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サビアンシンボルから見る、魚座のアイドル性と獅子座のヒーロー性

サビアンシンボルはサインの性質を万華鏡のように映し出しています。そして、その性質の一部は120度同士のサインや180度同士のサインだけでなく、90度同士のサインもに共通して見られます(クオリティは同じなので当然かもしれませんが…)。それならと、150度同士のサインもサビアンシンボルという観点から比較してみようと試みたところ、何かしら共通点はありそうだと思ったので、記事にまとめてみました。

魚座サインと獅子座サインの違い

魚座サインと獅子座サインは150度(インコンジャンクト)の関係にあり、占星術的には共通要素を持たない組み合わせです。エレメント(四元素:在り方)、ポラリティ(二区分:男女区分)、クオリティ(三区分:行動タイプ)を並べてみると、こうなります。

◆魚座サイン
水(ウォーター)、女性性(パッシブ)、柔軟宮(ミュータブル)
◆獅子座サイン
火(ファイアー)、男性性(アクティブ)、固定宮(フィクスド)

サイン同士のアスペクトで考えた場合、150度の関係にあるサインを統合・調整することは難しく、互いの性質を否定しない程度に適応させる必要が生じるとされています。
まさに正反対の水と火の関係にある魚座と獅子座ですが、どちらも自分を取り巻く環境が自分の生き方と深く関わっている点に、ある種の共通点を見出すことができます。ただし、魚座は周囲から影響を受けるのに対し、獅子座は周囲へ影響を及ぼします。

魚座サインが持つアイドル性

サビアンシンボルの1度は、そのサインが持つ基本的な性質を表します。魚座サインは1度「A public market.(公共市場、大衆市場)」に示されるように、自身に対する価値判断を他者に委ねる性質を持ちます。牡羊座サインから始まった自我形成の流れは、最後の魚座サインで自我を捨て、終わりを迎えるのです。

個性や自己表現を表す魚座5度「A church bazaar.(教会のバザー)」に示されているのは価値の再創造です。バザーで出品された品物は出品者にとって不要になったガラクタかもしれませんが、他の人にとっては大変価値がある宝物かもしれません。魚座サインは場所や相手によって、自身の価値が再創造される可能性を秘めていると言えるでしょう。相手が望むように変化できるという、ある意味おそろしい?頼もしい?性質です。
魚座1度と魚座5度をセットにして考えると大変面白く、どちらも「絶対的な価値基準」が存在しないことが示されています。

周囲との関係性は、魚座2度と魚座4度からも見ることができます。2度はサインの思考や行動の源泉となる性質です。魚座2度「A squirrel hiding from hunters.(ハンターから隠れているリス)」からは魚座サインの強い防衛本能が窺えますが、源泉となっているのは“相手(環境、社会、時代)の動きに合わせて行動する性質”と言えます。
2度のルーツに当たるのが4度です。魚座4度「Heavy traffic on a narrow isthmus.(狭い地峡のひどい交通渋滞)」では、異なる世界をつなぐ役割や媒介者的性質が示されています。魚座サインを通じてさまざまな人々の思惑が行き交うことになるでしょう。ある種の混乱を伴う環境に身を置いているため、防衛本能が強くならざるを得ないのかもしれません。

12サイン最後に存在する魚座は、人々の思惑・社会が作り出した理想などがドロドロに溶け込んでいる環境に身を置きやすく、それらに翻弄される危険性が常に付きまといます(だからこそ、防衛本能が強い)。
逆に考えると、時代の流れにうまく乗りながら(←ここ大事)、多くの人々に愛される続けるアーティストやアイドルは、魚座サイン的性質がポジティブに発揮された良い例だと思います。さまざまな価値観を持つ人々から共感を得るには、他の人の想いを汲み取る共感能力やそれを代弁できる表現能力が必要だからです。

