短歌:航空宇宙ネタ

 昨晩、どういうわけだか興が乗って航空宇宙ネタの短歌を何本かつくったので、消える前にまとめておきます。

遠かなる空の真ん中白一条 描く筆先 蒼き衝動

 ブルーインパルスの展示を見てる印象。
 5番機か6番機のソロですね。さぼてんさんは2機の演目ならコークスクリュー、6機ならボントンロールが好きです。

痩せ我慢すればこそ皆我を見る 空の彼方で天使と踊れ

 米海軍のブルーエンジェルスを題材に。
 高Gのかかるアクロバット飛行するわりにマスクも対Gスーツも着ないそうなので、やせ我慢の要素を捻じ込んだ。

いかずちの如き轟音轟かせ 頭上に大地拝み飛びゆく

 米空軍サンダーバーズ5番機だったかな、背面の演目がすごい多い機材のけしき。

吠え猛り鉄火の飛礫(つぶて)たたきつけ 白の航跡 戦塵を切る

 A-10神への聖句。

目の周り黒く塗ったるタヌキ面 高嶺より尚高く飛んでる

 エアバスA350のうた。タヌキ面の野暮ったさと「高嶺の花」概念が対置できないかなとおもってこのように。
 いや、A350はコクピットの窓のまわりがぐるっと黒いんよ。

世界一有名な猫 それが我 よみがえること不死鳥のよう

 トムキャットのうた。AIM-54フェニックスの要素や、トップガン概念をリバイバルさせたマーベリックのことや、禁輸で死んだかと思ったらなぜか生きてたペルシャ猫の要素をまぜまぜ。

遺伝子が知らぬ世界を目指し征け 炎 爆音 白煙 空へ

 ロケットを打ち上げる風景。わたしたちの遺伝子には宇宙環境へ出て行くことを念頭にした淘汰圧がかかってないので、モノを大気圏外に放り上げるための爆発的なエネルギー放射って知らないんだよなと思いながら詠んだ。

手をかけてこしらえた羽 大空をゆくはずだった 今はがらくた

 三菱リージョナルジェット……ウッ頭が。
 いやー惜しいやつをなくした。

あと、せっかくなので書き下ろしの句をこしらえておきます。

鶴翼を連ねゆく空赫々と 世界に示せ祖国の威信

 ロシア空軍ルースキエ・ヴィーチャズィ(ロシアンナイツ)。
 鶴翼は使用機材Su-27系の愛称「ジュラーヴリク(鶴)」から。
 赫々は「りっぱに」と「夕暮れ」を両方イメージ。この人たちフレアを炊いての夜間演技もあるそうなので。
 めちゃめちゃプロパガンダ意識なかんじが「ぽい」よね。

亡き人を偲び蒼天へのびてく その空ずっと平穏であれ

 ミッシングマン・フォーメーション。


 ってことで、おわり。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?