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象徴的解釈:魚座1度のサビアンシンボル(実験的試み)

Pisces1:A public market.
《日本語訳》公開市場、証券市場。

魚座1度の意味

・他者の評価に左右される存在価値
・相対的な価値基準

魚座1度の解説

「public market」が意味するもの

「public market」には「公設市場(公共市場)」だけでなく「公開市場」「証券市場」「大衆相場」という意味もあります。今回は実験的に「public market=証券市場」とし、何を象徴しているのか考えてみます。

↓↓魚座1度について過去に解説した記事はこちら
サビアンシンボルから見る、魚座の持つ公共性・大衆性
https://note.com/sabian_symbol/n/n7b41847fe8d9

証券市場とは

証券会社の用語解説を見ると、証券市場は以下のように解説されています。
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有価証券(株式、債券、投資信託)の発行が行われる発行市場と、それらの売買が行われる流通市場の総称。企業が資金調達のために新たに有価証券を発行して投資家がそれを取得するのを発行市場、一度売買された証券が投資家どうしの間で取引きされるのを流通市場と呼ぶ。
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わかりやすくするために、証券市場を株式市場に限定してみます。難しいと感じる方がいるかもしれませんが、ご容赦ください。

企業が新規上場する際、新規公開株(IPO株)の公開価格はその企業の財務指標や類似業種の株価収益率、機関投資家の意見などによって決定されます。機関投資家とは個人ではなく、巨額の取引を行う企業・銀行・団体などを指します。公開価格を決める時点で、第三者による評価がなされるということです。
新規公開株の初値は企業への期待感もあって高めにつくことが多いのですが、一般の株主や投資家間で売買されるようになると、株価は値下がりする傾向にあります。

売り注文が増えて市場に出回る株式数が多くなると株価は下がり、逆に買い注文が増えて株式数が少なくなると株価は上がる。これが株価が変動する仕組みです。
東証一部に上場しているような大企業の株式銘柄は、年単位で株価の推移を見ると、どこかの価格帯で小幅の値動きをしていることが多いものです。ところが、ベンチャー企業が多いマザーズやジャスダックといった新興株市場の銘柄は株価が乱高下し、「ナイアガラの滝」という表現で揶揄されるように、一気に株価が下落する現象が見られます。

なぜそのような株価の乱高下が起きるのかというと、大企業と比べて専門性が高く単一事業になりやすいベンチャー企業は、業績の変動が大きく、その分株価に与える影響も大きいからと言われています。そのため、新興株市場では投機目的で投資家が売買することが多く、デイトレードの対象になりやすいという理由もあります。

少々硬い説明が続きましたが、要するに株価は企業自身が「我が社の適正な株価はこれです」と設定することはできなくて、株式市場における売買のバランスによって決められているということです。

世の中の需要と株価の変動

株価の変動は世の中の需要を反映しています。例えば、現在は医療・バイオ系の企業をはじめ、情報・通信、食料品、動画配信、ゲーム関連企業にはこれまで以上に注目が集まっています。これは、ワクチン・治療薬・検査機器の開発、テレワークの整備、巣ごもり需要などによる業績拡大が期待されているからです。

業績が伸びて多くの投資家から「この銘柄(=株式のこと)を買い足しておこう」と判断されれば、買い注文が増えて株価は上がります。しかし、期待していたほど業績が伸びず「大損を出す前に売ろう」と投資家に判断されると、特に新興株の場合は容赦なく売られ、株価は下落の一途をたどります。

他者の評価に左右される存在価値

その銘柄を所有している株主や投資家からすると、株価が上がれば自分の資産価値も上がり、株価が下がれば資産価値も下がることになります。巨額の売買が可能な投資家の一部(仕手筋と呼ばれます)は意図的な売買によって株価操作を行うこともあるようですが(本当はダメです…)、小口取引が多い個人投資家はどうすることもできません。自分の買った銘柄が高くなるか安くなるか、その価値は株式市場の状況に左右されるということです。

魚座は12サイン、ミュータブルサインの最後に位置するので、社会・時代といった大きな枠組みの影響を受けやすいサインです。魚座1度「public market(証券市場)」では、自身の存在価値が他者の評価に左右される性質が示されています。

スクエア(90度)の関係にある双子座サインは商業やマス・コミュニケーション、同じくスクエアの射手座サインは海外や出版と関係しており、どちらもある種の“広がり”を感じさせます。活動する環境が広いのです。
サビアンシンボルから見た場合、魚座サインの基本的性質がオポジション(180度)の乙女座サインより、むしろスクエアの関係にある双子座・射手座サインと共通点が見られるというのは、面白いかもしれません。これは他のサインにもあてはまりそうです。

スクエアが意味するのは、決断とそれによる行動です。ミュータブルサインは周囲からさまざまな影響を受けやすく、決断や行動のきっかけは周囲との関係性の中で生まれることが多いでしょう。
一方、オポジションは認識の拡大とそれによる補完という意味を持ちます。分析・思考と関係が深い乙女座サインの性質は、インスピレーションに頼りがちな魚座サインとは確かに正反対です(思考・分析とインスピレーションの比較はまた別の機会に)。

今回は実験的に「public market」を「公共市場」ではなく「証券市場(株式市場)」として考えてみましたが、結果的にはどちらで考えても意味に大きな違いはなさそうです。
ただ、「証券市場(株式市場)」の方が、その物の価値が他者によって判断されるという意味が理解しやすいかもしれません。

image photo : by Tumisu(pixabay)

サビアンシンボルの解釈について

当記事の内容は、サビアンシンボルを考案したマーク・エドモンド・ジョーンズやサビアンシンボルの解釈を著したディーン・ルディアの解釈とは異なります。サビアンシンボルに登場する要素を象徴として扱い、象徴が意味する内容に基づいた独自の解釈を行っています。

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