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【#日々肥える/秀徳本店(築地)】拝啓、回らないお寿司様

「回らないお寿司」


パパ活と富の象徴。
(寿司に連れて行けば喜ぶだろう、と考えているパパさん、
他のパパさんも同じことを考えているぞ!−50点)


私は最近まで『回らないお寿司』を食べたことが無かった。


「お腹一杯になるまで食べる事こそ幸せ!」と考えるポチャ男にとって
「回らないお寿司」という発想は無く、「寿司=回転寿司」なのだ。
(財力の問題もあるよ)

近年、各回転寿司チェーンの企業努力もあり、
安価で美味しいお寿司が、いつでも手軽に食べられるようになった。

『スシロー』『くら寿司』ありがとう。

(かっぱ寿司?君はダメだ。)

でも『根室花まる』を知ってしまった私は
君たちには戻れない。

子供を持った時には戻ってくるから、
その日まで待ってておくれ。


そんな「腹一杯まで食ってこそ寿司」な私が、
人生で初めて「回らないお寿司」と対峙した時のこと。

今日のお店「秀徳本店」

▼食べログ▼


出版社を退職した私は転職し、新天地でマーケターとして歩みはじめた。

同時期に中途採用された同期は20名前後おり、
中には同じようにマスコミ畑でブイブイ言わせていた仲間がいた。

そのメンバーで“美食会"を結成したことから、
「回らない寿司」への道が拓けたのだ。
(“美食会"と聞いて「トリコかよ」と突っ込めたあなたと友達になりたい。)


“美食会"と大それたネーミングだが、
「まぁたまには美味しい物でも食べようぜ」と言った具合の会合だ。

既婚者も多く、お小遣い制のメンバーばかりであり(無論私も)
集まるのは賞与が支給された月のみ、と言う厳格なルールが存在する。

その“美食会"で私が「回らない寿司を食べた事がない」と
カミングアウトした事で、連れて行ってくれることになった。

本日のお店『秀徳本店』は美食会のメンバーの一人、
ソムリエ資格を持つA推薦のお店だ。

早くワインについても教えて欲しい。


この秀徳本店、正直分かり辛い場所にある。

しかも、別店舗である「秀徳」が周囲に2、3店舗あり
最早見つけて欲しくないのでは?と何度か思ったほど。

とは言えGoogleさんのお力を借り無事到着。

こじんまりとしたカウンターだけの店内だが、
大将のフレンドリーなトークも相まって、
緊張する事の無い寛ぎ空間、実家のような安心感。

「高級ですよ!」と言う空気を放ってくるお店も使い様なのだが、
気心しれた仲間内での贅沢は、アットホームな場所がいい。

1品目“お造り"

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もう美味しい(語彙力)

溜まり醤油に軽く漬けられたお刺身達。
魚の甘さ、醤油の風味をベストなバランスで味わう。

因みに店内には後にも先にも醤油さし等が置いておらず、
大将の味付けのみでいただく。

2品目“炙り帆立とウニの磯巻き"

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言葉はいらないね?(インスタでやれ)

時代は塩よ、塩。

それっぽい人が塩をべた褒めする理由も分かった気がした。


3品目“季節の天ぷら盛り合わせ"

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とうもろこしの天ぷら、あなたは天才。

これも塩。塩よ塩。


本日の主役“回らないお寿司達"

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(この角度で撮るの新幹線ぐらいじゃない?)

めっちゃ美味い(語彙力)

こちらのお店ではシャリに「赤酢」を使用している。
「高い寿司=赤酢」みたいなとこあるよね。

そして塩、寿司にも塩。

恥ずかしながら「あれ、醤油は?」なんて口から溢れ出ていた。


大将「塩が一番寿司を美味しくしてくれる。大丈夫、美味しいよ^^」


...菩薩。

一口食べたら分かる。
醤油は寿司を食べる上で選択肢の一つに過ぎなかった、と。

塩だけではないのかもしれない。
今までの常識を覆すだけに足る寿司がそこにはあった。

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塩....ではなく醤油。

「塩×寿司」絶賛した上での醤油。

寿司には無限の可能性がある。

因みに所々見切れているワイングラスには日本酒が注がれている。

「日本酒はワイングラスで飲むのが美味しいよ^^」


先人の知恵に乾杯🥂
(因みに飲み過ぎてこの後記憶が曖昧。恐るべし日本酒)

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寿司を撮るスキルなさ過ぎ男


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締めは「いくらの手巻き寿司」で乾杯🥂

全ての料理を平らげ、日本酒も飲み干し、よく笑い、
熱いお茶で一息付く私達。


「美味しかった?^^」と大将。


このお店の大将を一言で言い表すとしたら
「チャーミングな好好爺」。

何組ものお客さんを同時に相手しながら、
合間合間にそれぞれとコミュニケーションを取り、
そこかしこに笑顔を咲かしている。


アルコールも入ったぼんやり頭で考える。


『回らないお寿司』の魅力は何なのか?


それはきっと、

「“寿司を食べる"という行為」を堪能するだけではなく、

「寿司を食べる一時」を堪能するということ。



お店の雰囲気を、ツレとの会話を、大将との会話を。

日本酒の香りを、寿司の味わい深さを、一貫一貫握っていただく時間を。


うん、大人になった気がするよ。


答えなんて無いのだけれど、
大将との約束は変わらない。


「美味しかった!また来ます。」



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