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【#夜の独り言】「ビューティフル・ドリーマー」

眠らなきゃだけど、眠りたくないそんな夜。
 


そんな時はスマホで映画を観たりする。



今回の眠れない夜のお供は、
「うる星やつら2 ビューテフル・ドリーマー」。
独特の雰囲気が好きで、何度も見返している作品の一つ。



「うる星やつら」を知らない人も、
サムネに写っている「ラムちゃん」は知ってる!という人も多いはず。


そう、「〜だっちゃ!」「ダーリン!」でお馴染みラムちゃんが
メインヒロインとして登場する作品こそ、「うる星やつら」なのだ。


余談を挟むが、山口県の方言では、
語尾に「ちゃ」が付く。
老若男女、総ラムちゃん県民。



「犬夜叉」、「らんま1/2」、「めぞん一刻」を手掛ける
漫画家:高橋留美子先生の代表作とも言える漫画こそ「うる星やつら」であり、
1978年〜87年までの約10年間少年サンデーにて連載されていた。

「うる星やつら」について詳しく知りたい方はこちらからどうぞ。
※Wikiに飛ぶだけだよ。



『うる星やつら2 ビューテフル・ドリーマー』は文字通り、
「うる星やつら」シリーズのアニメ映画作品第2弾なのだが、
全編を通して異彩を放っている作品。


本作の監督は『押井守』であり、現代では言わずと知れた
アニメ映画界巨匠の出世作と呼ばれている。

『監督・押井守』

パワーワードが過ぎる。


本作は、まだ若き巨匠が良くも悪くも「自分のやりたい事をやった」
作品であり、原作者の高橋留美子先生ともモメにモメており、

「これは“押井守さんのうる星やつら"です」と、
後のインタビューで語っている。
※押井さんは天才、とも称している辺り、才能は大いに認めているご様子。

結果として、一つの作品として何度も観たくなる魅力が生まれたのだが。


以下、簡単過ぎるあらすじを。

高校の文化祭前夜。
目前に迫る文化祭当日に向け、ラムやあたる(主人公)を含めた
生徒教員総出で夜遅くまで準備が進められていた。

連日のお祭り騒ぎのような準備期間に
疲れの色を見せる者、状況を楽しむ者、三者三様。
いずれにしても「あと1日」で文化祭を迎えるのだが…


▼参考:予告編(駄作)▼

※正直、こんなに作品の雰囲気を壊している「予告編」を他に知らない。
物語の核心に触れる描写もあるので、貼ったは良いけど視聴はオススメしません
本編視聴後に観て欲しい。


私は本作を観る上で、必ずしも「うる星やつら」を観ている必要は無いと思う。


もちろん、観ていた方が何倍も楽しめるし、細部まで理解できるのだろうが、
高橋留美子先生が感じていたように、

本作は「押井守」その人によって描き出されたオリジナル作品とも呼べる。


ネタバレは避けたいので、本作の魅力が少しでも伝わるような
劇中のセリフ、言い回しを少し紹介する。
少しでも「この感じ」が好きだ、と感じた人は友達よ。

「もし、亀を助けたのが“浦島太郎"一人ではなく、村人全員だったら、
村人全員が竜宮城に行ったとしたら、どうだったでしょうねぇ。」

「全員が竜宮城に行って、そして揃って村に帰って来たとしたら。
それでもやっぱり数百年の歳月が経っていたことになるんでしょうかねぇ。」

「村人が誰一人、そのことに気付かなかったとしても。」


「考えたら眠れなくなる話」として定番の話は幾つかあるだろう。



「生とは何か?」

「死とは何か?」

「今とは何か?」

「現実とは何か?」

「夢とは何か?」

「時間とは何か?」


その中でも本作は「虚構と現実」というテーマを、
「押井守」という天才の手によって、
「うる星やつら」のキャラクターを用いて描かれたアニメーションと言える。

故に「うる星やつら」のファンからは賛否はあるが、
一つの作品としては完璧なのだ。


「うる星やつら」をよく知らない人にも、
人にこそ観て欲しい。


今こうして過ごしている世界は果たして「現実」と言えるのだろうか。

こうして眠れない夜は更けていく。


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