見出し画像

サビアンシンボルから見る、魚座の持つ公共性・大衆性

占いの本を見ると、魚座は優しいとかロマンチックとか、あるいは不思議ちゃん、天然、移り気、優柔不断……何ともフワフワしたワードが並びますが、そのような言葉で語られることが多いサインです。
自己犠牲的、同情心が強いとも言われます。
しかし、太陽魚座の自分としては、声を大にして言いたいのです。

そうではありません!!
(↑本人は自覚がない)

ただ、自分を他者の価値観に合わせて変化させてしまう、変幻自在なところはあるようだと自覚しています。この“自分を他者の価値観に合わせて変化させてしまう”性質こそ、魚座の原点かもしれません。それが魚座1度のサビアンシンボルによく表れています。

※この記事は旧ブログ(http://aries29-sabiansymbols.net/sabian-pisces1-public/)で2018年4月に公開されたものを編集しています。

象徴としての公共市場

魚座1度のサビアンシンボルは「A public market.(公共市場、大衆市場)」です。魚座1度を、さまざまな物がごちゃ混ぜになっている状態を表していると解釈することはできるでしょう。魚座サインは自分と自分以外との境界線が曖昧だからです。
しかし、「公共市場」を象徴として考えてみると、それだけではなく魚座サインが持つ一種の危うさが見えてきます。

魚座1度の公共市場は大衆に開かれた場所であり、誰でも自由に買い物をすることができます。
品物を売る側はどうやって値段を決めているでしょうか?仕入れ値や他の店を参考にして値段を決めることが多いと思いますが、珍しい品や骨董品には高い値段を付けるかもしれません。あるいは、なかなか売れなくて大幅に値引きすることもあるでしょう。
一方、品物を買う側は「このリンゴに500円は高いな」とか「あっちのリンゴの方が美味しそう」など、品物の品質と値段を見定めながら、買い物をします。うまく交渉して元の値段より安く手に入れる人もいるでしょう。

ここには絶対的な価値基準はありません。最終的に市場で品物の価値を判断しているのは買う側、そこにいる大勢の人々(=大衆)だからです。大衆は一人一人が個人的な価値基準を持っていますが、数が集まると集団としての意志、大きな方向性を持つようになります。

魚座1度の公共市場は、そこに存在する“多様な価値観”と“他者による価値判断”、それらが存在する環境としての“集団性”を象徴しています。
公共市場で売られている品物のように、魚座サインは他者や社会から要求される価値基準に自分を合わせてしまうところがあります。そこが変幻自在な性質につながっているのかもしれません。

他者の価値基準

魚座サインは“他者の価値基準に自分を合わせる”ことがデフォルトになっているので、半ば無意識的に相手の感情・意志・願望が自分のモノとしてフィードバックされます。魚座が自己犠牲的とか優柔不断とか移り気だと言われる理由は、このへんにありそうです。他者から見ると、自分を犠牲にして相手を尊重しているように見えるのでしょう。

“自分の意志”を持っていないわけではないのですが、「水は方円の器に従う」ということわざにある通り、自分を入れる器(=環境)によって自分を変化させます。水はそれ自身だけで存在することが難しいからです。

“他者”の価値基準と書きましたが、実際はもっと大きい規模の集団が持つ価値基準です。公共市場に象徴されるように、魚座サインは家族や友人といった小さなグループよりもっと大きな集団、特に社会や時代と深い関わりを持っています。そのため、時代が求める流れに巻き込まれてしまった結果、(意に沿わないかたちで)時代の象徴として祭り上げられたり、時代の犠牲になったりすることがあるかもしれません。

プログレスの太陽を使って自分自身を意識する

私はプログレスの太陽が位置する度数のサビアンシンボルを、1年のテーマとして使っています。ソーラーアークで太陽の位置だけ使うのと同じようなものです。
プログレスの太陽もソーラーアークも、出生チャートの太陽がある位置を1年にほぼ1度ずつ進める方法です。それぞれ厳密な計算で違いは出ますが、簡単に説明すると、生まれた時に魚座15度にあった太陽が30歳になった時には牡羊座15度まで進むようなものです。

個人的な印象ですが、サビアンシンボルは象徴なので、実際の位置より概念的な位置の方が相性が良いのではないかと思っています。また、サビアンシンボルの意味はとても奥が深いので、1日や数カ月で体験することは難しく、1年間同じ度数に太陽が滞在するプログレスのような進行法の方が使いやすいのではないかと思います。

出生チャートで太陽があるサインはその人のエネルギーの質や方向性を表し、ASCは社会との関わり方を表しています。魚座サインに太陽やASCがあると、どうしても魚座サインの根本的な性質(=他者の価値基準に自分を合わせる性質)が強く表れがちです。

「自分で自分がよく分からない」

そう思っている太陽魚座さん、ASC魚座さんは多いかもしれません。自分の意志で何事も選択してきたはずなのに、ある日「なぜこんなことをしているのだろう」と、疑問を持つこともあるでしょう。

しかし、他者から見て変幻自在であっても、自分の深い部分にある核のようなもの、それは変わりません。他のサインより自覚しにくいだけです。なぜかと言うと、自分の意識が自分の体から飛び出し(幽体離脱ではありません)、外側の世界(流行、社会、時代といった大きな枠組み)とくっついてしまう傾向が強いからです。

太陽魚座さんの場合、プログレスの太陽は魚座から牡羊座、牡牛座サインへと進みます。牡羊座~牡牛座を通過する流れの中で、「自分は何者?」「本当は何が好き?」「本当は何がしたい?」という問いを続け、やがては自分自身の深い部分にある「核」を実感できるようになるだろうと思います。

image photo : by PhotoMIX-Company(pixabay)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?