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魚座8度のサビアンシンボルに示された「噂や妄想に満ちた空間」

以前、『蠍座と魚座サインのサビアンシンボルから見る、“推し”の世界』という記事を公開していましたが、現在“推し”はいないので(マイブームが終わってしまった……)、記事を非公開とさせていただいております。

そこで、その記事に書いたサビアンシンボルの解説を別記事にすることにしました。備忘録的な内容なので、魚座8度に関してはまた改めて書くかもしれません。

噂の女神ペーメー

魚座8度「A girl blowing a bugle.(ラッパを吹いている少女)」は、私の解釈ではギリシア神話に登場する噂の女神ペーメー(ローマ神話:ファーマー)のことになります。厳密には、ペーメーは少女とは言えないかもしれませんが、8という数が持つ意味やペーメーに象徴される世界が魚座8度にぴたりと当てはまります。

こちらも私独自の解釈になりますが、サビアンシンボルの8度にはそのサインのエネルギーが充満した状態が示されています。

噂の女神ペーメーは「噂」を神格化した女神で、アトリビュートはラッパです。ペーメーは海と陸の境目にある館に住んでおり、ドアも窓も開け放たれた館の中でさまざまな音や声が常に響き渡っているそうです。
真実か嘘かわからない噂話、妄想に満ちた作り話などが囁かれ、小さな噂話はやがて尾ひれがついて大きな話になり、ペーメーが吹くラッパによって世界中に送り出されます。
英語の「fame(名声)」はラテン語の「fama(話、噂、評判、名声、悪評、批判など)」に由来しているそうです。“誰かが話したこと”という意味で考えると、確かに名声というのは不確かで曖昧なものなのかもしれません。

魚座サインと境界が曖昧な世界

海と陸の境目にある館、常に囁かれている噂話、事実かどうかわからない話が広まってしまう茫洋とした感じ……魚座がもつ境界の曖昧さを強く示すには、噂の女神ペーメーはまことに相応しい象徴だと思います。

境界が曖昧であることそれ自体は、良い・悪いの区別を持っていません。
曖昧だというだけです。
魚座8度だけでなく、魚座4度にも明確に境界を示す象徴が登場します。他にも、“アレとコレの間”のような意味を含む度数はいくつもあり、いずれも魚座サインが境界に身を置いていることが示されています。

魚座2度で少し触れたように、魚座サインは時代や社会といった大きな流れに翻弄されやすい性質を持っており、弱々しい存在に感じられるかもしれません。しかし、多くの荒波を乗り越えてポジティブな方向に成長できれば、自分を守るための能力が発達します。
ただ、大きな痛みを伴うこともそれなりに多いため、戦う火星・努力する土星・再起を図る冥王星……このような天体の配置やアスペクトによって回復力の度合いは変わるのかなとも思います。

私の解釈では魚座8度が少々ネガティブなイメージになってしまいますが、出生図の太陽が魚座8度にあってもガッカリしないでくださいね。
たびたび書いていますが、私はサビアンシンボルの度数に出生図の天体の度数をあてはめることはしていません(プログレス太陽のように、サビアンシンボルの度数をスタート地点にすることはあります)。
サビアンシンボルはサインの性質をさまざまな角度から見せてくれるツールとして活用すると、とても使い勝手が良いモノだと思います。

サビアンシンボルの解釈について

当記事の内容は、サビアンシンボルを考案したマーク・エドモンド・ジョーンズやサビアンシンボルの解釈を著したディーン・ルディアの解釈とは異なります。サビアンシンボルに登場する要素を象徴として扱い、象徴が意味する内容に基づいた独自の解釈を行っています。

魚座のサビアンシンボル一覧

象徴的解釈:魚座1度のサビアンシンボル(実験的試み)
徴的解釈:魚座2度のサビアンシンボル
象徴的解釈:魚座3度のサビアンシンボル

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