院の倍率は,もちろん大学によっても異なりますが,「全体平均は1.9倍、国公立平均2.1倍、私立平均1.8倍で、国公立のほうがやや入学難度が高い」と言われています。しかし,倍率が高いから受験する学校を変更するなどという過剰な反応はする必要がないと思います。倍率をみて,ふーんこれくらいなんだと知ることが大事です。倍率は,大学のHPに記載されているので,確認してみましょう。
受験科目を確認する
先述しましたが,受験するにあたって受験科目を決定することは重要です。受験する学校が決まっても,受ける学部学科によっても受験する科目が変わってきます。このとき,大学が公開している募集要項を確認しましょう。去年のものでもOKです。例えば東工大の場合,私が受験した物質理工学院の材料系では,以下の表のように,第Ⅰブロックから2科目,第Ⅱブロックから2科目を選択し,合計4科目に解答する形になります。
この表の中から,実際に試験で受験する科目を選択するわけです。選ぶ際のポイントは,①得意科目であること,②難易度が比較的低い,③対策しやすい,が挙げられます。
①得意科目であることは言うまでもないことですが,モチベーションを高く維持し続けるためには,得意科目で勝負することが重要です。また,得意科目で勝負すれば,その科目を勉強する時間も短くて済みます。
②難易度が低い。もちろん,受験科目ごとに難易度が異なるということは考えにくいのですが,人間が作成するという点,また,毎年毎年特定の科目を作成している人が固定されている可能性が高いという点から,比較的解きやすい科目も存在するのが事実です。実際に,東工大の場合は,数学と熱力学が比較的難易度が低いように感じます。
③対策しやすいに関しては,2つのポイントがあります。ひとつは,範囲が狭いこと。もうひとつは過去問の答えがあるかどうかです。範囲が狭いと,やるべきポイントを絞って勉強できますし,過去問の答えがある教科だと答え合わせもはかどります。東工大の場合は例えば,有機高分子物性や物理化学などは範囲が広いのに比べて,熱力学や電磁気などは範囲狭いので対策しやすいと思います。過去問の答えに関しては,研究室訪問の際に必ずゲットしましょう。
受験日・願書締切日を把握する
志望する大学院の受験日と願書の締切日をきちんと把握することが大切です。その日から逆算して,何教科の勉強をしなければいけないから,何日かけて,,,という目標を立てることができます。くれぐれも試験ギリギリになって始めるということは避けましょう。特に,TOEICについては早めに目標点数を取ってしまうことおすすめします。
同じ学校を受ける人(同じ志望校の人)を探す
志望する大学院が決まれば,同じ志望校の人を友人や知り合いから探しましょう。冒頭にも言った通り,外部の大学院を受験する母数自体が非常に少ないため,同志と情報を共有する必要があります。友人にいなければ,友人の友人などとにかく一人でも多く見つけてラインでも交換しましょう。
グループラインで院試の情報を共有する
同志を見つけ,無事にライン交換まで踏みつけたら次は,同志でグループを作り,そこで情報交換を行いましょう。情報交換の内容は本当に小さなことでもいいのでこまめにおこなうと,お互いの士気が高まり,モチベーションを保てるようになります。実際に,私も友人と情報共有をしている中で,自分の知らない知識をゲットできたり,逆に友人に情報を提供したりと,winwinでした。(私の場合は4人の同志が集まりました。)
グループラインで院試の過去問の解答を共有する
また,グループラインのアルバム機能を使って,院試の過去問を自分で解いて,それを共有していました。そして,お互いの解答を見て,間違いへの指摘や疑問点などがあったら,ノート機能でコメントしていました。
絶対に一人でやらないこと
上記で,必ず同志を探そうという話をしました。そんなのめんどうくさくて,一人でやった方が速いよと感じる方も多いと思います。しかし,一人でやることのデメリットは,自分の状況を客観視できないことにあります。どういうことかというと,自分一人だけで勉強を進めてしまうと,自分がどの立ち位置(レベル)にいるか客観視できなくなるということです。
自分では,7割くらいは解答できるぜ!と思っていたら,実はまわりの受験生は,9割は堅いでしょ。と感じているという状況はしばしばあります。また,情報も入ってきにくく,新しい情報に疎い状態に陥る可能性もあります。実際にわたしは,同志4人で常に意見交換を行っていたおかげで,常に最新情報を手に入れ,自分のレベルも客観視できる状態にありました。自分の知らない情報も勝手に入ってくるため,自然とレベルが上がります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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