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医療従事者の過労について思うこと

ザ・体育会系病院で初期研修をしていた時、
大失恋したり、
母が大病気をしたり
プライベートもズタズタな状態で

家に帰って寝れる日がほぼなかった時、
業務中、動悸が止まらなかったり
スライド作り始めているのに
思考がまとまらなくて最初の一行を
書くのに一時間かかって涙がでたりした。

冷静に考えると明らかにおかしかったけど
自分はなんとかやり通せると思い込んでいた。

当時の上司が院内ピッチを取り上げて
タクシーに押し込んで系列の心療内科に行くように予約もとってくれて少し眠剤でももらってゆっくり休みなと休ませてくれたり、

ベテラン外科女医さんが高級イタリアンに連れて行ってくれて
「あなたは素敵な子だから自信を持って。
疲れたら休んだらいいしそれで
あなたの価値は下がらないよ。」
と言ってくれたりした。

他にもいろんな人が次々と
私を休ませたりご飯食べさせたり
話を聞いてくれたり、たくさん与えてもらった。

超がつくほどブラックで有名な病院だったけど(笑)
なんとか乗り越えて生きてこられたのは
周りのサポートと
「この忙しさは異常だ」という
周りの認識があったから。

誰一人として「みんな乗り越えてきたから」
「一人前になるには必要だから」と言わなかった。

「私もしんどかった。休んだり周りに
助けられなかったらダメになってた。
この働き方は異常だ。
でも病院の忙しさは止まらないし
次々患者さんが来る仕組みが変わるのには
時間がかかる。
だからこそやばい時は
自分からちゃんと休んでいい。」

と言ってくれた。今思うとその空気が
私の命を救ってくれたと思う。
今でも助けてくれた先生たちの言葉や顔
を鮮明に思い出すしずっと感謝している。

病院のシステムも変わるべきだけど
今この瞬間から個人ができるのは
自分ができたからというだけで
誰もが苦労して成長すべきという理想論を
語るのをやめるべき。

そんな理想を語れるほど強くて立派なら
そうでない溺れそうな人の手を引き上げて欲しい。

今 こんな話を当時を知らない人や後輩に話すと「体力お化け👻で先生はそんなふうに
ならないのかと思ってました」
とびっくりされるし

私もそんな風になるように見えない
上の先生たちが意外に休職したり病んだ時期があったと聞いた時は驚いた。
ぽろっと言える人もいるけど 自分の弱いとこを見せないで隠す人もいる。
結局、みんな似たり寄ったりだ。

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