獅子座サインが持つヒーロー性

一方の獅子座は、自分自身の内部から湧き上がる生命エネルギーによって行動するサイン。この性質は獅子座1度の「A case of apoplexy.(脳卒中の症例)」によく表れています。
そして、獅子座2度「An epidemic of mumps.(おたふく風邪の流行)」に象徴されるように、周囲へ絶大な影響を及ぼすことが獅子座サインの思考や行動の源泉です。誤解のないように補足しますと、あくまでも象徴という観点から書いていますので、実際に獅子座サインがウイルスをまき散らすということではありません。

獅子座サインの生きる姿勢は、生死を賭けたダイナミックな生き方につながります。ギリシア神話に登場するヘラクレスが、数々の冒険を経験し、最後はゼウスによって英雄として空にかけられた(星座になった)ように。これは獅子座7度「The constellations in the sky.(空の星座)」に示されています。7度は異なる要素のバランスをとる度数です。

また、獅子座5度「Rock formations at the edge of precipice.(絶壁の端にある岩層、奇岩)」では、壮大さや注目性、そして孤高性が示されています。本来的に獅子座サインは周囲へ圧倒的存在感を示すことを望みますが、その裏では自身を徹底的に追い込む努力が続けられています。

例えば、世界的に活躍するアスリートがいるとします。そのアスリートの姿に憧れて、次の世代の子どもたちが同じ競技を始めることは珍しくありません。しかし、一見華やかな姿の裏で、アスリートたちは血のにじむような練習を黙々とこなしています。獅子座5度の岩層が、気の遠くなるような長い年月をかけて形成されるのと似ているかもしれません。獅子座が持つヒーロー性にはどこか孤高性がつきまといます。

アイドル(魚座サイン)とヒーロー(獅子座サイン)の違い

アイドルは人々の夢や理想を具現化してくれる存在、ヒーローは人々に希望を与えてくれる存在です。ただ、アイドルは人々の想い(こうであって欲しい)によって存在が成立しているようなところがあって、見えない糸につながれた操り人形になってしまう危険性がありそうです。
一方のヒーローは周囲から際立つ存在なので、一人ぼっちではそもそも存在自体が成立しません……!ヒーローが登場するためには、ヒーローを引き立たせる他者の存在や活躍するための状況が必要です。

獅子座サインも魚座サインと同様に“周囲の存在”を必要としているように見えますが、魚座サインと異なる点は、行動のきっかけが自分自身の内部にあるということ。獅子座サインのルーラーである太陽が他の天体から影響を受けて輝いているわけではなく、内部で起きている核融合の爆発によって輝いていることを考えれば、わかりやすいかもしれません。

おまけ:魚座30度と獅子座30度

サビアンシンボルの30度はそのサインの成れの果てと言えるような、やり過ぎ感が漂う度数です。例えるなら、熟し過ぎてもはや食べられなくなった果実のようなものです。

サビアンシンボル30度では、魚座サインと獅子座サインはそれぞれ面白い結末を迎えています。
魚座30度は「The Great Stone Face.(巨大な岩の顔)」。象徴として考えた場合、硬い岩は自我や意志を表します。魚座サインは自我を捨てたはずなのに最後はしっかり自我を形成しているように見えます。まるで獅子座5度に登場した岩層のように、自分の存在を強烈にアピールしているようです。しかし、この岩に刻み付けられた顔は他者によって“時代の象徴”とされた結果であり、本人の意志とは関係がないでしょう。

獅子座30度は「An unsealed letter.(封をされていない手紙)」。これは、歴史的人物が残した手紙が開封され、その人物を研究する手がかりになっていることを思い浮かべると、わかりやすいでしょう。歴史に名を残す人物の伝記が、後世に残された日記や手紙が手がかりの一部となっていることはよくあります。封をされていない手紙を象徴として考えた場合、誰かに見て欲しい、時代を経ても自分の存在を示したい、という自己顕示欲の高さと言えそうです。“時代を経ても”というところが、時間を超越する魚座サインに似ています。

魚座が持つアイドル性、獅子座が持つヒーロー性というタイトルでここまで記事を書いてきましたが、アイドルやヒーローとして活躍している方たちが12星座占いの魚座や獅子座であるかどうかはまた別の話です。
サインの性質は太陽だけが担うわけではありませんし、太陽サインの性質がうまく発揮されていない方もいます。

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